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細川俊夫 (1955-) レビュー一覧

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商品ユーザーレビュー

20件
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  •  ベルリン・フィルのDCHで観て魅了され、CD化を...

    投稿日:2014/03/30

     ベルリン・フィルのDCHで観て魅了され、CD化を待っていたホルン協奏曲がやっとお目見え。CDで聴きなおして、あらためてその美しさに聴き惚れてしまった。DVDでも観たいが今はこれで満足。          ホール全体を池に見たて、各所に演奏者が配置される視覚的な面白さをCDで観ることは無理だが、じっくり聴くと細かい音(景色)のうつろいや池に吹く風が水面(または蓮の音に至るまで内部で行われている呼吸)や蓮を静かに揺らしていくさま、光・時間の経過(蓮の開花の過程)が手に取るようにわかる。    現代音楽ながら描写的で情緒的。他の2曲も非常に美しい曲(特に「月夜の蓮」でのピアノのたおやかさといったら・・・)であるし、頭で考えさせる曲ではないので現代音楽を敬遠される方にこそお薦めしたい。

    うーつん さん

    3
  •  細川俊夫氏は、私にとってなかなか聴くチャンスが無...

    投稿日:2013/12/29

     細川俊夫氏は、私にとってなかなか聴くチャンスが無く残念な作曲家。コンサートという場面はもちろんとして、CDやi-Podなどでも周りの音が無い場所で静かに集中して聴きたいがそのチャンスがあまりないのだ。    この盤もそんな場所や機会を見つけて少しずつ聴いている。4つの楽器だけで演奏しているはずなのに出てくる音の多彩さや表現の表し方はオーケストラの合奏を凌駕するといってもいいかもしれない。内容は厳しく、(音の多彩さや表現の表し方が多いのに)不要なものはそぎ落とされている。    しかし聴いていて一番大事な要素は音や表現の多彩さなのではなく、沈黙や音のない状態が最も重要な表現であり主題であるような気がする。書が、文字を書くことによって白の部分の重要性を発見できるようにこの四重奏曲も音を出すのは沈黙を見つけるための手段であるように思った。   四重奏曲が好きな方はもちろんのこと、沈黙が好きな方(または興味のある方?)に、または沈黙の意味を考えたい方にお薦めしたい。

    うーつん さん

    3
  • 曲、演奏に関しては評価を保留します。ただ、ナクソス...

    投稿日:2011/04/25

    曲、演奏に関しては評価を保留します。ただ、ナクソスのこのシリーズを楽しみにしていたものとして大変残念なのは、このCDには日本語の解説がありません。片山杜夫氏による懇切丁寧な解説がこのシリーズのうりになっていたことを考えると大変残念です。商品の魅力として星をつけます。

    美晴児 さん |60代

    3
  •  1999年、ハノーファー現代音楽祭におけるライヴ収録...

    投稿日:2019/06/01

     1999年、ハノーファー現代音楽祭におけるライヴ収録とのこと。細川俊夫の作品も作曲されたのがたまたま現代というだけで、伝統楽器のために作られ、演奏されると「ゲンダイオンガク」に聴こえないのが面白い。ほかの収録曲も新鮮で、現代音楽祭の聴衆にも「フレッシュな音楽」として聴こえるのだろう。     日本では絶滅危惧種的なローカルな音楽になっており、かく言う私も進んで聴きに行くとは言えない。これらの曲もこのようにして聴くと、なるほど実に面白い。三味線でも琴などの伝統楽器による音の粒立ち、強靭さにも感心させられる。    現在の日本でほとんど聴かれない音楽、使われない楽器と唄を聴くために海外の現代音楽祭に行かないと耳にできないというのは日本人として少し考えさせられる。「新しい」「古い」というカテゴリーで区切り、「古い」から聴かない・目を向けない考え方に反省を促す教材でもある気がする。たとえ作られた時期が古くても、それは「作品が古い」と同義にはならない。当盤の演奏後、聴衆が送った拍手がそれを物語っている。  個人的な意見だが、今のニホンで「最新のミュージックシーン」として湯水のごとく流されていく音楽よりも音楽が締まっており、メッセージは強いとさえ思う。

    うーつん さん

    1
  •  我々日本人にとって、自然の牙が剥き出しになって襲...

    投稿日:2018/09/12

     我々日本人にとって、自然の牙が剥き出しになって襲い掛かった2011年3月11日は忘れることができない「分岐点」となることであろう。 「体験」が「記憶」になることが将来的に何をもたらすのかまだ判らないが、音楽を通してその痛みや喪失、そしてそこから立ち上がる再生を考えるのも一つの方法と思う。   このディスクに収録された曲はすべて軽い気持では聴けないものばかり。ただ、それでも聴かずにはいられない。そして、あの震災に、自然の驚異に想いを馳せずにはいられない。   音楽の語法は細川俊夫らしいものであるが、そのパレットに描かれた風景の激しさといったら…。 氏の既存の作品とは一線を画す、圧倒的に痛烈な自然の凶暴さをそのままに表現していく。対して小さな存在である人間は、か細い声でしかその存在を表現できない。   「嘆き(2013 ver.2015)」はディスク化を切望していたものだけに真っ先に聴いたが、他の曲も聴くうちに「4曲全体でひとつの作品」と思えるようになった。先の震災をテーマにしてはいるが、もっと根本では「自然への畏れ」でつながっているからだ。   ライナーノートからの引用を行わせてもらうが、「嘆き」の曲冒頭に歌われるこの一節をご覧いただければこのディスクのメッセージが少しでもご理解いただけると思う。   『・・・最近、恐ろしい出来事があり、私はもはやその影から逃れることができない。敬愛する友よ、私の人生はわずか数日の間に筆舌に尽くしがたいほど無残に壊された。そして痛みをも拒む無言の苦悩だけが残っている・・・ 』 (ゲオルく・フォン・トラークルが友人に宛てて書いた手紙の一節、当盤解説ノートより)

    うーつん さん

    1
  •   そもそも一人の現代作曲家の作品いくつかをずっと...

