金子みすゞと詩の王国 文春文庫

松本侑子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167920173
ISBN 10 : 4167920174
フォーマット
出版社
発行年月
2023年03月
日本
追加情報
:
348p;15

内容詳細

詩人、金子みすゞの希望と挫折の生涯、大正デモクラシーの理想から生まれた童謡詩の盛衰をたどりながら、珠玉の名詩60編を文学の視点から読解する新しいみすゞ論。NHK「100分de名著 金子みすゞ詩集」で指南役を務めた著者が番組テキストに大幅に加筆。図版写真97点、実弟の日記を収載。心に響く暖かな言葉の王国へいざなう。

目次 : 序章 聖女から詩人へ/ 第1章 詩心の原風景―童謡詩の誕生/ 第2章 視点の逆転、想像の飛躍―投稿詩人の誕生/ 第3章 詩の国の王様―金子みすゞ傑作選/ 第4章 「童話」の投稿仲間―島田忠夫、佐藤よしみ、渡邊増三/ 第5章 みすゞの結婚、童謡詩の衰退/ 第6章 みすゞの死、西條八十の哀悼/ 間奏曲 みすゞが敬愛した西條八十の小曲/ 第7章 戦争と軍国童謡/ 第8章 心にこだまする言葉―童謡とみすゞの復活

【著者紹介】
松本侑子 : 作家・翻訳家。『巨食症の明けない夜明け』すばる文学賞。『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』新田次郎文学賞。訳書に日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ。NHK・Eテレ「100分de名著 金子みすゞ詩集」に指南役として出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 佐島楓 さん

    名前と代表作くらいしか知らず、人となりについて関心があったので、読んでみた評伝。作品に感じていた寂しさの正体が少しわかったかな。日本の童謡詩と呼ばれるジャンルに、女性として認められた作家がいなかった(金子みすゞ氏も、生前はほとんど無名だった)ということを知り、長らえて作品を作りつづけていたら、文筆活動で生きていけたかただったのかもしれないと思い、残念だった。時代のせいなのか、めぐりあわせのせいなのか。そんな中でも西條八十が彼女の作品を評価していたのは唯一の救い。

  • R子 さん

    金子みすゞの評伝。「100分de名著」を観てこちらも。この時代に女性が文学者として認められることの難しさ、それでも懸命に創作を続けるみすゞの姿に胸打たれた。弟の雅輔や、慕っていた西條八十の存在も、創作を続けていくための力になったことがうかがえる。詩の解説も豊富。みすゞの詩は言葉がやさしく、親しみやすさを感じるのはもちろん、発想が光っている。他作品のモチーフを下敷きにして書かれたであろう詩も紹介されているが、自分の作品に組み立てることができる力に感服。

  • はるき さん

     幼稚園の卒業記念が金子みすゞの詩集でした。美しく幻想的な世界を紡いだ彼女の人生について初めて詳しく知りました。彼女は詩作に選ばれた人だと思いますが、だからこそ決断が悲しい。

  • ロビン さん

    「100分de名著」での内容に大幅に加筆した評伝で、時代背景や当時の童謡作家たちの作品、みすゞが師と慕った西條八十の作品と、彼がみすずのために描いた哀悼の言葉なども紹介されている。みすゞの家庭環境や作品投稿の努力、弟・雅輔や夫との関係についても詳しく知ることができた。みすゞの死後時代が戦争へと傾斜していき、みすゞの持つ小さなものへの優しさは軟弱さと批判されるようになる。殆どの文学者が戦争礼賛の作品を作ってしまったことを考えると、みすゞの自死は悲しいが、あんな時代を生きなくて良かったのかもしれない・・。

  • Ayakankoku さん

    非常に詳細に金子みすゞさんの生涯について述べられていた。彼女が自殺をしていたことは、初めて知った。また自殺の前日に写真館で写真を撮っていたことも驚きであった。

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松本侑子

作家・翻訳家。著書に『巨食症の明けない夜明け』(すばる文学賞)、『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』(新田次郎文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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