奴隷小説

桐野夏生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163901961
ISBN 10 : 4163901965
フォーマット
出版社
発行年月
2015年01月
日本
追加情報
:
155p;20

内容詳細

突然原理主義者らしき兵士に襲われ、泥に囲まれた島に囚われてしまった女子高生たち(「泥」)。村の長老との結婚を拒絶する女は舌を抜かれてしまう。それがこの村の掟。そしてあらたな結婚の相手として、ある少女が選ばれた(「雀」)。アイドルを目指す「夢の奴隷」である少女。彼女の「神様」の意外な姿とは?(「神様男」)。管理所に収容された人々は「山羊の群れ」と呼ばれ、理不尽で過酷な労働に従事せざるを得ない。そして時には動物を殺すより躊躇なく殺される。死と隣り合わせの鐘突き番にさせられた少年の運命は?(「山羊の目は空を青く映すか」)。
時代や場所にかかわらず、人間社会に時折現出する、さまざまな抑圧と奴隷状態。それは「かつて」の「遠い場所」ではなく、「いま」「ここ」で起きてもなんら不思議ではない。本作を読むことも、もしかすると囚われのひとつなのかも――。
何かに囚われた奴隷的な状況であることのみが共通する、七つの物語。桐野夏生の想像力と感応力が炸裂した、超異色短編集。

【著者紹介】
桐野夏生 : 1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、2004年同作英訳が日本人初のエドガー賞候補となる。1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、2011年同作で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • starbro さん

    奴隷というよりも様々な種類の自由を剥奪され拘束されている極限状態の物語集。桐野夏生のポイズンが炸裂しています。現代の日本では想像しづらいですが、世界では今でもイスラム国等類似の環境が存在していることを考えると非常に怖い世界です。各短編のタイトル表紙のタイトルのフォントが大き過ぎるような気がしますが、何か作者の意図があるのでしょうか?

  • takaC さん

    読もうと思った経緯すらよく覚えていないが(何ヶ月か前の「本の雑誌」桐野夏生の10冊のうちの1冊だったからのような気がする)、読まなくても問題ない本でしたというのが正直な感想。7話ともどれもモヤモヤした終わり方で、むしろ読まない方が良かったなと思っているくらい。

  • barabara さん

    何だ、これ。後からジワジワと恐怖に襲われる。貞子のビデオの映像のような粒子が粗い得体の知れない何か。その何かが決定的に根拠が分からないので気味が悪く怖いんだ…フィクションだけど、日本的な禍々しさも感じるので別世界ので事とは割り切れない…嫌だぁ!!こんな思いしてまで生きてたくない。完

  • のり さん

    7話からなる短編集。う〜ん。思っていた内容ではなかった。昔から今に至る迄、世界各地で奴隷制度・人身売買は金を産んだ。同じ人間のはずが、家畜や物以下の扱いを受ける現実。その痛みといったら計り知れない。理不尽極まりない。現在も形をかえた階級社会がある。また、誰しもがある意味何かの鎖に繋がれている奴隷かも知れない。

  • high さん

    [15-206-064]様々な形の奴隷を描く短編7作品。どれも途中で終わってしまう感じで、よく分かっらなかった…^^; 『あとは読者が考えて』なんだろうけど…。ごめんなさい、読解力と想像力が不足です(>_<) 最後の『山羊の目は空を青く映すか』は、何とか理解出来ました^^;

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桐野夏生

1951年金沢生まれ。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、98年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学

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