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風よ あらしよ 上 集英社文庫

Yuka Murayama

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087445077
ISBN 10 : 4087445070
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2023
Japan

Content Description

【第55回吉川英治文学賞受賞】
【本の雑誌が選ぶ2020年度ベスト10第1位】

どんな恋愛小説もかなわない不滅の同志愛の物語。いま、蘇る伊藤野枝と大杉栄。震えがとまらない。
姜尚中さん(東京大学名誉教授)

ページが熱を帯びている。火照った肌の匂いがする。二十八年の生涯を疾走した伊藤野枝の、圧倒的な存在感。百年前の女たちの息遣いを、耳元に感じた。
小島慶子さん(エッセイスト)

時を超えて、伊藤野枝たちの情熱が昨日今日のことのように胸に迫り、これはむしろ未来の女たちに必要な物語だと思った。
島本理生さん(作家)

明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で三人の男と〈結婚〉、七人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺される――。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして二番目の夫でダダイストの辻潤、三番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を『青鞜』に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の大作。

[主な登場人物]
伊藤野枝…婦人解放運動家。二十八年の生涯で三度〈結婚〉、七人の子を産む。
辻 潤…翻訳家。教師として野枝と出会い、恋愛関係に。
大杉 栄…アナキスト。妻と恋人がいながら野枝に強く惹かれていく。
平塚らいてう…野枝の手紙に心を動かされ『青鞜』に引き入れる。
神近市子…新聞記者。四角関係の果てに日蔭茶屋で大杉を刺す。
後藤新平…政治家。内務大臣、東京市長などを歴任。
甘粕正彦…憲兵大尉。関東大震災後、大杉・野枝らを捕縛。

【著者略歴】
村山由佳(むらやま・ゆか)
1964年東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て作家デビュー。1993年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で直木賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、島清恋愛文学賞、21年『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞を受賞。

【著者紹介】
村山由佳 : 1964年7月東京都生まれ。立教大学文学部卒業。会社勤務などを経て、93年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で第22回柴田錬三郎賞、第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞を受賞。21年『風よ あらしよ』で第55回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • rico

    熱い。手の中で本が暴れてる。押さえつけても押さえつけても、大地を割るマグマのように溢れ出すエネルギーは誰にも止められない。伊藤野枝。激しすぎる。明治後期から大正期、しがらみも道徳も常識も蹴散らし、駆け抜けた。彼女を葬った人々は、これから彼女が起こしたはずの風に怯えたのだろうか。上巻は大杉との出会いまで。引き込まれ一気に読めるはずが、彼女の熱に気圧され、なかなか読み進められない。結末はわかってるから辛い。でも追いかけて行こう、最後まで。感想下巻で改めて。

  • mocha

    縁の地に住まいながら伊藤野枝氏のことを何も知らなかった。身の内に火の玉を持ち、逆風に抗い続けた短い生涯。満ち足りた現代に安穏と暮らす身では、ただただ凄いと思うばかりだ。上巻終盤に登場する神近市子の出生の地もまた、身近な片田舎だ。当時東京はうんと遠かったはず。彼女達の意志の力と行動力に驚嘆する。そして彼女達をそうまで惹きつけた大杉栄という人物についてもっと知りたくなった。ドロドロの五角関係を追いかけて下巻へ。

  • どぶねずみ

    以前に『村に火をつけ、白痴になれ』で初めて伊藤野枝のことを知った。本書はNHKドラマおよび映画の原作として、さらに伊藤野枝を深く知ることができる。以前はそれほど興味があったわけではないが、今なら尊敬できる人物だ。100年前から女性が女性らしく生きるための主張をされてきた方。納得できないことをなんとなく終わりにしない。これが我が儘なのか、ごもっともなことだと考えるかは人それぞれだが、私自身が上品な上流階級で育ったわけではないので、親近感を感じる。彼女の人生の結末を知っているだけに、読み終えて溜め息が溢れる。

  • のびすけ

    女性開放運動家、伊藤野枝の生涯。まだ女性の生き方に制約の多かった世の中。野枝の中に渦巻く情熱。辻潤、平塚らいてう、大杉栄との出会い。下巻へ。

  • ふみ

    最期を知っているヒロインの小説は読むのが辛いだろうな、と思ったがなかなかどうしておもしろい。伊藤野枝という人が思想家活動家というより生身の女として描かれていてよき。しかも男次第で変容するのが印象深い。また出てくる男が皆ダメ男というのもなんと申してよいのやら。やや古風に感じる文体は野上弥生子を思い出しました。

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