土偶を読む 130年間解かれなかった縄文神話の謎

竹倉史人

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784794972613
ISBN 10 : 479497261X
フォーマット
出版社
発行年月
2021年04月
日本
追加情報
:
347p;20

内容詳細

縄文時代に大量に造られた素焼きのフィギュア=「土偶」。謎めいたその姿をめぐって、土偶の研究は明治、大正、昭和、平成、令和と130年以上にわたって繰り広げられてきた。その「正体」については「妊娠女性説」や「地母神説」などがあるが、いずれも確証が得られておらず、縄文土偶はいまだに詳細不明の遺物となっている。本書では、土偶の形態を具体的に分析するイコノロジー研究の手法と、環境文化史・民族植物学を含む最新の考古研究の実証データを用いることで、ついに土偶の「真実」を明らかにする。

目次 : 第1章 土偶プロファイリング1 ハート形土偶/ 第2章 土偶プロファイリング2 合掌土偶・中空土偶/ 第3章 土偶プロファイリング3 椎塚土偶(山形土偶)/ 第4章 土偶プロファイリング4 みみずく土偶/ 第5章 土偶プロファイリング5 星形土偶/ 第6章 土偶プロファイリング6 縄文のビーナス(カモメライン土偶)/ 第7章 土偶プロファイリング7 結髪土偶/ 第8章 土偶プロファイリング8 刺突文土偶/ 第9章 土偶プロファイリング9 遮光器土偶/ 第10章 土偶の解読を終えて

【著者紹介】
竹倉史人 : 人類学者。独立研究者として大学講師の他、講演や執筆活動などを行う。武蔵野美術大学映像学科を中退後、東京大学文学部宗教学・宗教史学科卒業。2019年、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程満期退学。人類の普遍的心性を探求すべく世界各地の神話や儀礼を渉猟する過程で、縄文土偶の研究に着手することになった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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2022年6月、世界遺産となった三内丸山遺跡...

投稿日:2022/10/04 (火)

2022年6月、世界遺産となった三内丸山遺跡の説明を聴いた際、講師が土偶に関して、最近話題になっている本があるがあれも確証はないと見下したような態度をとっていたのが気になり、調べてみてこの本に行き当たった。 出版されたのは2021年4月25日で、私が読んだ本が5月15日の2刷なので、世間で評判を呼んだらしいことがわかる。 考古学者ではない著者が、土偶が何を象ったものなのかに関して考察した本で、読み始めの頃こそ半分眉唾で読んでいたのだが、最後はこれこそ「定説」になるべき考え方だと納得した。 「ハイバックチェア」にもたれかかりながら思考したとか、「アシスタント」に試食させたとか、わざと専門家から反感を買われそうな書き方をしているのではと思われる部分もあったが、その研究態度は真摯で、机の前で思考するだけでなく、土偶が発掘された現場に足を運んだり、貝の採取やサトイモの飼育を実際行って検証するなどの地道な努力が成果に結びついた。 「おわりに」にあるように、著者が研究成果を縄文研究者たちに見せたところ、大半が「コメントしようとせず」、中には「世に出ないように画策する者まで現れた」という。これは土偶研究の世界にとどまらない、「官僚化したアカデミズムによる知性の矮小化」という学問世界の体質で、この書はそれに挑戦した画期的なものであると興味深く読んだ。

アーチ さん | 東京都 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • やいっち さん

    土偶好きは少なからずいるに違いない。吾輩もその一人。特にあの遮光器土偶! その謎が解けるなら、なんとしても読みたい。 「現代までに全国各地で2万点近くの土偶が発見されている。 ・一般的な土偶の正体として 「妊娠女性をかたどったもの」 「病気の身代わり」 「狩猟の成功を祈願する対象」 「宇宙人」……」などの説がこれまでに展開された。が、実はいずれも確証が得られていない。」

  • アキ さん

    ヘウレーカ!「土偶は食用植物と貝類をかたどっている」という仮説に納得。土偶と一口に言っても縄文時代には土偶の変遷もあり、多くの種類がある。それぞれの時代の気候と地形と植生を調べ、実際にフィールドワークも行い得た知見が圧巻。具体的な検証で「推塚土偶はハマグリをかたどった土偶である」が最も印象的。そう聞くとそれ以外には見えなくなる。人の認知バイアスとはそんなもの。そして著者は人類学者。これを出版しようとして最も障害になったのが考古学者であったとは皮肉なものである。考古学界がこれを追従するのか、検証が待たれる。

  • 美登利 さん

    土偶の謎が時明かされた!と記事を見つけた時わくわくしました。ようやく手元にきた本。考古学者ではない人類学者の竹倉さん。なかなか面白い着眼点。そうだよな、自然に成る植物(穀物類)が一番初めの食料だったのだろう。あとは海の浅瀬にいる貝。私が貝塚と出会ったのは小学2年の時、遠足で。あの頃はなんの興味も無かったけど、今は土偶に惹かれて何冊か読んでいます。遮光器土偶が里芋?わからんこともないけれど、笑っちゃうよね。展示物では立たせてるけれど、本来は自立しない、それは種芋と一緒に土の中で里芋を護る為だと!驚き。

  • 榊原 香織 さん

    面白い!なんで今まで誰もこう考えなかったのだろう。 土偶は食用植物、貝の精霊、すなわちゆるキャラ! 読むと、もうそれにしか見えなくなる。するっと納得できる(鳥が恐竜の子孫と聞いたときみたいに)

  • おせきはん さん

    人類学者である著者が、独自の調査に基づき土偶が当時、食べられていた植物などをかたどっているとする考えを展開しています。土偶は文字がなかった時代に作られたものなので、真相は永遠にわからないかもしれませんが、考古学者とは異なる視点からの新鮮で説得力のある説明は興味深く、学問の面白さも堪能しました。

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人物・団体紹介

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竹倉史人

1976年、東京都生まれ。人類学者。慶應義塾大学法学部、武蔵野美術大学映像学科を中退後、東京大学文学部宗教学・宗教史学科を卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程満期退学。独立研究者として執筆・講演・大学講師などの活動を行っている。世界各地の神話、儀礼、考古遺物の分析を通して

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