熱帯

森見登美彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163907574
ISBN 10 : 4163907572
フォーマット
出版社
発行年月
2018年11月
日本
追加情報
:
523p;20

内容詳細

沈黙読書会で見かけた『熱帯』は、なんとも奇妙な本だった!謎の解明に勤しむ「学団」に、神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」、鍵を握る飴色のカードボックスと、「部屋の中の部屋」…。東京の片隅で始まった冒険は京都を駆け抜け、満州の夜を潜り、数多の語り手の魂を乗り継いで、いざ謎の源流へ―!

【著者紹介】
森見登美彦 : 1979年奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年「太陽の塔」で第一五回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で第二〇回山本周五郎賞受賞。10年『ペンギン・ハイウェイ』で第三一回日本SF大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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やりおった。森見登美彦がやりおった。完全...

投稿日:2019/01/13 (日)

やりおった。森見登美彦がやりおった。完全に先を越された、抜け駆けである、超出し抜かれた感ハンパないんである、悔しいです。 ことの発端は大晦日に遡る。コタツもない、ミカンもない、TVもついていないこの部屋に、スマホの着信音が鳴った。学生時代の友人だ。年末の挨拶をするような奴だったか、と思い出る。果たして「沈黙読書会だ。1月6日18時、表参道に来い」と切ろうとする。待て、何だその〈沈黙読書会〉ってのは。どうにか聞き出したところによると、〈それは何らかの「謎」を抱えた本を持ち寄って語り合う会であるという〉〈面白いのは、そうやって持ち寄られた謎を解くことが「禁じられている」ことである〉。「兎に角、1冊持って来い。そうだな、あれはどうだ、ねっ(ツーツー)」え?なぜそこで切った?そういう奴だよ、お前はねっ。 「ねっ」。ねつ、熱、ああ「熱帯」。そこで思い出す。あの本は学生時代に、かの友人と京都へ旅した特に嵐山の渡月橋のど真ん中で拾ったのだった。それは〈推理小説ではないし、恋愛小説でもない。歴史小説でもないし、SFでもなく、私小説でもない。ファンタジーといえばファンタジーだが〉かなり面白かった気がする。たしか、ある若者が美しい島に流れ着くが、記憶を失っていて自分が誰か分からない、そこに佐山尚一という男が現れ。そうだ、この佐山尚一が「熱帯」の作者だ。それからどうだっけ? Amazonは便利である。「熱帯」佐山尚一で検索するとすぐに出てきた。が、在庫切れ再入荷予定なし。〈暴夜書房〉というのが取扱店らしいが連絡が取れないとのこと。18件のレビューに目を通す。驚く事に、誰もがこの本を捜している。風呂の中で読んでいて寝てしまい起きたら本が消えたとか、途中まで読んで鍋敷きにしているうちに失くなったとか、どうやら最後まで読んだ人がいないらしい。かくゆう私も、京都からの帰りの新幹線で続きを読もうとしたら「熱帯」は鞄の中から消え失せていたのを思い出したのだった。この本こそ〈沈黙読書会〉に相応しいではないか。途中までしか読めない本。次回作のネタになりそうだ。 ないと言われればどうしても手に入れたいのが人の性だが、仕方がない。検索に引っかかった森見登美彦の最新作『熱帯』を取り敢えずポチった。届いた本を読み始めて呆然とした。そして冒頭へ戻る。 森見登美彦がやりおった。 15ページ目にして佐山尚一の「熱帯」が登場。しかも16年前、森見も途中までしか読まないうちに本を失くしたという。その上、23ページ目には〈沈黙読書会〉に参加。忘れもしない幾何学模様のシンプルな表紙の「熱帯」を持つ女性に遭遇。その女性の発した〈この本を最後まで読んだ人はいないんです〉。何これ、ノンフイクションなの。その後も〈暴夜書房〉が出てくるは、訳あって「熱帯」を途中までしか読んでいない人々が現れ、〈学団〉なる読書会を結成。うろ覚えの記憶を持ち寄り「熱帯」のストーリーを追っていくという展開。 更には〈汝にかかわりなきことを語るなかれ〉で始まる4章こそ、私の記憶に残る「熱帯」なのであった。怪しい、まことに怪しむべきことだ。森見登美彦は「熱帯」佐山版を密かに所有しているのではないか。執筆に行き詰まって「熱帯」の力を拝借したのではないか。 それにつけても悔やまれるのは、京都から「熱帯」を連れ帰れなかった事だ。かの友人奴が、もっと早く〈沈黙読書会〉に私を誘わなかった事だ。『熱帯』は私が書きえた小説だ。それを持ってすれば、物書きの端くれとして憧れのあの「ファンタジーノベル賞」を手中にできたやもしれない。悔しいです。

けちょう さん | 東京都 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro さん

    森見 登美彦は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 本書は著者版「アラビアンナイト 千一夜物語」、私小説的読書冒険ファンタジーでした。謎が混迷する怪作です。暴夜書房で作中作、佐山尚一作「熱帯」を読んで、沈黙読書会に参加してみたいなあ。 何時か岩波書店「完訳 千一夜物語」全十三巻 https://www.iwanami.co.jp/book/b248469.html を読んでみたいと思います。

  • ゆのん さん

    出版社から頂いたプルーフにて読了。これは面白いっ!森見力炸裂!森見の魔術にかかり、物語の枠外にまで飛ばされる。飛ばされた場所から元の場所へ戻れるのか心配になる程。どデカイスケールの中ポンポン飛ばされる!読み終わった今も自分が何処にいるのか…ボーっとする頭の中でキリッと光る鋭さも感じる!500頁超という重さは全く気にならない。面白くアッという間に読んでしまうのに、永久に続く不安。すごいねっ!森見、超力作!!

  • こーた さん

    部屋で読んでいて何度も叫び出しそうになり、電車で読んでいて不覚にも泣きそうになる。小説を読んでいるのは私だったはずなのに、読まれているのは私ではないかという感覚が、常につき纏う。物語は現実を飲みこんでいき、本を閉じるパタンという音を合図に、部屋全体が真っ暗になる。そんな妄想に駆られる。書くことに対する畏れがある。語り出すには勇気がいる。世界の中心には謎がある。本はその入口であり、島へ漕ぎ出す船なのだ。この本を最後まで読んだ人間はいない、だって?当然だ。だって『熱帯』は、私の中でまだつづいているのだから。

  • 茜 さん

    最近は読書スピードが落ちてしまったので、523ページという厚さに怯えながら久しぶりに長編の本を読みました^^; それも私の好きな森見登美彦氏だからこそという気持ちがあったんですが。。。はっきり言ってわからないwww一時期、森見登美彦氏は心身症を患っていた時期があり書けなかった時期があるという。その影響もあるのかな。前半は面白く読めたのだけど中盤から息切れしているように思えました。

  • むらさき さん

    40 掴み所のない『熱帯』の世界。異世界っぽいのに入り込みやすい不思議な小説。

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森見登美彦

1979年奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年「太陽の塔」で第一五回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で第二〇回山本周五郎賞受賞。10年『ペンギン・ハイウェイ』で第三一回日本SF大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に

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