仰臥漫録 岩波文庫

正岡子規

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003600429
ISBN 10 : 4003600428
フォーマット
出版社
発行年月
2022年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
220p;15

内容詳細

「子規は死ぬ時に糸瓜の句を咏んで死んだ男である」。畏友の死について漱石はそう書いた。病の床から見える糸瓜棚。ぶらりと下がるその風情に、子規は己を重ね、昵懇の想いを寄せる。子規が死の直前まで折々に書きとめた日録。改版カラー版。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    食べた物を記載しているのですが、「結構、食べ過ぎているな・・・」と正直に驚いた。それは私が「正岡子規氏=病の中で句を詠んだ人」という悲しげなイメージしか持っていなかったからだ。でも実際は死の直前まで新聞へ随筆を掲載したり、スケッチしたり、友から送られた澱粉粉を種類ごとに顕微鏡で観察したりと活動的な人だった。この本を読んで改めて正岡子規像のイメージを改めさせられました。看護しているおりつさんへの気の利かなさへの愚痴に苦笑。だが、「死ではなく、そこに至るまでの苦が恐ろしい」という部分へは共感で胸を突かれる。

  • chanvesa さん

    包帯を取り替えるという記述がよく出てくる。『病床六尺』でもそうだが、この『仰臥漫録』でも同じだ。「(横腹の痛みを確認するため)ほーたい取替のときちよつと見るに真黒になりて腐りいるやうなり(96頁)」は強烈だ。やがて自殺願望の表現が現れる。「死は恐ろしくはないのであるが苦が恐ろしいのだ(110頁)」何て恐ろしい思いだろう。ご飯やお粥を3膳も4膳も食べ、うなぎを7串食べるのは、病苦との戦いのための燃料なのだ。妹の律への愚痴の一方で、自身の誕生祝いのために料理屋にご馳走を頼む際に彼女達の分も誂える優しさ。

  • みつ さん

    新聞連載の随筆『墨汁一滴』の直後の時期に書かれた日記。糸瓜など多くのスケッチも収録されている。「蜂の巣のごとく」(p117)身体中に穴があき、寝返りも打てないほどに病状が悪化したこの時期に残された僅かな楽しみである食事、そしてその当然の結果である排泄について執拗なまでに綴られていく。随筆と比べても、自らの病状について綴った中江兆民の『一年有半』も一刀両断する(p117)ほどに、悲嘆が生々しく出ている。今のような制度がない中家族の介護も想像を絶するものがある中、妹律を「強情」で「冷淡」と悪罵をつきつつ、➡️

  • pirokichi さん

    20年位前に読んで以来3度目。本書は死の前年の明治34年9月から死の直前迄の日録。よう食うわお腹をこわすわ臭うわ叫ぶわ哭くわ書くわ描くわ喜ぶわ…頁を捲る度に生身の子規がいる。頁を捲る度に子規を看ているお母様と妹・律の気配がある。「隣の時計九時を打つ」時計の音を数えながらしんとした心で子規は何を思っていたのだろう。「三人集つて菓子をくふ」お母様と律さんの胸の内はどうだったのだろう。今回は子規がその介抱を褒めた寒川鼠骨を気にしながら読んだ。鼠骨は焼失した子規庵を再建し昭和29年に死ぬまで守り続けた。すごい。

  • かふ さん

    9月19日が正岡子規が亡くなった日で、子規忌、糸瓜忌、獺祭忌(だっさいき)などいろいろ呼ばれていますが、獺祭忌が一番面白いネーミングですね。獺(かわうそ)が自分の食べ物を並べるように、病床の子規もなんでも自分の側に並べていたからそう呼ばれたとか。『仰臥漫録 (ぎょうがまんろく)』は、俳句だけではなく絵筆を握って病床で描いていた。寝ながら描いていたので大して上手くはないですが、そこから子規の写生という吟行が出来ないなりにも四季の変化を探して描いていた。

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