庭、灰/見えない都市 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2

池澤夏樹

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309709581
ISBN 10 : 4309709583
フォーマット
出版社
発行年月
2009年09月
日本
追加情報
:
20

内容詳細

第2次大戦中にアウシュヴィッツで父を失った作家が、精緻な入れ子細工のように仕立てた自伝的長篇の初訳と、イタリア文学の巨匠が幾何学的な形式に沿って象徴的に描く、仕掛けに満ちた都市の物語。〈受賞情報〉毎日出版文化賞企画部門(第64回)

【著者紹介】
ダニロ・キシュ : 1935‐89。旧ユーゴスラヴィアのハンガリー国境近く、スボティツァ市に生まれる。第二次世界大戦中、ユダヤ人の父はアウシュヴィッツに送られ、帰らぬ人となる。ベオグラード大学卒業後、作家活動に入り、62年に初の作品集『屋根裏部屋/詩篇44』発表。この頃からセルビア・クロアチア語の講師としてフランス各地で教鞭をとる。65年発表の『庭、灰』、69年の『若き日の哀しみ』、72年の『砂時計』は後にキシュ自身によって「家族三部作」と名づけられ、高い評価を受ける

イタロ・カルヴィーノ : 1923‐85。キューバのサンティアゴ・デ・ラスベガスに生まれる。2歳でイタリアに帰国、高等学校に通いながら創作をはじめる。第二次世界大戦末期にパルチザンに参加、その体験をもとに47年に発表した長篇第一作『くもの巣の小道』でパヴェーゼらに絶賛される。雑誌編集や評論で活躍しながら、三部作『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』『不在の騎士』などを発表。56年には『イタリア民話集』を編纂し、67年『柔かい月』、72年『見えない都市』などで20世紀後半を代表する作家と目されるようになる

山崎佳代子 : 1956年静岡県生まれ。北海道大学露文科卒業。1979年サラエボ大学に留学、ユーゴスラヴィア文学史を学ぶ。1986年ベオグラード大学文学部修士課程修了。2003年同大学文学部博士号取得。現在、同大学文学部日本学科教授。ベオグラード在住

米川良夫 : 1931年東京生まれ。早稲田大学仏文科卒業。國學院大学名誉教授。2006年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    キシュの『庭・灰』のみ、読了。主人公は作者をモデルとしたと思わしき少年なのだが、とにかく、この少年の語彙が豊潤すぎる(笑)ちょっとした陰影や色彩、父が研究していたことまでを「まだまだ、語り足りない!」とばかりに列挙するのだから。しかし、優しくもユーモアがあり、ちょっと決定的な実行力に移しきれない父が連行され、永遠にいなくなってしまった事が徐々に無くなる父の私物や部屋の様子で分かるという情景の妙な寒々しさに立ち竦むしかない。それでもこの子の豊かな語りは過酷な生活に添える彩と美しさともなったのだろう。

  • 踊る猫 さん

    ダニロ・キシュ目当てで読み、いつもながらその甘美な幼年期をめぐる筆致に酔い痴れた。とはいえ、あまり期待していなかった(失礼!)イタロ・カルヴィーノもなかなか。あまり旅慣れていない私自身を、東洋の風俗/土俗の文化へと招き寄せるだけのものがある。両者に共通するテーマを強いて探すとしたら、それは「死」ではないだろうか。父の「死」、私の「死」、この世界の「死」……私の「死」が私にとっての世界の終わりとなる。それまでの人生をどう生きるか。メメント・モリ。キシュの『砂時計』はまだ未読なので早急にチェックしたいと思った

  • ぽち さん

    『庭、灰』。別の作品の感想を見て幻想文学の作家かと思い興味を惹かれ積読してあった本書を引っ張り出す。なんの前知識も持たず読み出して、そうしてしばらくしてもどういう小説なのか分からない。なにが描かれているのかよく分からない、それでも凛とした文章のうわつらをなでていくように読み進めるうちにああこれは少年の目を通して家族と世界のことを描いているのか、そしてなにが描かれているのかよく分からなかったのは比喩を多用した、ほとんど比喩のみで構成されているのではないかと思わせるような書き方が原因であったということに気づく

  • umeko さん

    いずれの作品も、見えない何かを掴もうとしているかのように思えました。「庭、灰」は、解説を読んで、かろうじて飲み込むことができました。勉強不足です。ただ悲劇的な幼年時代の中にも、見つけたい「何か」が落ちているのではないかと、記憶の断片が入った箱をかき回しているような印象でした。「見えない都市」。これは理屈ではなく、感覚で楽しむ物語なのでしょう。教訓じみた、真実ではない諸都市の情景。しかしそこには何かがあり、眼に見え、存在することが世界の全てではないと、現実と幻想の隙間を旅したような気分になりました。

  • ハルバル さん

    ダニロ・キシュ「庭、灰」は著者の自伝的な小説で、ユダヤ人ゲットーに消えた父の姿を追い求めて、あったこと、あったかもしれないこと、想像したこと、記憶にあることもないこともまとめて語ろうとする。それゆえに断片的な記憶の集積は断絶や誤りも混ぜられながら、直線的には進まない。途中で父親と母親の出会いを親戚や知人の記憶をもとに想像し再構成しようとしたりもする。最後は故郷の森を母とともに散策する場面で終わる。解説には「アイロニカルな叙情」とあり、イメージを異化する突飛な比喩が特徴的で久々に骨太な文学を読んだ気がした。

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