奴隷小説 文春文庫

桐野夏生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167909727
ISBN 10 : 4167909723
フォーマット
出版社
発行年月
2017年12月
日本
追加情報
:
192p;16

内容詳細

長老との結婚を拒んで舌を抜かれた女。武装集団によって拉致された女子高生たち。夢の奴隷となったアイドル志望の少女。死と紙一重の収容所の少年…人間社会に現出する抑圧と奴隷状態。それは「かつて」の「遠い場所」ではなく「今」「ここ」にある。何かに囚われた状況を炸裂する想像力と感応力で描いた異色短編集。

【著者紹介】
桐野夏生 : 1951年、金沢生まれ。成蹊大学法学部卒業。93年「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞受賞。99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、『ナニカアル』で10年、11年に島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。1998年に日本推理作家協会賞を受賞した『OUT』で、2004年エドガー賞(Mystery Writers of America主催)の候補となった。2015年、紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    多かれ少なかれ、主人公がなんらかの奴隷状態に置かれた7つの短篇を収録。もっとも、状況そのものに比して深刻さには乏しく、ある種の明るさが感じられないものでもない。とりわけその感を強くするのは「ただセックスがしたいだけ」。小さな住まいを精いっぱいに飾り立てて、メスを誘引するためにお土産まで用意するオスたちの姿は、もうまるでニワシドリそのものだ。作家の着想も案外そのあたりにあったのかも知れないが。桐野作品の中では、「遊び」に属するような系列のものであり、社会の不条理を描くといった本格モノからは遠いだろう。

  • あも さん

    雀/泥/神様男/REAL/ただセックスがしたいだけ/告白/山羊の目は空を青く映すか。久々の桐野氏を堪能。200頁にも満たない短編集なのにこの重苦しさは一体何事。支配と隷属。身分差別のある集落や劣悪な収容所といった架空の設定から地下アイドルまで。肉体と精神の、生命の、自由の、奴隷らの物語は何らの救いなく断ち切られる。これは必ずしもどこか遠くの話ではない。誰もが…とまでは言わないが、自分含め読書を好む人種には、淵に立ち昏い穴を覗き込みたい。人の悪意を見てみたいという欲求があるはず。そんな人達に心からオススメ。

  • rico さん

    逆らえない、逃げられない。[ご主人さま」は、理不尽な因習や暴力的支配者など、いかにもなものから、これもそうなのか?という意外なものまで。様々な切り口で何者かの「奴隷」になっている人々を描く7つの短編は、桐野さんらしく容赦ないのだけど、結末直前の「寸止め」の連続で前のめりになった勢いで、一気に読めてしまった。読後感は当然、鉛を飲み込んだように重い。決死の脱出への試み、諦念、絶望。物語のその先に光は見えるのか、闇に閉ざされているのか。「これはほんの序章にすぎなかった・・・」ってナレーションが聞こえてきそうだ。

  • アッシュ姉 さん

    強烈なインパクトのタイトルとカバーイラストに負けない異色短編集。様々な囚われの姿を容赦なく描いた七つの物語。いつの時代も無くならない理不尽な抑圧と奴隷状態。どこにも逃れられない状況に置かれたら、人はどう対応するのか。憤慨、諦観、絶望する、恐れない、希望を捨てない。おまえならどうすると突き付けられたようで震撼する。桐野さんの感性と想像力が生み出した架空の世界かと思ったが、モチーフとなる出来事は現実に存在している。人間の残忍さは底が知れない。そう、世界は野蛮で残酷な牢獄に満ちている。

  • k5 さん

    奴隷がテーマの短篇集。前半の三つはデスゲームもののプロローグみたいですが、それでも発想力の違いを感じさせる読みやすい作品。後半に行くにつれて実験小説度が上がって多少、読みづらさは出るのですが、舞台の空気を演出するのが本当に上手いです。最後の作品「山羊の目は空を青く映すか」は、これでもかと乱打される「鐘」という漢字と、似たような重い質感の漢字によって、舞台の金臭さまでが演出されたようで好きでした。

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桐野夏生

1951年石川県生まれ。作家。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、98年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな〓』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式

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