狐媚記 ホラー・ドラコニア少女小説集成

澁澤龍彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784582832167
ISBN 10 : 4582832164
フォーマット
出版社
発行年月
2004年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
20cm,123p

内容詳細

星丸はある夜、手込めにされかかる少女を助けた。2人の間にはたちまち恋の炎が燃え上がるが、少女は、かつて狐の子として生まれ、間引きされた妹だった…。暗黒メルヘンの最高傑作。

【著者紹介】
渋沢龍彦 : 1928(昭和3)年、東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。サドをはじめとするヨーロッパ暗黒・異端文学研究の第一人者。政治の季節といわれた60年代に、『神聖受胎』『毒薬の手帖』『夢の宇宙誌』などの著作で、文学・芸術の視点から脱マルクス的思想を送り出し、当時の左翼的土壌に激震を起こす。59年に翻訳したサドの『悪徳の栄え』が猥褻書とされ発禁処分(60年)となる。当時の作家・文化人を巻きこむ「サド裁判」が起きるが、69年、最高裁で有罪判決が確定する。その後もシュルレアリズム、オカルティズム、エロティシズムなどに関するエッセイや、西欧古代・中世を中心にした斬新な美術・文学評論をつぎつぎと発表、三島由紀夫など同時代の作家に強烈な刺戟と影響をあたえた。80年代以降は日本の古典によった独自の幻想文学世界を確立、『唐草物語』(泉鏡花文学賞)、『うつろ舟』、『高丘親王航海記』(読売文学賞)などの傑作を生む。1987年、咽頭ガンで急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    ドラコニアの1冊。今回は『ねむり姫』6話の中から。前半は北の方の物語、そして後半は左少将の物語といった2部構成になっているが、あるいは本来は2つの原話を1つにしたものか。日本の古典幻想なのだが、子守唄「船岡山の狐の子」を基軸に嵐山での桜吹雪を謳いあげるあたりは澁澤文学の真骨頂か。また、後段の狐玉のくだりは考証家としての顔も覗かせながら、最後は再びエロティシズムと死を一体化させながら華麗に締めくくる。澁澤文学の楽しみを満喫できる1篇。ただし、絵はこれがいいという人もいるだろうが、およそ澁澤の趣味からは遠い。

  • 夜間飛行 さん

    個人的な体験で面映ゆいが、私は子供のころ狐の少女と遊んだ夢を見て、その奇妙にうわずった幸福感は今に至るまで忘れられず、それゆえ民話などの異類婚も絵空事とは思えない。この物語は狐の子を産んだ高貴な女性が、夫や父から責められ我が子を殺されるという残酷な話から始まる。私は、現世で栄達したこの夫や父を許せない。彼らが否定した、彼らにとって畜生である狐の少女こそ、愛しうる唯一の存在に思える。そして、狐の子が殺され犯されながら育んだ「狐玉」は、自分の今までずっと夢の中で紡いできたエロスそのもののように思えてならない。

  • keroppi さん

    BRUTUS「危険な読書」で澁澤龍彦のホラー・ドラコニア少女小説集成というシリーズがあることを知った。現代アートで読む澁澤龍彦。BRUTUSでは、「ジェローム神父」だったが、図書館には、この「狐媚記」しか無いようだったので、とりあえず借りてみた。鴻池朋子さんの絵が、澁澤さんの文章と相まって、エロティシズムの世界を増幅する。このシリーズ、全部読んでみたい。特に、合田誠さんが絵を描いた「ジェローム神父」。

  • 水零 さん

    澁澤龍彦の短篇に鴻池朋子の現代風イラストを添えた幻想系ホラー小説。覚えのない狐の子を産み落とした北の方。いつ、どこで、なぜ。答えなき問いはやがて、北の方を昏い渦へとのみこんでゆく。あそこを駆ける可愛い子…生後間も無く殺されたはずの狐の子。愚息から美しい娘へ…口移しで渡る美しい玉。これは北の方の妄想なのか現実なのか。彼女の意識の混濁と共に溺れゆく読者を、冷静かつ淡々とした著者の語りと現代風イラストがグッと現実へ引き戻す。幻想へ堕ちきれぬが故のざらりとした感覚。なんともいえぬ不穏さを醸し出す、唯一無二の世界。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    以前、「ちくま文学の森」で読んだことのある作品なのですが好きです。ダキニ呪法によって人間の女から妖狐を生み出す物語からフロイトの願望を浮き上がらせた作品。絵が挟まるページがずれているのが難点なのですが因果応報で退廃的なこの作品は今も好きです。

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