それで君の声はどこにあるんだ? 黒人神学から学んだこと

榎本空

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000237451
ISBN 10 : 4000237454
フォーマット
出版社
発行年月
2022年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
榎本空 ,  
追加情報
:
222p;19

内容詳細

「イエスは黒人なのだ!ブラック・パワーは福音だ」黒人神学の泰斗、ジェイムズ・H.コーンに学ぶため、二七歳の筆者はマンハッタンにあるユニオン神学校の門を叩いた。教室にさざめくハレルヤ。ブラック・ライヴズ・マターという仲間たちの叫び。奴隷制以来、四〇〇年に及ぶ苦難の歴史に応答することはできるのか?魂をゆさぶる言葉の旅。

目次 : 第1部 400 Years(褪せた本「キリスト教神学とは解放の神学である」/ 秘密のトンネル「マルコムを忘れてしまえば、私たちはキングまでも誤って記憶してしまうぞ」/ 土曜日の霊性「スマートなのは、携帯電話だけでいい」/ タワーと闘え「でもペテロは誰なの。あなた?」)/ 第2部 Find Your Voice(アリマタヤのヨセフ「黒人以外の人間が、黒人の背負ってきた苦しみや痛みを理解するのは難しい」/ 自分の声「説教できないものを書きたくはない」/ 最後の授業「もし何かを始めたなら、もう後戻りすることはできない」/ 誰にも言わないと言ったけれど「憎しみは担うに重すぎる荷物となる」/ コロナ禍の覚書「世界の救済は、不順応にかかっている」)

【著者紹介】
榎本空 : 1988年、滋賀県に生まれ、沖縄県伊江島で育つ。同志社大学神学部修士課程修了。台湾・長栄大学留学中、C・S・ソンに師事。米・ユニオン神学校S.T.M修了。現在、ノースカロライナ大学チャペルヒル校人類学専攻博士課程に在籍し、伊江島の土地闘争とその記憶について研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • trazom さん

    著者が、NYのユニオン神学校で、ジェイムズ・H・コーン、コーネル・ウェストという偉大な二人の黒人神学者から学んだ日々を回想する。米国の黒人を取り巻く環境が一向に改善しない中で、「イエスの福音」と「黒人の苦しみという現実」と「黒人の抵抗運動」の三つの関係に悩むコーン先生から、「黒人の苦しみをお前が理解できるのか」と問われる著者。沖縄で育ち台湾で学び、戦争や植民地の犠牲になった人々の苦しみを共有する著者が、聖書のアリマタヤのヨセフの中に自分の存在意義を発見する場面は感動的だ。いい本だ。この著者が好きになった。

  • ネギっ子gen さん

    【神学という学問が、路上における黒人の解放を求める運動と、いかに関わるか――】 黒人神学の泰斗、ジェイムズ・H・コーンに学ぶため、27歳の筆者はNYのユニオン神学校に留学生待遇で入学。奴隷制以来400年に及ぶ苦難の歴史に応答せんと奮闘する、魂の旅。巻末に参考文献&注釈。<コーンのコメント付きのレポートは、今も捨てずに取ってある。/私は今後も、自分の存在を疑いそうになるたびに、コーンの言葉に立ち戻るだろう。コーンからもらった最大の贈りものは、レポートの端に太いペンで書かれた文字たちだったのかもしれない>。⇒

  • たま さん

    著者はNYのユニオン神学校で黒人神学者ジェームズ・コーンやコーネル・ウェストに学ぶ。授業の密度、熱量がすごい。ブラックライヴズマター運動とも繋がる学生生活が生き生きと描かれる。トニ・モリソンやジェスミン・ウォードの小説が描く圧倒的な差別、その状況でなぜキリスト教について語りうるのか。それは支配の道具としてではなく、尊厳の根源としての問い直すこと。十字架のイエスが理不尽に殺された一人一人の黒人と繋がる。黒人ではない著者は自分がどんな声で語りうるのかしなやかに考え、アリマタヤのヨセフにたどり着く。※

  • ちゅんさん さん

    日本人留学生の著者が黒人神学者のジェイムズ・コーンから学んだ日々の記録。黒人がこれまで受けてきた差別の歴史、キング牧師、マルコムX、ジェイムズ・ボールドウィンなど知らないことだらけでした。著者の素直で誠実な筆致が非常に好ましく引き込まれ自分もコーンの講義を受けているように感じられた。彼のように悩み苦しみながら自分には何が出来るか考え続けたい。『それで君の声はどこにあるんだ?』タイトルがまたよい、ドキッとさせられる

  • rosetta さん

    誠実な若い神学者の魂の遍歴。対米戦で苦しんだ沖縄に育ち日本に支配された台湾に留学。黒人神学を学ぶためにNYのユニオン神学校に通う。その何処でも当事者にはなり得ず、それでも事態に真摯に向き合う為の自分の言葉を探す。ジェイムズ・コーンの元でマーチンルーサーキングとマルコムXを学び、その限界と不徹底さを知る。もう一人の師コーネル・ウェストとも充実した研究生活を続ける。筆者と共に未だにアメリカでは黒人差別の気風が残っていることに驚きと残念な気持ちを覚える。聞き慣れない単語が注もなく頻出するのでwikiは常に必須

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