カイメン すてきなスカスカ 岩波科学ライブラリー

椿玲未

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000297066
ISBN 10 : 4000297066
フォーマット
出版社
発行年月
2021年08月
日本
追加情報
:
142p;19

内容詳細

脳も心臓も胃腸もない。どこを切ってもスッカスカ。動物?植物?そもそも生物?海に行けば普通にいるが、印象が薄い。そんな存在感のないカイメンが、じつは生態系を牛耳る黒幕だった?!サンゴ礁の海も、世界一透明な湖も、彼らなしには成り立たない。人間も紀元前から利用してきた。ジミにすごい正体にせまる。

目次 : 第1章 ヒトとカイメン(歴史の影にカイメンあり/ カイメン漁師の栄枯盛衰 ほか)/ 第2章 生き物としてのカイメン(スカスカの体は何のため?/ カイメンは動物 ほか)/ 第3章 カイメン行動学ことはじめ(水路をキレイに保つ秘密/ カイメンの「くしゃみ」 ほか)/ 第4章 カイメンをとりまく生き物たち(カイメンを食べる生き物/ 付着する生き物との攻防 ほか)/ 第5章 生態系のなかのカイメン(「謎の生態系」微生物ループの発展/ ダーウィンも悩んだ謎、その黒幕の正体 ほか)

【著者紹介】
椿玲未 : 1985年生まれ。京都大学文学部に進学。生態学の授業で生き物への情熱がよみがえり、生物の研究ができる総合人間学部に転学部、卒論では沖縄・八重山列島の海で砂に潜るハゼ(スナハゼ)を研究。その後、研究テーマを二枚貝とカイメンの共生関係に移し、2013年、京都大学大学院人間・環境学研究科で博士(人間・環境学)を取得。学位取得後は森林総合研究所でカミキリムシを研究しながらもカイメンのシンプルながら奥深い生態に魅せられ、海洋研究開発機構に移りカイメン漬け生活がスタート。現在はサイエンスライターとして活動しながら、東京大学総合研究博物館、海洋研究開発機構でカイメンの研究も進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • kinkin さん

    脳も心臓も胃腸もないスカスカ スカスカ スッカスカーなのに生態系を牛耳っていた。・・・表紙より。カイメンは海岸にようく打ち上げられているのを見かける。海の荒れた日のあとは多い。そんなカイメン、英語でスポンジというらしい。スポンジというのは和製だと思っていた。カイメンは子供の頃、郵便局や事務机に必ずおいてあることに気づいた。切手を貼るときに水を含ませたカイメンで湿らせて貼る、ただうちで貼るときは舌で湿らせたが・・・カイメン、何もせずに海水から栄養を濾し取って生きるだけかと思っていたらそうではないらしい。

  • にしがき さん

    👍👍👍👍 この岩波のシリーズはハズレ無し。ワクワクと驚きを提供してくれる。/カイメン素人の自分には、カイメンの英語名がスポンジであるのも驚き。カイメンの人との関わり、体の構造(スカスカ)、増え方、他の生物との関係、生態系での役割、等々…新しいことだらけで脳が喜ぶ。多種多様な骨片について、「骨片の形がもつ機能的な意味はわかっていない。そもそも、機能的な意味はない可能性もある」なんて素晴らしい。/随所に著者のカイメン愛が滲み出ているのも良い。世界一長生きの動物についてのエピソードが好き。

  • 鯖 さん

    1万年生きた個体の骨片が深海からみつかったり、イルカは海底漁って餌をとるときに、やらかいカイメンくわえて口を保護したり(血縁関係にあるイルカだけによる特定の道具使用の例)、御幼少のオスメスのエビをとじこめて、大きくなったら出られなくなる棲み処と化す闇の腐女子の概念みたいなカイロウドウケツちゃんのヤンデレっぷりにいたるまで、そのすてきなスカスカっぷりと著者の愛を堪能。ごちそうさまでした。

  • 翠埜もぐら さん

    カイメンってスポンジとしてぐらいの認識しかなかったのですが、あれ生き物だったのか。黒くなったので漂白しようとしたら溶けてしまって、そうかタンパク質だから溶けちゃったんだ。すりつぶしても死なず千切れてもそのまま増殖したり、首までどっぷり文系人間はこれが生き物ですと言われても、神経もないのにどうやって反応するのかと納得できなーい。しかも食糧事情から肉食化したものまでいる。カイメンの体内にある微小なガラス質の骨片の話が面白かったです。石灰質ではなくガラス質であるからシアノバクテリアとうまく共生できるってすごい。

  • tom さん

    カイメン=スポンジは植物(海藻)みたいなものと思っていたら、これは動物だった。海辺で見かける岩にへばりついた赤やら焦げ茶の汚らしいもの。あれがカイメンらしい。このカイメンの構造(内部にガラス質の棘がいっぱい)、食生活、他の生物とのかかわり(カイメンの中で暮らすエビー真社会性動物までいる)などなどを書いている。カイメンは生態系のなかの重要な役割を果たしている。人間が死滅しても、誰も困らないけれど、カイメンが死滅したら、他の生物は大困り。バイカル湖の世界一透明度はカイメンあってのことらしい。面白い本でした。

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椿玲未

1985年生まれ。京都大学文学部に進学。生態学の授業で生き物への情熱がよみがえり、生物の研究ができる総合人間学部に転学部、卒論では沖縄・八重山列島の海で砂に潜るハゼ(スナハゼ)を研究。その後、研究テーマを二枚貝とカイメンの共生関係に移し、2013年、京都大学大学院人間・環境学研究科で博士(人間・環境

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