貨幣が語るローマ帝国史 権力と図像の千年 中公新書

比佐篤

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121025081
ISBN 10 : 4121025083
フォーマット
出版社
発行年月
2018年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
比佐篤 ,  
追加情報
:
234p;18

内容詳細

古代ローマでは、発掘されただけでも数万種類にのぼる貨幣が存在した。貨幣は一般に権力の象徴とされ政府や中央銀行などが造幣権を独占する。だが、ローマでは政界に登場したばかりの若手や地方の有力者も発行していた。神話の神々、カエサルや皇帝たちの肖像、ヤギや北斗七星など描かれた図像も多岐にわたるが、彼らは貨幣を用いて何をアピールしようとしたのか。全時代を網羅した精選130点以上を収録。図像と銘文から読み解く、新しい古代ローマ史入門。

目次 : 第1章 ギリシアの貨幣からローマの貨幣へ―国家のアイデンティティと国威の発揚(ギリシアにおける貨幣利用の始まり/ ローマにおける貨幣の利用)/ 第2章 多様な図像の登場―共和政から帝政へ(自己宣伝を行う貨幣の登場/ 讃えられる強者たち)/ 第3章 皇帝たちによる貨幣―帝位継承の正当化(ローマ皇帝の本質―ユリウス・クラウディウス朝/ 帝位継承の実態―フラウィウス朝と五賢帝期/ 混乱期の帝位継承―後期ローマ帝国/ 皇帝「家」と経済)/ 第4章 属州の貨幣―「小さな政府」としてのローマ(自発的な服従―ローマの支配の実態/ ローマへの文化的な接近)/ 第5章 古代を受け継ぐもの―貨幣からみるキリスト教(神格化された者たち/ キリスト教と地中海世界の変化)

【著者紹介】
比佐篤 : 1972年(昭和47年)、東京都葛飾区に生まれる。関西大学文学部史学・地理学科卒業。関西大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、関西大学非常勤講師。専攻、古代ローマ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
個人的に序盤のローマ帝国(王国)に組み込...

投稿日:2021/06/16 (水)

個人的に序盤のローマ帝国(王国)に組み込まれたギリシャ都市がローマのために貨幣を作る辺りの話が面白かった。それで思ったのだけど、どうも僕が読みたかったのはギリシャとローマが相克していた時代の全般的な話だったらしい。本の内容自体はきちんとしていていいです。

kam さん | 大阪府 | 不明

0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • へくとぱすかる さん

    文句なくおもしろい。コインの図像や刻文から、これだけ多くの事柄を「解読」するには、よほどローマ帝国の歴史に通じていなければならないだろう。小さなコインが、政府のあり方や権威の諸事情まで、何と雄弁に歴史を裏付けて語ってくれることだろうか。ローマのコイン自体の当時の価値変動については、金属の品位を問題にしない計数貨幣であるためか、ほとんど述べられない。その点は、意外なほど近代的。

  • ゲオルギオ・ハーン さん

    貨幣の図像を取り上げて古代ローマ史のことを書いた新書。流通量や金や銀の含有率の変化などの経済的な視点はなく、ローマ史の概要にしては帝政期に話が集中しているためバランスが悪い。あとがきで書いているとおり、自分で調べてみる取っ掛かり的な位置付けの本だと思いました。指摘として面白かったのは五賢帝期は血の繋がりがないように見えて、トラヤヌス帝の姉マルキアナを中心に見ていくと家系図的に繋がっていくことでした(さらに母親のマルキアで考えるとフラウィウス朝にも繋がる)。意外とローマ皇帝の血筋って繋がるみたい。

  • サアベドラ さん

    共和制から帝政末期まで、貨幣の図像からローマとその属州の社会の変化を読み解く。2018年刊。著者の専門は共和制末期で、本書のテーマの貨幣学でも何本か論文を書いている。前近代の貨幣は文字通り当時の社会や経済を映し出す鏡であり、材質や図像など、様々な切り口で話を広げることができる、非常に魅力的な題材である。ただ、本書は決してつまらなくはないが、そのような貨幣学の面白さを十分に伝えきれていないように感じる。文章が少々ぎこちないのと、扱う範囲が広すぎて全体的に散漫な印象を受けるのが原因なのかもしれない。惜しい。

  • 中島直人 さん

    (図書館)貨幣の図像から、ローマの歴史を紡ぎ出す。それにしても、2,000種類も発見されているとは驚き。貨幣という他にはない切り口からの考察であり、興味深く面白く読めた。

  • さとうしん さん

    独裁者と見られることを恐れて造幣者が自己宣伝を恐れた共和政期、それが次第に存命者の顕彰がなされるようになり、帝政期には図案に描かれた皇帝の家族から帝位継承の問題や願望を見出すことができ、更には属州の自治の問題や、ローマ皇帝の神格化とイエスの神格化との関連のような宗教信仰の問題が読み取れるといった具合に、古代ローマの貨幣の図像・銘文からどのようなことが見出せるかをまとめている。同時代の出土資料から読み解く歴史の面白さが感じ取れる好著。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

哲学・歴史・宗教 に関連する商品情報

おすすめの商品