婦系図 新潮文庫

泉鏡花

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101056043
ISBN 10 : 4101056048
フォーマット
出版社
発行年月
2000年07月
日本
追加情報
:
16cm,428p

商品説明

時は明治。有名な大学教授・酒井の下で修行する文学士・早瀬主税が密かに所帯を持っていたのは、芸者あがりのお蔦であった。ところが酒井の愛娘に縁談が持ち上がり、お蔦との関係を師に責められた主税は別離を決意、お蔦は泣く泣く身を引いた。これが後に舞台で満場の紅涙を絞った「湯島の白梅」の名場面である。純愛の難しかった時代の、お蔦を始め女性たちの健気な愛が胸を打つ。

内容詳細

時は明治。有名な大学教授・酒井の下で修行する文学士・早瀬主税が密かに所帯を持っていたのは、芸者あがりのお蔦であった。ところが酒井の愛娘に縁談が持ち上がり、お蔦との関係を師に責められた主税は別離を決意、お蔦は泣く泣く身を引いた。これが後に舞台で満場の紅涙を絞った「湯島の白梅」の名場面である。純愛の難しかった時代の、お蔦を始め女性たちの健気な愛が胸を打つ。

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
☆
☆

3.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
1
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 新派で有名なこの作品に、鏡花好きではあ...

投稿日:2009/12/01 (火)

 新派で有名なこの作品に、鏡花好きではあっても、あまりにも有名であるため意味始めるのに躊躇していた部分があったが、読んでみると、クライマックスのどんでん返し等、広い意味での探偵小説的趣向が隠し味となっており、一種ピカレスク・ロマンの味わいも感じられた。

白塗りのサル さん | 神奈川県 | 不明

0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 優希 さん

    面白かったです。純愛の難しい時代の悲恋が鮮やかに描かれていました。有名な大学で修行する文士の主税と芸者あがりのお蔦の義理堅い恋は純愛で胸が震えます。ただ、身分社会である以上、自由な恋愛が認められる筈もなく、主税はお蔦との関係を責められ、泣く泣く身を引くことになるお蔦が切なくてたまりませんでした。女性は物であり、家が縛る時代だからこその健気な愛が光ります。見方を変えれば家に対する復讐としての恋愛が主税とお蔦の関係だったのかもしれません。結末は悲しいけれど、愛おしさを感じました。

  • ヒロミ さん

    一気読み。物凄く面白くて興奮しました。鏡花の小説は文体が身体に馴染むまでに時間がかかるのですが、一度物語世界に絡め取られてしまえばグイグイ読み進められます。早瀬と芸妓のお蔦の悲恋が主軸かと思いきや後半は急転直下のどんでん返し展開。昼ドラとハーレムラノベとフェミニズムとミステリをじっくり煮詰めたエンターテイメントでありながら擬古文調の戯作風味というどこにもない文学です。三島が谷崎らと対談した際「鏡花ファンは変態なんですよ」とブーメラン発言していたらしいが、変態でもいい。鏡花を読む幸せを知る変態でありたい。

  • Tonex さん

    泉鏡花の作品のうち怪異が出てこないタイプの小説の代表作。ほとんど予備知識なしで読んだので、80年代の大映ドラマのようなありえない展開にびっくりした。解説はネタバレありなので、先に読まないほうが良い。▼「切れろ別れろは芸者の時に言う言葉」というセリフは知っていたが、元ネタが『婦系図』とは知らなかった。ただし、この本を読んでもそんなシーンはどこにも出てこない。舞台化された際に付け加えられたセリフ。

  • SIGERU さん

    世に、早瀬主税とお蔦ほど、義に篤く報恩を貫いた男女もいないだろう。主人公の文学士、主税が、大恩ある酒井家に仇なす河野の一族を誅する物語。筋だけつまめば、通俗の謗りを免れまい。それを神品に化けさせる泉鏡花の至芸。神韻縹緲とした名文に、ただ酩酊し、揺蕩うばかりだ。 新派劇や映像作品で夙に知られ、手垢がついたかに見える『婦系図』だが、やはり傑作だった。鏡花の文学には、人を酔わせる魔力がある。兎に角読んでみて頂きたい。最終章に至って、卒然と到来する驚倒すべき大団円。鏡花のあざやかな捌きに、屹度駭くから。

  • いりあ さん

    泉鏡花が明治40年に発表した長編小説です。舞台や映画の題材として何度も取り上げられており、鏡花の作品中でもっとも愛されている物の一つだと思います。古い話なので浄瑠璃や歌舞伎の世界を連想させますが、鏡花の他の作品に比べて読みやすいと思います。幻想小説ではなく色恋沙汰が話の中心になっていることや、明治期の結婚観からいくとかなり先進的な現代に通じるような考えを主人公が持っているからかもしれません。ラストは衝撃的すぎて呆気にとられましたが、作中ではそれぞれの登場人物がとても生き生きと書かれていて面白かったです。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

泉鏡花

1873(明治6)年〜1939(昭和14)年、小説家。石川県金沢市下新町出身。15歳のとき、尾崎紅葉『二人比丘尼色懺悔』に衝撃を受け、17歳で師事。1893年、京都日出新聞にてデビュー作『冠彌左衛門』を連載。1894年、父が逝去したことで経済的援助がなくなり、文筆一本で生計を立てる決意をし、『予備兵

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品