蟹女

村田喜代子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163163604
ISBN 10 : 4163163603
フォーマット
出版社
発行年月
1996年06月
日本
追加情報
:
269p;20

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

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  • なゆ さん

    幻想?妄想?そんな不思議な感覚が印象的な短編集。日常の中のありえない出来事やありえない記憶、特に『蟹女』の加速するありえなさからのシュッと現実に引き戻される鮮やかさに驚く。『春夜漂流』は、引っ越し早々の新興住宅地で家族全員で迷子になり彷徨うという、当時ならありえそうな話。『ポアンカレの馬車』は似た話読んだな〜と思ってたら、村田さん自身の短編「真夜中の自転車」のメイキング小説みたいな話。締め切り時間ギリギリまでの産みの苦しみ。字の世界はどんなものにもなる≠ニいう思いが、村田さんの世界そのものだと思った。

  • take0 さん

    5編を収録。表題作は一度読んでいたがやはり面白い。聞き役の医師同様、連日やって来て語る女の話にひたすら耳を傾けてしまう。医師も指摘しているが、この語りの増殖性というか過剰性は一体何なのだろう。何処まで本当なのか判然とせず、遂には神話めいてくる女の話。女性の豊穣性や得体の知れなさをも描いて、これぞ村田喜代子という一作。他に「顔のない人」と語られる叔母に、しんしんとした寂しさ、憐れを感じる「耳の叔母」、上階の妻仲間の妄想なのか語り手の妻の作り話なのか、何とも奇妙な心持ちにさせられる「ワニの微笑み」がよかった。

  • あ げ こ さん

    最初はただ穏やかであるだけ。次第に何か、怖さが、不気味さが見え始め。けれど穏やかであると言う、和やかであると言う、最初の印象も不思議と消える事はなく。狭間を、合間を漂う感じ。確かに不気味であり、けれどまだどこかほのぼのとした狭間を。二度と戻れぬような状況にさえ、和やかさも未だ感じ取り続ける事が出来ると言う自然さ。何か一つ、例えば恐怖だけを選び、そこにあるはずの他の感情を黙殺しなくてよいと言う。互いを塗り潰す事なく、怖さも、穏やかさも、可笑しさも同時にあり続けると言う自然さ。妙に安心する。爽快さすら感じる。

  • トーマ さん

    「蟹女」を中心とした5作の短編集。文章や言葉選びは好きで、雰囲気も嫌いではなけれど、どうもどの作品も咀嚼しきれないような物語ばかりだった。物語に大きな波がないので、リアルな現実感があるけれど、読み終わって物語を思い返すと何も覚えていない感覚。村上春樹に近いものを感じる。とくに家族をテーマしている作品が多いので、村田喜代子さんの中で「家族」や「一族」というのが人生の中で多く考え込むテーマだったんだと勝手に想像してしまった。

  • Sosseki さん

    どこにでもころがっていそうな話のような気で読み進むうちに、ちょっと不思議だったり、怖かったり、おかしかったりする短編集。引越の手伝いに来た一家が近所に遠足に出た切り迷子になって工事現場に一泊する話は、笑いながらも、ホントに翌日帰り着いたか心配になる。今ならスマホがあるからこんなことは起こらないけれど…。方言が楽しかった。

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人物・団体紹介

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村田喜代子

1945年、福岡県生まれ。77年、「水中の声」で九州芸術祭文学賞最優秀作を受賞し、本格的な執筆活動に入る。87年、「鍋の中」で芥川賞を受賞、90年『白い山』で女流文学賞、92年『真夜中の自転車』で平林たい子賞、98年「望潮」で川端康成賞、2010年『故郷のわが家』で野間文芸賞、14年『ゆうじょこう』

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