ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌

神山典士

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163901848
ISBN 10 : 4163901841
フォーマット
出版社
発行年月
2014年12月
日本
追加情報
:
321p;20

内容詳細

稀代のペテン師・佐村河内守の虚飾の真相!
18年間、ゴーストライターを務めた新垣隆の懺悔告白によって暴かれた、何重にも嘘に塗り固められた佐村河内守の虚飾の姿。二人の共犯関係はなぜ成立し、誰もが騙され続けたのか―ー。テレビ、新聞、出版、音楽業界……。あらゆるメディアを巻き込んで繰り広げられた壮大なペテンの真相に迫った渾身のノンフィクション。週刊文春が告発した佐村河内守のゴーストライター事件の全貌。第45回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)受賞。


担当編集者より
2014年2月、18年間にもわたって佐村河内守のゴーストライターを務めてきた新垣隆の懺悔告白によって暴かれた数々の虚飾の真相は「週刊文春」のスクープで大きな反響を呼び、著者はこの記事で第45回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞しました。
本書では雑誌掲載記事に大幅に加筆、二人の生い立ちにまでさかのぼり、奇妙な共犯関係がなぜ18年間にもわたって成立し、誰もが騙されていったのか、壮大なペテンの全貌に迫っていきます。そこには現代の深い闇が不気味に横たわっています。


目次
第一部、 奇妙な出会い、二重人格、衝撃の告白
1章、 バランスの悪い会話
耳を疑う真実/メディア全体が共犯者/なんであんなに偉そうなん?/など
2章、 2013年の軋轢、その1
なぜ撮影に協力しないんだ/テレビにだしてもらって感謝は/土下座と命乞い/など
3章、 2013年の軋轢、その2
新垣さんは来ますか?/二人の師の距離感/王様は裸だ!/など
4章、 衝撃の告白
すれ違うSOS/ゴーストライティング/この曲を弾いていきたい/など


第二部、 2つの三角形、転機、メディアの饗宴
5章、 出会い、96年8月
自分をアピールする男/アシスタントとして/音楽家としての恍惚/など
6章、 とにかく大きなことをしでかしたい〜S極・野望に満ちた男
高度成長時代の申し子/第二の矢沢永吉/7年間で所得20万円/など
7章、 貧しくても好きな道を歩む幸せ〜N極・早熟な天才
驚愕のフルオーケストラ・スコア/異色の才能/など
8章、 交響曲第一番HIROSHIMA 最初の三角形の完成
ゲーム業界とクラシック界/スケッチ/「三角形の迷宮」の完成/など
9章、 2つ目の三角形の完成 障害児とのかかわり
お仕事は作曲家です/障害児とのかかわり/三角形の完成/など
10章、メディアの狂演
いい加減な取材ならお断り/ジャーナリストは全てを疑え/など
11章、疑義まみれのNHKスペシャル
家族として考えよう/不憫な子はいませんか?/神聖な儀式だから/など


第三部、 説得、懺悔、虚構の上塗り
12章、松本からのメール
アイフォンの発信音/思い浮かんだ顔/楽曲には一点の曇りなし/など
13章、謝罪と強弁 二つの記者会見
刺し殺される恐怖/破水して無事出産/暴露された企み/など
14章、もう一人のゴーストライターを探せ
5日間の攻防/押し問答/チャンスを与えよう/など
15章、『ソナチネ』の行方は
涙する聴衆/集まった応援団/ペテン師と天才/ゴーストライター/など
あとがき



【著者紹介】
神山典士 : 1960年、埼玉県入間市生まれ。1984年、信州大学人文学部心理学科卒業。1996年、「ライオンの夢コンデ・コマ=前田光世伝」で小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞し、デビュー。2014年、週刊文春(2月13日号)に発表した佐村河内守のゴーストライター新垣隆氏への独占インタビュー記事「全聾の作曲家はペテン師だった!」で第45回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞。こうやまのりお名義で児童書も執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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クラシック音楽と商業ベースの厳しい現実を...

投稿日:2015/07/18 (土)

クラシック音楽と商業ベースの厳しい現実を再確認できました。芸術におけるイメージ戦略・ストーリー作り・認知度向上・採算性・興業成算などを考えると、かなり大きなエネルギーが必要で、今後のクラシック音楽界の先細りが心配です。ベートーベンは作曲家兼ピアニスト兼有能営業マン(献呈で謝礼を受け取るなどのビジネスモデル開発者?)であったのですが、その後クラシック音楽の発展には多くの場合分業者として優秀な興業主や編曲者あるいは広報担当者やスポンサー企業がいたわけで、分業や共作の方法論といった問題を含んだ大きな意味を持つ事件であったと考えます。大宅壮一ノンフィクション賞受賞に値する、読み応えのあるドキュメントでした。

テリーヌ さん | 大阪府 | 不明

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佐村河内守という稀代のペテン師と、天才と...

