死にたい夜にかぎって

爪切男

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784594078980
ISBN 10 : 4594078982
フォーマット
出版社
発行年月
2018年01月
日本
追加情報
:
222p;19

内容詳細

「君の笑った顔、虫の裏側に似てるよね。カナブンとかの裏側みたい」――憧れのクラスメイトにそう指摘された少年は、この日を境にうまく笑えなくなった。

Webサイト『日刊SPA!』で驚異的なPVを誇る連載エッセイ『タクシー×ハンター』。その中でも特に人気の高かった「恋愛エピソード」を中心に、大幅加筆修正のうえ再構築したのが、この『死にたい夜にかぎって』だ。

出会い系サイトに生きる車椅子の女、カルト宗教を信仰する女、新宿で唾を売って生計を立てる女etc. 幼くして母に捨てられた男は、さまざまな女たちとの出会いを通じ、ときにぶつかり合い、たまに逃げたりしながら、少しずつ笑顔を取り戻していく……。女性に振り回され、それでも楽しく生きてきた男の半生は、“死にたい夜”を抱えた人々の心を、ちょっとだけ元気にするだろう。

作者である爪切男は、同人誌即売会・文学フリマでは『夫のちんぽが入らない』主婦こだまらと「A4しんちゃん」というユニットを組んで活動。頒布した同人誌『なし水』やブログ本は、それを求める人々が行列をなすほどの人気ぶりだった。

もの悲しくもユーモア溢れる文体で実体験を綴る“野良の偉才”、己の辱を晒してついにデビュー!


(本文より抜粋)
私の笑顔は虫の裏側に似ている。学校で一番可愛い女の子が言っていたのだから間違いない。生まれてすぐに母親に捨てられ、母乳の出ない祖母のおっぱいを吸って育った。初恋の女の子は自転車泥棒で、初体験の相手は車椅子の女性だった。初めて出来た彼女は変な宗教を信仰しているヤリマンで、とにかくエロかった。そして今、震度四強で揺れる大地の上で人生最愛の女にフラれている最中だ。部屋の窓から鋭角に差し込む朝の光を浴びた彼女が、ヤジロベエのようにゆらゆらと揺れている。

著者について
爪切男(つめ・きりお)●'79年生まれ。派遣社員。ブログ『小野真弓と今年中にラウンドワンに行きたい』が人気。'14年、『夫のちんぽが入らない』の主婦こだまとともに同人誌即売会・文学フリマに参加し、『なし水』に寄稿した短編『鳳凰かあさん』がそこそこ話題となる。'15年に頒布したブログ本も、文学フリマではそこそこの行列を生んだ。現在、『日刊SPA!』で連載中。同連載を大幅に加筆修正したうえで改題した本書『死にたい夜にかぎって』がデビュー作となる。

【著者紹介】
爪切男 : ’79年生まれ。派遣社員。ブログ『小野真弓と今年中にラウンドワンに行きたい』が人気。’14年、『夫のちんぽが入らない』の主婦こだまとともに同人誌即売会・文学フリマに参加し、『なし水』に寄稿した短編「鳳凰かあさん」がそこそこ話題となる。’15年に頒布したブログ本も、文学フリマではそこそこの行列を生んだ。『日刊SPA!』でエッセイを連載中。『死にたい夜にかぎって』がデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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こだまさんのご友人ということで気になって...

投稿日:2021/04/14 (水)

こだまさんのご友人ということで気になって手にとった。冒頭のエピソードから虫の裏側みたいという侮辱の凄まじさ。若い女の子は唾まで売れるという衝撃。著者の懐の深さを感じるエピローグまで、大変楽しませてもらった。

てのりくじら さん | 愛知県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ❁かな❁ さん

    なんかめっちゃ良かった♡著者の恋愛遍歴が赤裸々に描かれていて、それぞれインパクト大!浮気をしたり風俗に行ったりの著者だけど愛する人の全てを許せたり、一度しか会ってない人のことを大切に思ったりと温かさを感じる。恋の始まりや幸せな場面で色々思い出して涙し、ラストやあとがきでも涙。作中に出てきたフジファブリックの『茜色の夕日』斉藤和義の『空に星が綺麗』を久々に聴いて胸に沁みた。死ぬ時に思い出すだろうなと思う忘れられない人がいる。この本と丸々重なる想い出はないのにすごく好きな想いが伝わるからかその人が恋しくなる。

  • utinopoti27 さん

    「君の笑った顔、カナブンの裏側に似てるよね」可愛いクラスメイトの一言が、彼から笑顔を奪ったという。今やサブカル寄りの若者を中心に人気の、カリスマ的ライター爪切男さんが綴る、愛と笑いと涙の壮絶半生記。車椅子の女性との初体験、変態に唾を売り歩くアスカとの同棲等々、彼と関わる一風変わった女性たちへの深い愛がコミカルな筆致で語られます。どんな逆境も笑いに変えて、相手を決して否定しない作者の人柄が素晴らしい。ぶっ飛んだユーモアセンスや独特の肌感覚は読んでみなけりゃ伝わらない。チープな装画もツボ。まさに神本だ!

  • あも さん

    泣いた。洟出るほど泣いた。著者にこれを超える物はもう書けまい。それでも一向に構わない。母に捨てられ父に殴られ、学校一の美少女に笑顔がカナブンの裏側に似てると嗤われ、車いすの女性と初体験。最愛のアバズレと同棲を始める。本来なら眉を顰めるべきエピソードのどれもが笑いと愛で満ちている。そのまま重ならずとも彼の文章を触媒に沢山の事を思い出す。心の奥、愛としか言い様のない所で共感する。自身の苦い経験、かつて好きだった人。その全てが心底愛おしくなる程に。辛い時、笑える彼は強く優しい。まさに愛のかたまりのような私小説。

  • うどん さん

    期待せずに読み始めましたが…面白い!読みやすい!あっという間に読み終わっていました。

  • 鱒子 さん

    図書館本。一気読み。めちゃくちゃ面白い!サブカル雑誌のコラムみたいなにおいがプンプンする、フィクションかと思うような女性遍歴エッセイ。個人的に大好きな作品ですが、好みが別れると思うので、オススメはちょっと躊躇します。 膨らましてるとこも しぼませてるとこも 作為は感じますが、愛おしさとクスクス笑いが溢れてしまう そんな作品です。

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人物・団体紹介

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爪切男

作家。1979年、香川県生まれ。2018年、「死にたい夜にかぎって」(扶桑社)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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