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七つの蕾

松田瓊子著

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336042033
ISBN 10 : 4336042039
Format
Books
Publisher
Release Date
October/1999
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

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Book Meter Reviews

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  • カナン

    純潔、又は高潔だろうか。「少年」「少女」という響きに相応しい彼らの前を通り過ぎる人々と季節と生死。親を亡くす。虫の体に針を刺す。猫を踏んで蹴り上げる。学校を勝手に逃げ出す。幼子を強引に引っ張り水辺へと落とす。書き連ねれば思わず眉を潜めたくなるような行為が散りばめられているが、それを含めて少年少女の伸びやかで純然たる魂の在り方なのだと気付く。彼らは己の全てを以て、素直に悲しみ、正直に怒り、爛漫に笑い、あるがままに友や家族を想い慈しむ。それは一切の濁りも無い純然な愛情で描かれた幸福な絵のように眩い光景なのだ。

  • みやび

    いつかどこかの古本市でレトロな表紙に惹かれて手に入れたこの本。もう忘れるほど積ん読していたけれどこんなに素晴らしい本だったとは。日本版若草物語のような草場家の4姉弟と友達の姉妹そして少年が1人で七つの蕾なんだろう。この7人が仲良くわいわい楽しくやっている様子を読んでいるだけで何とも楽しく微笑ましい。自分がこの少女達と同じ10代の頃に読んでいたら全然違った感想だろうと思うけどけっこうな大人になった今はもうこの子達がいじらしくて可愛らしくて仕方ない。個人的には友達思いて元気いっぱいの梢が大好きだった。

  • あ げ こ

    美しい、美しい、しかし、儚く弱々しく煌めき香る類の美しさではない。脆く、可憐に咲く子ども達の美しさではない。もっと活き活きとしていて、伸びやかで、明るくて、賑やかで、時に騒がしい美しさ。健やかな平穏、哀しみに濡れて光る不幸は、優美な幸福へと。甘く柔らかな憧憬はしかし、さえずりの朗らかさにこそ、誘われる。物語を大切にする、物語の中にある、また物語を思う時にある、豊かさや喜びを大切にする子ども達の物語。行き渡る愛情は、彼等と同じ場所で、同じ楽しさや哀しみを見つめるが故に溢れ出るもの。微笑ましく、快い。

  • ちおりーぬ

    戦前の少女小説は本当に美しくて現実に疲れたわたしの癒しです。鎌倉の海が映す四季の美しさ、自然や大人の温かな愛に囲まれて育つ少女たち。微笑ましい兄妹愛や子どもたちの純真な心にほうっとため息をつきたくなります。昔の少女たちは本を読みながら美しい世界に憧れを忍ばせたのでしょうか。松田瓊子さんは初めて読みましたが、読んだ者の心に美しい景色を映してくれる文章を描かれるので感心してしまいました。彼女の文章に惚れ込んでしまったので他の作品も必ず読みます。彼女が影響を受けた作品やこの本に言葉を添えた村岡花子も読みたいです

  • 真竹

    作者の松田瓊子は、『銭形平次捕物控』などで知られる作家野村胡堂の娘で、23歳の若さで亡くなった。作品からは、子どもと創作を愛した彼女の真っ直ぐな人柄が伝わってくる。他の作品も読みたい。

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