投稿日:2014/12/13 (土)

佐村河内守という稀代のペテン師と、天才と賞賛されたほどの音楽的才能を持ちながら佐村河内のゴーストライターを約17年に渡って務めてきた新垣隆。この奇妙な2人の「共犯関係」と、一連の騒動の全貌を明らかにした著作である。まず、佐村河内という男のあまりに異様で奇怪な性格に呆然とさせられる。大法螺吹きで強烈な上昇志向の持ち主で、平気で嘘がつける男。自己演出と自己プロモートに関しては天才的な才能があり、周囲の人々を巻き込みながら壮大な虚像を作りあげていった。一方の新垣隆は著者神山氏曰く「音楽バカ」で、音楽さえできれば例え貧しくとも幸せだという無欲な才人。佐村河内は新垣のこうした才能と性格に目をつけて接近、ゴーストライティングを依頼するようになる。作品が発表できればゴーストライターでも幸せだと考えていた新垣だが、結局は佐村河内に巧妙に絡め取られ、あやつり人形になっていく。その過程の描写はとてもスリリングだ。 佐村河内を語る上でもう一人欠かせない存在なのが義手の少女ヴァイオリニスト”みっくん”の存在である。佐村河内は”みっくん”の存在に目を付け、利用できるだけ利用し、利用価値がなくなったと見るとあっさりと捨てた。だが佐村河内にとって誤算だったのは、この”みっくん”への傲慢な対応に対して新垣が激怒したことだったろう。「大人は嘘つきだ」という”みっくん”の悲痛な叫びに新垣は全てを告白することを決意する。「共犯者」としてのケジメをつけるために。こうして”現代のベートーヴェン”の虚像はもろくも崩壊していった。 「共犯者」という観点で言えば、新垣よりはるかに悪質なのがNHKである。第11章『疑義まみれのNHKスペシャル』(222ページ〜 )にはその一部始終が詳細に記述されているが、NHKスタッフの佐村河内への無批判な迎合ぶりはあまりに情けなく、ジャーナリズムの魂を全く喪失していたとしか言いようがない。神山氏も「NHKは佐村河内という悪魔に、完全に手玉にとられ弄ばれたとしか言いようがない。ジャーナリズムの屈辱といっていい。」(233ページ)と手厳しく批判している。久々に読み応えのあるルポルタージュだった。

金山寺味噌 さん | 愛知県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • おいしゃん さん

    【大宅壮一賞作品】この作品が、強く心を揺さぶる理由は二つある。一つは、まさにこの問題を世に明かした張本人の作品であること。そして、両者の生い立ちや犯した内容を克明に記し、「完全悪」にまつりあげようとしているわけではない点だ。少しの才能と有り余る自己顕示欲の塊である佐村河内、大きな才能を持ちながら欲を持たない新垣。特徴的すぎる二人だが、実はその根底に流れる意識、つまり「認められたい」という意識は少なからず誰しも持つ。誰の心にも宿る「佐村河内」とどう向き合うか。久々に心揺さぶるノンフィクションだった。

  • kinkin さん

    タイトルはイイと思う。このインチキ男に振り回されたマスコミはどう彼と対応してきたのか、その辺りも明確に取材してみてもいいかなと感じた。こんなインチキになぜ、本当に確認や検証がされなかったのか、実は知っていてそのまま突っ走Lてしまったことはなかったのか、どうもひっかかった。どんな世界にもゴーストといわれる人はいるそうで、絵画や写真などとともに芸術という分野では経過よりも結果の世界、こういうことは知らないうちに自分自身もどこかで受け入れられていると思う。自分のフィルターを持つことの大切を知った。

  • harass さん

    「全聾」「被爆二世」「障害児」「震災」といった属性を利用していく佐村河内と彼の実際の作曲をしていた新垣に奇縁ともいえる出会いをする著者は、彼らの真実と嘘を暴いていく。自分はTVを見ないので謝罪会見で初めてこの偽音楽家のことを知った。最近思い出して本を借りてみた。セルフ・プロデュースと売れる戦略に長けたペテン師とお人好しだが音楽に詳しい天才が実に対照的だ。見世物でもある芸術、この場合はクラシック音楽であるが、音楽そのものに差異が見いだせないなら、こういう売り方になってしまうのは必然。文学も同じ。

  • starbro さん

    ニュースで見ていた時は良く理解できませんでしたが、本書を読んで本事件がはっきりと理解できました。今回は氷山の一角で人類の文化史の中で数多のゴーストライターが存在して来たんだと思います。因みにTDLのホーンテッドマンションにはゴーストライターの亡霊が999人分いる設定になっています。秋元康にはかなりのゴーストライターがいると確信していますが、誰か暴露してくれないでしょうか?

  • mazda さん

    佐村河内という人は、本当に腐りきった人間だということが分かりました。全てが嘘で塗り固められた人生を送ってきている上に、「障害」を美談に仕立てて自分の株を上げると言う、人として最も恥ずべき行為をしていることに対して怒りを覚えます。何よりも心配なのは、思春期をこんなやつの指導のもとすごしたみっくんが、将来を悲観したり大人は嘘つきだと盲信して悲観したりしないかな、ということかな…?佐村河内を反面教師に、素直で正しい大人になってほしいと思います。

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神山典士

ノンフィクション作家。1960年埼玉県生れ。川越高校(79年)、信州大学卒。96年『ライオンの夢、コンデ・コマ=前田光世伝』にて小学館ノンフィクション賞優秀賞受賞(現在は『不敗の格闘王、前田光世伝』(祥伝社黄金文庫))。2011年『ピアノはともだち、奇跡のピアニスト辻井伸行の秘密』(講談社、青い鳥文

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