天守物語

泉鏡花

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784908059209
ISBN 10 : 4908059209
フォーマット
出版社
発行年月
2015年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
93p;22

内容詳細

日本文学の至宝・泉鏡花の遺産、百年の時を経てよみがえる、究極の純愛。急逝した天才画家が、最も愛した戯曲を、多数の未発表作を含む、フルカラー特装で鮮やかに、今。鷹匠の青年“姫川図書之助”は消え失せた白い鷹の行方を追い、長らく人の踏み入っていない白鷺城の天守閣へと上っていく。その頂上で運命的に出逢った絶世の美女“富姫”。しかし彼女の正体は―。魔術のごとき筆致によって匂い立つ日本文学の精髄が、和洋の美を極めた絵師の挿画を得た、舞台をも凌ぐ大パノラマ。

【著者紹介】
泉鏡花 : 1873年11月、石川県金沢市生まれ。小説家。本名は鏡太郎。1891年、尾崎紅葉を訪ね、門下に入る。初期を代表する『夜行巡査』『外科室』で文壇の足場を築き、以降『高野聖』『草迷宮』『歌行燈』『婦系図』など名作を次々と発表、人気作家となる。その後戯曲に興味を持ち、『夜叉が池』『海神別荘』などを発表。1914年、小説『日本橋』でははじめて日本画家の小村雪岱が装訂を手がける。1939年9月没

金子國義 : 1936年7月、埼玉県蕨市生まれ。日本大学芸術学部在学中に舞台美術家の長坂元弘氏に師事。1964年より独学で油絵を描きはじめ、翌年、澁澤龍彦と出会い『O嬢の物語』の装訂と挿絵を担当。1967年、個展「花咲く乙女たち」(青木画廊)で画壇にデビュー。絵画のみならず、着物デザイン、写真など多岐にわたる活動は晩年も衰えることなく、十八代目中村勘三郎襲名に続き、六代目中村勘九郎襲名披露の口上の美術を手がけた。2015年3月16日、虚血性心不全により自宅寝室にて逝去

津原泰水 : 1964年9月、広島県広島市生まれ。小説家。青山学院大学国際政治経済学部卒。短編集『11』(Twitter文学賞受賞)所収の「五色の舟」は近藤ようこにより漫画化され、文化庁メディア芸術祭マンガ部門で大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    まさに秋に似つかわしく、金子國義氏の画で彩る『天守物語』。アッシュ混じりの異国情緒に溢れる金子氏の絵と極彩色で典雅な和はミスマッチながらも所々に合う箇所もあり、不思議。そして黄金の装丁、青地に白鷺が飛ぶ地、紅白のスピン、解説は津原泰水さんと何とも贅沢^^獅子を夫に持つ富姫、意地汚いお殿様の首を土産に持ってくる亀の姫、朱の盆や舐めれば何もかもが蕩けてしまう舌を持つ姥などの怪異の恐ろしくも伸びやかで楽しきことよ。また、何度、読んでも、泉鏡花の美文や凛然とした台詞に惚れ惚れ。

  • sin さん

    金子國義が望んだこの本は残念ながらその急逝に依って挿絵の書き下ろしが叶わなくなってしまったとあるが、編輯の津原泰水(嗚呼、この人も昨年お亡くなりになった)に依って既存作から世界観に合うとおぼしいものを和風洋風を問わず選定し出来上がったもので、編者は選定せざるをえなかった挿絵の選択を気にしておられたようだが、案外添えられた洋風の挿絵にしてもこれは奇をてらった訳ではなく物語の内容の奥深い処をついているようで自然に受け入れることが出来た。原作から読み取る情景も挿絵に依ってもたらされるイメージも美しい作品である。

  • Mijas さん

    泉鏡花と金子國義のコラボは、古典を踏まえたモダンな画文集となる。歌舞伎とギリシャ劇が融合する舞台を想像した。泉鏡花の描く幽玄な世界、台詞、語感が美しい。「前世も後世も要らないがせめてこうして居とうござんす」「あなたの睫毛一筋なりと」富姫は妖怪だが、優しさと情に溢れ「帰したくなくなった」と言う。本来人間とはこうではなかったのか?という作者の声のように思う。魔界は清く美しい世界なのに対し、人間界は、主従の理不尽さ、繰り返される戦、卑怯で醜いエゴに渦巻く。魔界と人間界の逆転劇は人間の本来の美しい心を際立たせる。

  • Rico_bosin さん

    泉鏡花の戯曲と金子國義の美術を,商業出版の書物として統合しようという破格の企て。懇切な解説が,なぜ鳥がモチーフなのかなど,両者の通底をあきらかにし結びつける。 装丁は表紙や題字,版面,文字の級数は勿論,花布やスピンに至るまで細心の注意が行き届く。モノとしての書物の価値を,どこまで高めることが出来るかという努力の結晶でもある。 読書の愉悦に加え,愛蔵することの仄暗い欲望を満たしてくれる本。 手近なところに置いて,にたにたしなながら,そっと撫で回すがよろしい。私はそうしている。

  • 保山ひャン さん

    泉鏡花の戯曲に小村雪岱のデザイン、金子國義の挿絵。金子國義が2015年に急逝したため、富姫の絵以外は、金子國義の過去の作品から場面にあったものをセレクトして載せている。和のテイストの作品も多い金子國義だが、鳥のモチーフを取り入れたコラージュなど、和洋自在に選ばれている。天守の五重から糸を垂らして白露を餌に秋草を釣ろうとする侍女、「通らんせ」を歌う女童たち、生首を土産に持参する朱の盤、二度と来ないと言いながら何度でも天守にくる図書之助と天守夫人との恋、悲恋の結末をいきなりひっくり返す老人。めでたし、めでたし

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人物・団体紹介

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泉鏡花

1873(明治6)年〜1939(昭和14)年、小説家。石川県金沢市下新町出身。15歳のとき、尾崎紅葉『二人比丘尼色懺悔』に衝撃を受け、17歳で師事。1893年、京都日出新聞にてデビュー作『冠彌左衛門』を連載。1894年、父が逝去したことで経済的援助がなくなり、文筆一本で生計を立てる決意をし、『予備兵

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