「現代優生学」の脅威 インターナショナル新書

池田清彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784797680690
ISBN 10 : 4797680695
フォーマット
発行年月
2021年04月
日本
追加情報
:
202p;18

内容詳細

戦後、一度は封印されたはずの「優生学」が奇妙な新しさをまとい、いま再浮上している。これまで人類は、優生学的な思想により「障害者や移民、ユダヤ人といったマイノリティへの差別や排除、抹殺」を繰り返してきた。日本では「ハンセン病患者の隔離政策」がその典型といえる。現代的な優生学の広がりに大きく寄与しているのが「科学の進歩」や「経済の低迷」、そして「新型コロナウイルスの感染拡大」である。優生学の現代的な脅威を論じる。

目次 : 第1章 甦る優生学/ 第2章 優生学はどこから来たのか/ 第3章 ナチス・ドイツの優生政策/ 第4章 日本人と優生学/ 第5章 無邪気な「安楽死政策」待望論/ 第6章 能力や性格は遺伝で決まるのか/ 第7章 “アフター・コロナ”時代の優生学

【著者紹介】
池田清彦 : 生物学者、評論家。早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授。1947年、東京都生まれ。構造主義を生物学に当てはめた「構造主義生物学」を提唱。その視点を用いた科学論、社会評論なども行っている。著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Tomomi Yazaki さん

    かつてナチスが行った蛮行の理由、優生学。日本でも最近まで、ハンセン病患者へ行っていた断種と堕胎。安倍総理の謝罪で解決したかのようにも思えるが、普通の家庭の陰にもその思想は生きながらえている。出生前診断と名を変えたナチスの思想による堕胎。幸せな家庭を継続するための犠牲。相模原事件で障害者を大量虐殺した植松被告の説く正当性と構図が同じであることに、恐怖を感じる。生まないと決めた苦悩も、命を絶たれた子供達への慰めにはならない。日本での一番の死因は癌ではなく堕胎。この事実に、深い哀しみを覚えずにはいられない。

  • マイケル さん

    相模原障害者殺傷事件の背景にある優生思想を中心に興味深いテーマを生物学者がまとめた良書。先行した米国優生運動、ナチスのT4作戦やレーベンスボルン、渋沢栄一のらい予防協会設立と日本のハンセン病隔離断種、優生保護法推進の社会党とマーガレット・サンガーや日本安楽死協会設立の太田典礼との接点、昨年のALS女性嘱託殺人と著者反対の安楽死・尊厳死、死の自己決定権批判、クリスパー/キャス9-ゲノム編集の問題点など紹介。最後の章ではアフターコロナ時代の優生学として20世紀初めにあった「チフスのメアリー」を教訓として紹介。

  • 活字スキー さん

    人間という存在を評価しようとすれば必ずそこについて回る闇、人類史において何度もおぞましい悲劇を生んできた「優生学」を改めて概観する。素人なりに考えてみるに、これは「優生学」という特定の主義が脈々と受け継がれてきたという話ではなく、「反知性主義」などと同様に人間の思考パターンから生じやすい形、物事を単純化しすぎる悪癖なのだと思う。そしてそれは、単にモノを知らないバカと同じかそれ以上に、ある程度利口で既にそれなりの成果を出してたり、いわゆる上昇志向の人間ほど「分かった」気になって陥りやすい形なのではないか。

  • テツ さん

    ナチスによる優生学が何処に至ったのかは誰もが知っているだろうに、現代社会でもたくさんの人々が無自覚にそうしたものの考え方をしていることの恐ろしさ(自戒もこめて) その個人がもつアイデンティティをつぶさに観察し社会にとって有益か無益かというジャッジはいつか必ず「群れに奉仕できない存在を維持するために社会がコストを負担するのはどうなのか」という問いに至り、いつか何処かで見た野蛮で残虐な行為が始まる。多様性を第一にする社会が本当に正しいのかぼくにはわからないけれど、過去の悲劇を繰り返さないためには必要だ。

  • ポン さん

    河合香織のノンフィクション「選べなかった命」を読み「命の選別」について、どう考えてよいのか頭から離れず、こちらを読んだ。アメリカの優生運動、ナチスの優生政策、そして日本の優生法の歴史。また、ハンセン病患者の隔離政策、やまゆり園の殺傷事件。そして、尊厳死法の国内外の違いにもふれていた。結局どう考えてよいのか、まだ悶々としたまま。

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