バイ貝 双葉文庫

町田康

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784575714586
ISBN 10 : 4575714585
フォーマット
出版社
発行年月
2016年08月
日本
追加情報
:
222p;16

内容詳細

私たちは、生きているだけでお金がかかる。なので稼ぐ。稼ぐには働かなければならず、働けば少なからず鬱が発生する。鬱を多く抱えていては幸せになれず、できるだけなくすようにしたい。どうしたらよいか。お金を遣うのである。お金を遣うとき、私たちは自由を味わって楽しくなり、結果、鬱が消える。しかし、お金を遣えば当然なくなる。そして私たちは再びお金を稼ぎ、鬱を溜め、それを散じるためにお金を遣う。―この宿命に、果敢に挑んだ男の姿を、著者独特の感性と言語で描いた傑作文芸作品。

【著者紹介】
町田康 : 1962年大阪府生まれ。97年『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞する。2000年「きれぎれ」で芥川賞、01年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞、08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞をそれぞれ受賞。小説・随筆・詩集など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ふう さん

    日頃わたしがぼんやりと思っていることをこんなにしっかりと文章にできるなんて、やっぱり町田さんはすごい!そう、買い物は楽しいけど、意にそわない物が増えるのはストレスだし、お金が出ていくのはもっとストレスになるし…。鎌と中華鍋とカメラを通して、消費社会に生きる苦悩について知らしめてくれる愉快でちょっと哀しい教科書でした。「高い中華鍋をレジに持っていこうとしたら足が動かなくなった」なんて、本当に庶民は愛おしい。わたしは町田さんが好きだけど、本の貸しっこをしている友人はどうかなとちょっと心配しながら読みました。

  • 馨 さん

    町田康さんらしいエッセイ。表現力も独特で面白い。お金を遣うこと、お金を稼ぐこと、お金持ちなら必ずしも幸福か?と、改めて町田さんの理論を聞くことで考え直してみました。鬱を晴らす為にお金を遣うとしたら、と考えると自分の買い物が幸福となるか、良質なものを買っても手間がかかったり手入れが大変だと逆に(町田さんのようにw)より鬱を増してしまうのか、買い物も難しいなと思います。後半の趣味を持つことも、案外難しいものだと思いました。

  • HANA さん

    ドフトエフスキー曰く「貨幣は鋳造された自由である」。との言に従い、カネを稼ぐために生じた鬱を発散すべくカネを消費する著者。何時もの随筆とも小説ともつかぬ自意識を拗らせた主人公が彷徨する内容であるが、正直町田康の書いたものの中だとこのスタイルが一番好き。鬱を散ずべく行動するのだが、ホームセンターで280円の鎌を買っては鬱が溜まり、中華鍋が焦げ付いては鬱が溜まりと、どんどん鬱の残高が増えていくのがもう可笑しくて可笑しくて。最後犬との癒しの時間の後にオチまで付いてるし。何時もの独特の文章と世界観堪能できました。

  • ワニニ さん

    スバラシイ。そう、そのように世の中は、人生は、成り立っているのね。生きるとは欲を満たす為に働く、しかし労働は鬱が溜まるので、如何にしてその鬱を減らすか… 足踏みしているようでも、確実に進んでいるのだな。この物語も。ああ、面白すぎて、やっぱり町田康サイコー!(サイコじゃない)この可笑しみ、解らない人はいるだろう。怒り出す人もいるかもしれない。夫もそうかも(笑)価値観の違い??でも恋愛と結婚は別と、戸田恵梨香と加瀬亮が価値観違って別れたニュース見ながら呟いた朝。何か空回りな毎日に思えるが、鬱がだいぶ減じた私。

  • たつや さん

    町田康さん初読。芥川賞のみならず、川端賞、谷崎賞と、割と堅めの賞を数多く受賞されてるようなので、さぞや本書もお堅いんでしょうねえ、と、身構えていたら、ゴムまりのように柔らかかく、よく弾む文章で最後まで愉しく、こぎみよく読めました。宝くじについての考え方とか、酒の席で出そうな話題だ。人の話は意見が割れるともめるが読み手は黙って読むだけなので、面白く読めました。更に話題も広がりそうです。100均とか、オークションとか、無駄遣い、衝動買いについても個人的には考えた。

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人物・団体紹介

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町田康

1981年、パンクロック・バンド、INUのヴォーカリストとしてデビュー。 同バンド解散後、石井聰互監督の『爆裂都市 BURST CITY』に出演するなど個性派俳優としても活動。 1996年には処女小説『くっすん大黒』で文壇デビュー、2000年には『きれぎれ』で第123回芥川賞を受賞した。

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