    投稿日:2014/12/02

      そもそも一人の現代作曲家の作品いくつかをずっと聴き続けるのもけっこう骨が折れるものだ。 当盤の作曲家のように緊張感を持続させる作品ならなおさら。 しかも大まかな曲調というか進行は似たり寄ったりなのでマンネリになってしまうこともあったと告白しておきたい。  その点で当盤では楽器編成が多様、その響きを聴きあい中に含まれる多義性を模索すること、奏法の多様性にも注意が注がれていることを感じておもしろかった。     あしかけ20数年の年輪を1枚で聴くわけだが、作曲家の根本は全くぶれずに一貫していることがわかったのも勉強になった。細川俊夫のポートレートとしてもおすすめしたい。

    うーつん さん

    1
  •   曲は以前他のレーベルで演奏したものを再録音が多...

    投稿日:2014/10/02

      曲は以前他のレーベルで演奏したものを再録音が多くを占める。同じ組み合わせで演奏した曲(ランドスケープV)もあるし、楽器の編成を替えた曲も。以前の録音より演奏は落ち着いた感があるが、音の緊張感は深化しているように聴こえた。「厳しい」という感じではない、深い呼吸を互いが感じあうというような感覚のものだ。 五重奏とソロを交互にして単調にならないように、緊張感が持続するように組んであるように思った。音が立ち上る様と持続しつつ変化する様が固めの音質で耳に染み込んでくる。 はじめて耳にしたソロ曲はどれも美しく切ない。

    うーつん さん

    1
  • 美しいし、面白いです。感覚に訴えてくる音楽には味わ...

    投稿日:2014/04/03

    美しいし、面白いです。感覚に訴えてくる音楽には味わいがあります。

    カズニン さん

    1
  •   舞台は原発の燃料棒を思わせる無機質に光るオブジ...

    投稿日:2020/05/24

      舞台は原発の燃料棒を思わせる無機質に光るオブジェが上から吊り下がるシンプルなつくり。歌は前作「松風」と比べてもかなり直情的で激しい表情付けがされている。地震などの衝撃を、家族を亡くした感情の揺れを伝えるためだろうか。打楽器による激しい出だしも今までにないやり方。動きも抑制され逆に激しい歌いぶりが余計に目立つことになる。 母親クラウディア役の表情は能の物狂いにも似た感じで痛切にその哀しみを突き付けられた。クラウディアの義姉ハルコ役の藤村実穂子も役柄にはまっていた。人間の悲劇が繰り広げられる中、それでも海は静かにそこにある。最後はみな海のかなたに目線を送りながら様々な想いを心にひめ、幕は下りていく。   東日本大震災、その津波によって引き起こされた原発事故…現在に生きる日本人が決して忘れることができない悲劇。 福島、隅田川…突然の悲劇で子供と離ればなれになってしまった母親の哀しい狂気。  こういう括り方は不謹慎かもしれないが、悲劇であれ芸術であれ日本という地をきちんとした形で発信し理解の一端にしてもらうことは必要なことだと思う。オペラという形式で細川俊夫が伝えた「日本」。日本という国が、大震災のあった地であり、原発事故のあった地であり、「彼岸」という祖先または故人と交流する文化風習を持つ地であり、「能」という芸術が育まれた地でもある、ということを広く知って考えてもらえるようになればよいが。   2020年に当盤を入手し視聴したためかもしれないが、放射能を防ぐ防護服のシーンなどは本年の病院内で防護服を着用し苦闘する方々のシーンにかぶって見えてしまった。2011年のあの事故だけでなく2020年に起きている災厄にも通じるような感覚をもって観ることにもなるかもしれない。

    うーつん さん

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  •   ヴィヴァルディと細川俊夫、バロックと現代音楽が...

    投稿日:2020/04/07

      ヴィヴァルディと細川俊夫、バロックと現代音楽がこうも相性が良いとは思わなかった。絶妙なマリアージュ!   ヴィヴァルディの本拠地であるヴェネツィアを触媒として両者の音楽が交差する面白さ。ヴェネツィアの入り組んだ水路や曲がりくねった小径を彷徨い歩く私たち。ふと振りむいたり、はたまた水路の向こうから、それとも道の曲がり角からヴィヴァルディが現れてくるような錯覚を楽しませてくれる細川俊夫の曲づくり。   ヴィヴァルディの活気を感じさせる音楽は往年の、活況を呈したヴェネツィアの人々の往来を想像させてくれる。時代と町と人間とがクロスした面白い企画で愉しめる。バロック好きな方、現代音楽に興味ある方の両方におすすめし、その交差を楽しんでもらいたい。

    うーつん さん

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