辺境の思想 日本と香港から考える

福嶋亮大

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163908304
ISBN 10 : 4163908307
フォーマット
出版社
発行年月
2018年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
331p;19

内容詳細

西洋の近代性は綻びつつある。「中心」が力を失ったいま、未来のヒントはどこにあるのか。香港と日本。二つの「辺境」から考える。

【著者紹介】
福嶋亮大 : 1981年、京都市生まれ。文芸評論家。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。立教大学文学部准教授。主な著書に『復興文化論』(青土社、2013年、サントリー学芸賞受賞)、『厄介な遺産』(青土社、2016年、やまなし文学賞受賞)など

張〓〓【著】 : 1977年、香港生まれ。香港中文大学大学院社会学研究科博士課程卒。博士(社会学)。同大学社会学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 踊る猫 さん

    改めて読み返すと、もちろんここまでアカデミックな意味で「濃い」往復書簡をトーシロの私が読みこなせるわけもないのだけれど、見えてくることとして「コミュニケーション」「対話」が重要な要素として見直されているように思う。彼らが互いの文化に対して常に敬意を払い、相手の書簡から学びそして自分の思いを腹蔵なく伝える。その敬意に満ちたやり取りは清々しく、文化の壁を超えた対話の可能性を知らしめる。香港は日本と比べて相対的に親しい/近しい存在だが、ゆえに近すぎて見えなかったことがあるのではないか。その盲点を丁寧に伝える好著

  • 踊る猫 さん

    日本に居てはなかなか(なぜかはわからないが)聞けない香港及び「辺境」の国々の文化と歴史と政治。それをざっくばらんに明かしてくれる本書はなかなかの好著だ。安倍内閣や香港の政治に対する「リベラル」の側からの批判も読めるし、時の人となった周庭にも言及されていてドキュメンタリーとしても読める。知識人ふたりの手紙なので一般読者を置いてけぼりにするところが鼻につかないでもないが、それでも「これから」先の見えない日本と香港がどう進むべきか、過去から照射して表してくれている本であるとは思う。両国の友好がもたらされますよう

  • y_nagaura さん

    過去に『日本辺境論』を読んだことから、「辺境」のワードが気になり手に取る。香港を媒介とし、「辺境」を相対化することで見えてくる地平。また、現在は世界の中心であるかのようなかの国もまた辺境であった。中心なき今、必要なのは辺境同士を比較すること。ポピュリズムはたいてい、「現実を見ない、高邁な理念や世界観に囚われたエリート」の失敗によって発生する。 「民主主義の内なる敵」としてのポピュリズム(ツヴェタン・トドロフ) 刺激を受ける部分が多かったが、多すぎて書ききれない…。また折を見て読み直したい一冊。

  • ののまる さん

    雨傘運動前後での香港の変化が、リアルにわかった。

  • TA さん

    中心たるモデルが失われた現代で、地理的あるいは精神的に辺境である日本と香港について書かれている。読んでいて思ったのは、中心と認識される国家や都市にも辺境性は存在していて、故に自主性が重要だということ。都市論的な言及は面白かった。明治維新や戦後復興といった状況で、ヨーロッパやアメリカをモデルに設定して発展してきた日本は難しい状況にあるが、都市間の模倣を通して都市像をアップデートしていけばいいんじゃないかいうのはなるほどなと思いました。

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