蕨野行

村田喜代子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163146102
ISBN 10 : 4163146105
フォーマット
出版社
発行年月
1994年04月
日本
追加情報
:
221p;20

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

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  • そうたそ さん

    ★★★☆☆ 「姥捨て山」伝説をモチーフとした作品はいくつか存在するが、本作もその一つ。ただし、設定自体も村田さんによってかなりリアレンジされており、唯一無二の作品に仕上がっている。冒頭からいきなり文語調にどこかの方言を合わせたような文章で、かつ対話形式の内容に結構戸惑ってしまうのだが、リズムのいい文体に不思議と読みにくさは感じない。原典に見られる退廃的で冷めているような感じはなく、本書には、「お姑」と「ヌイ」との心の交流に描かれるような、溢れるほどの愛情が感じられた。高齢化社会への問題提起ともとれる作品。

  • 慧の本箱 さん

    村田氏の『ゆうじょこう』に引き続いて彼女の著作の本書。このコロナ禍の中で手にするのにちょっと躊躇したけど、豈図らんやでした。勿論いわゆる姥捨てなわけですが、村田氏の手にかかるとこの題材も奥行きのある生き死にが見えてくる。ワラビの里に行く姑レンと若き嫁ヌイの相聞歌が又何とも言えない趣を添えて愛情に満ち溢れたものになっている。

  • クリママ さん

    60歳になると蕨野へ行く。寒村の棄老。姑と若い嫁の対話で話が進んでいくが、はじめは方言を読み進められるのか心配だった。しかし慣れてくると、その方言がまるで相聞歌のようで、お互いへの深い愛情が伝わってくる。あまりにも厳しい生活、その中で生きるということ、死を受け入れるということ、そして、女性の幸、不幸について考える。読み終わってすぐ再読したのは、この本が初めて。私にとって、最も大切な1冊となった。

  • TOMIKA306 さん

    再読。お姑(ばば)よい。ヌイよい。と言うお互いの呼びかけから始まる二人の声はリズミカル。方言の語尾が古文のようでテンポがよく文章に引き込まれる。最初の数ページだけでもお互いを思いやる気持ちが溢れていてグッと来る。貧しい農村の姥捨の話なので重いところもあるけど仏様のようなレン(姑)に救われ、静かに穏やかに蕨野に浸れる。とにかくこの文体が好き。

  • FK さん

    深代川はおれだちワラビには約定の川にて、丸木橋は生死の境を敷切る橋なりか。朝は世に生まれる心地して里へくだり、夕にワラビ野むいて帰りくるときは、命果てて冥府へ参る心地せるなり。/このごとくして、朝に生を享け夕に死を授かるよな、奇妙なワラビの暮し始まりけるよ。(P.41) つまり、『楢山節考』のようにいきなり完全に家族たちと生き別れをするのではなく、徐々にそれを受け入れられるように、いわば時間稼ぎをしながら最終的な別れをしていくのだ。涙なくして読めない。しかしその涙した後に、私たちは考えなければならない。

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人物・団体紹介

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村田喜代子

1945年、福岡県生まれ。77年、「水中の声」で九州芸術祭文学賞最優秀作を受賞し、本格的な執筆活動に入る。87年、「鍋の中」で芥川賞を受賞、90年『白い山』で女流文学賞、92年『真夜中の自転車』で平林たい子賞、98年「望潮」で川端康成賞、2010年『故郷のわが家』で野間文芸賞、14年『ゆうじょこう』

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