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回想の太宰治

津島美知子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062900072
ISBN 10 : 4062900076
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2008
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

太宰治は、文字通り文学のために生まれ、文学のために育ち、文学のために生きた「文学の寵児」だった。彼から文学を取り除くと、そこには嬰児のようなおとなが途方に暮れて立ちつくす姿があった―。戦中戦後の十年間、妻であった著者が、共に暮らした日々のさま、友人知人との交流、疎開した青森の思い出など、豊富なエピソードで綴る回想記。淡々とした文にも人間太宰の赤裸な姿が躍如とする好著。

目次 : 御坂峠/ 寿館/ 御崎町/ 三鷹/ 甲府から津軽へ/ 書斎/ 初めて金木に行ったとき/ 白湯と梅干/ 千代田村ほか/ 津軽言葉〔ほか〕

【著者紹介】
津島美知子 : 1912(明治45)年1月31日、島根県浜田(現・浜田市)に生まれる。1929(昭和4)年、甲府高等女学校(現・甲府西高校)を卒業して、東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)に入学。東京女高師を卒業して、山梨県の都留高等女学校に勤め、地理・歴史を教える。1939(昭和14)年、井伏鱒二夫妻の媒酌により、二七歳で津島修治(太宰治)と結婚。以後、口述筆記などをして夫の作家活動を支える。太宰死後、三人の子供の養育に心を注ぎながら、太宰の関係資料、遺稿を保存整理し、年譜の作成、全集の編集や解説の執筆に携わるなどした。1997(平成9)年2月1日、虚血性心疾患で死去。享年八五歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 佐島楓

    ひととしての太宰も、作家としての太宰も愛していたひとだということが伝わってきて、ひどく切ない気持ちになった。ただ太宰というひとは、いつの時代に生まれていてもこういうひとだったろうという根拠のない確信が私にはある。知人にいたら迷惑だが、才能はどうしようもなくあるという。

  • Willie the Wildcat

    著者の”喜怒哀楽”で振り返ってみる。義母見舞いで訪れた初めての金木。行き詰まる滞在の最終日、「太宰が町案内に著者を誘う」が”喜”。対照的な「時計」は”怒”。但し、読む側は笑うけど。そして”哀”はもれなく「京姉の死」。心の支えの喪失という感。最後の”楽”は「りんご箱の木箱の裏側」。旧稿か、秘宝だね。その他にも、筆名の謂れや”くしゃみ連発、津島家の家訓”トリ/味噌”!?など盛りだくさん。作品のエピソードから1点選ぶとすると、やはり『パンドラの匣』。2つの”喪失”を乗り越えた想いと運命。踏まえて熟読したい。

  • けぴ

    太宰治の妻、津島美知子さんによるエッセイ。時系列というより、テーマごとに分類されている。何でも人に物をあげてしまう気前の良さ、子供時代は演劇にハマっていた様子など意外と陽気。しかし戦前戦後の時代のせいでそれほど裕福な暮らしではなさそう。井伏鱒二や佐藤春夫など、現在の評価は必ずしも高くない作家を師匠的に仰いでいるのも興味深かった。玉川上水入水自殺で亡くなったのは38歳、1948年。生きている期間が短いながら、多作。失敗原稿を貼った箱から原稿を剥がして太宰治の貴重な資料とする話が良かった。

  • Y2K☮

    美知子夫人のエッセイ。夫とは異なる理知的で引き締まった文章。真面目で粘り強い人間性が垣間見える。太宰のダメな点に呆れつつ、立てる所はちゃんと立てる。たけさんについて書かれた章は「津軽」ファンに軽い衝撃。ただ小説という虚構の中でのみ浮かび上がる真実もあるから、これは別の側面として受け止めておく。津軽の様々な風習や方言が面白いし、戦後売れっ子になった太宰の収入に関する誤情報もしっかり正されている。創作の背景なども興味深いので太宰ファンはぜひどうぞ。なお山崎富栄や太田静子への言及は無し。支え続けた妻の矜持、か。

  • Y2K☮

    想像や偏見、思い入れを抜きにした太宰治のフェアな実像を綴ってくれた随筆集。たとえば戦後の農地改革で生家が苦しくなるまではずっと月額九十円の仕送りを受けていたとか(いまだと三十〜四十万の間ぐらいか。大学出の初任給が七、八十円だったらしい)。原稿料は殆ど家に入れず己のために浪費し、税金が高いと泣いて夫人に処理を押し付ける。「津軽」のヒロイン、ではない実際のたけさんが発した一言を覚えておく。一方で作家・文士としての戦慄的な才覚、意外な器用さ、律義さなども伝わってきた。創作しかできない人。支える存在あっての名声。

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