氷の海のガレオン/オルタ ピュアフル文庫

木地雅映子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784861763557
ISBN 10 : 486176355X
フォーマット
出版社
発行年月
2006年11月
日本
追加情報
:
15cm,217p

内容詳細

斉木杉子、十一歳。自分の言葉を持つがゆえに学校に居場所のない少女は、「学校なんてなけりゃいい」と思った。そして、自宅の庭に生えるナツメの古木に呼びかける。時々、心にねじをまくように。ハロウ―(「氷の海のガレオン」)。ヤングアダルト小説ファンの間で「何度も読み返したくなる一作」として語り継がれてきた名作に、書き下ろしを加えて文庫化。

【著者紹介】
木地雅映子 : 1971年生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。93年「氷の海のガレオン」が第36回群像新人文学賞優秀作となり、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 海猫 さん

    小説としては荒削りな部分も多々感じるのだがむしろそこさえ魅力になっている。学校に馴染めない、皆に溶け込めない苦悩はさんざん味わったので主人公の杉子に大いに共感する。一方で反感というかやっかみみたいなのも感じてしまう自分もいる。私が味わった辛さは杉子程度のものではなく同級生、さらには担任の理不尽な暴力であったし人間の尊厳を根本から砕かれるものであった。オルタのように学校に行かなくてもいいと言ってくれる母親も存在しなかった。あそこは地獄でしかなかった。せめてあの時にこの本に出会えていればと。

  • めろんラブ  さん

    どの世代にも生きづらさを抱える人はいる。こと子供にとっては、居場所が限られている分、深刻さが増すのかもしれない。学校という共同体に疑問を感じたとき、どう考え、行動するのか。適応、妥協、離脱・・・。いずれを選ぼうと困難が付いて回る。せめて思いのままの感情を吐き出せる場がひとつでもありますように。今日この時も苦しみに打ちひしがれている子を、想う。かつての子供ができるのはただそれだけなのか。歯痒い。松本大洋の装画がこの上なく◎。

  • ちょろこ さん

    母親のバイブルでもあるような一冊。ちょっと違うだけですぐに円からはみ出してしまう子供の世界。あぁ、自然と対処法を身につけていった大人と違い子供はこんなにも生きづらさを感じるのか、と心が痛んだ。そしてそんな子供に真っ直ぐ向き合う母親たちの言葉に心が揺さぶられた。あぁ、なんてどっしりと構えた母親なんだろう。それこそ大木のようにどっしりと、まるごと包み込むような偉大さに涙が出た。生きづらさを感じている人にはもちろん、これは母親のためのバイブルでもあるのではないか…。忘れられない一冊。

  • ひめありす@灯れ松明の火 さん

    マイナークラブハウスのシリーズが好きなので、作者の学校嫌いは知っている。おーい、みんな、学校に気をつけるんだぞ!と言われると、まあ行かなくてもいいけれど、行ける時には行っといた方がいいかなあとも思う。氷の海(これがつまり学校なんだ)をガリオン船で砕きながら、凍りつかないように戦っている杉子。氷を砕く事を諦めて、海の中を悠々と泳ぐことを選んだ鯱のオルタ。他人と自分が違うのはそりゃ仕方がない。でも、違う人達を見下して排除するのはもとちょっと違うって思う。その子達はその子達なりの必死さがあるんだって今の私は思う

  • くぅ さん

    姉選書より。学校って行く意味ある?なんのために?クラスメイトとあわないんだけど…。…そんな子供やそれを見守る家族はこれを読んだらわかるわかる!があるかも。普通ってナニ?って大人になった私も未だに思う。でも確かに皆んな普通じゃないしそれでいいじゃんって思えるようになったのは大きいかも。これから先、息子はどう成長するかな。学校が楽しいって言うかもしれないし、行きたくないって言うかもしれない。でもどうなったとしても一緒に楽しんだり一緒に悩んだり一緒に考えたりしたいし、どんなときも尊重したいな。

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人物・団体紹介

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木地雅映子

1971年石川県生まれ。作家。日本大学芸術学部演劇学科卒業。1993年「氷の海のガレオン」(群像新人文学賞優秀作)でデビュー

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