ペスト大流行 ヨーロッパ中世の崩壊 岩波新書

村上陽一郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784004202257
ISBN 10 : 4004202256
フォーマット
出版社
発行年月
1983年03月
日本
追加情報
:
18cm,192,4p

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読書メーターレビュー

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  • buchipanda3 さん

    14世紀の欧州で起きたペスト流行を取り上げたもの。感染状況だけでなく、流行後の社会動向などペストが残したものにも言及している。当時の文献から多数引用され具体的であり、また社会構造と照らし合わせながら歴史的考察として読み解くなど興味深い視点で分かり易く見解が提示されていた。病因の占星術論や地震説には驚かされたし、その後の鞭打ちの贖罪行動や差別は人々の動揺の大きさが窺い知れる。それらは後の幾つかの歴史事象への繋がりも見られると言う。未知のものにあたふたしているのはある意味現代も同じ。それが残すものが気になる。

  • 翔亀 さん

    【コロナ34】「チフスのメアリー」【コロナ33】と同じく科学史家による、こちらは1983年刊という古い本だが、やはりこのたび復刊された。日本語で読める中世の黒死病の本はあまりなく、他に宮崎揚弘「ペストの歴史」(2015)【コロナ7】ぐらいしかないが、本書は黒死病の歴史的な意味について見通しが良くこの分野の基本書といってよいだろう。科学史(医学史)のみならず経済史や文化史としても多くのヒントが埋め込まれている。小著ながら史料の原典を多く引用しつつ手際もよい。キリスト教やユダヤ人問題など様々な論点に触れなが↓

  • びす男 さん

    エボラウイルスがアフリカからヨーロッパ、アメリカに至り、世界中に伝播されつつある。70億を超えた人の密集と地球環境の変化、そして移動の活発化が、図らずも感染症の新しい時代の下地をつくりあげてしまった。かつてのヨーロッパ世界におけるペストの流行は、「感染症」という視点から時代を捉えるうえで多くの教訓を残している。噂が人心を煽り、理不尽な死を前に一種の「極限状態」が現出し、そこからむき出しの「時代精神」が浮き彫りになる。テーマを絞りつつも巨視的な記述が続く、興味深い一冊だった。あとで書評かきます。

  • Miyoshi Hirotaka さん

    世界人口が5億人未満の14世紀に大流行したペストにより、7千万人が死亡したと推計されている。病原体という概念が確立されていない時代だったが、流行し、伝染するという事実ははっきりしていた。一方、隔離概念が制度化されるには時間を要し、流行の終息期になってやっと導入された。しかし、これは、蔓延防止という名目の遺棄で、ユダヤ人弾圧を組織化する方向にも作用した。人の行動様式にも影響した。死を目の前にして刹那の快楽を求めるものと、厳しい贖罪に向かうものとに二極化。ペスト大流行は、精神的な熱狂と非寛容さの暴走を招いた。

  • 棕櫚木庵 さん

    1/3) 「今日でさえ,いったい何があのような激烈な流行を惹き起こすのか,また一体何が相応の犠牲者を要求したあとペストの流行を自然に終息へとむかわせるのか,という点に,明確な解答を与えることは難しい」(p.9).40年近く前に出された本だけど,今読み返しても,考えさせられることが多い名著だと思います.品切れでネット古書店では高値がついている.岩波さん,再販したら(“あざとい”って見られかねなくて嫌かな?).

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村上陽一郎

昭和11(1936)年東京に生まれる。東京大学教養学部教養学科科学史・科学哲学分科卒業、同学人文科学系大学院比較文学・比較文化博士課程修了。上智大学理工学部助手、助教授、東京大学教養学部助教授、教授、同学先端科学技術研究センター教授、同センター長、国際基督教大学教養学部教授、同オスマー記念科学特別教

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