笑い三年、泣き三月。 文春文庫

木内昇

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167900939
ISBN 10 : 4167900939
フォーマット
出版社
発行年月
2014年05月
日本
追加情報
:
510p;16

内容詳細

昭和二十一年、浅草の劇場・ミリオン座に拾われた万歳芸人の善造、活字好きな戦災孤児の武雄、万年映画青年の復員兵・光秀。年齢も境遇も違う三人と財閥令嬢を自称する風変わりな踊り子のふう子は、共同生活を始める。戦争で木端微塵になった夢や希望を取り戻しながら、戦後を生き抜く人々を描く傑作長編。

【著者紹介】
木内昇 : 1967年、東京生まれ。出版社勤務を経てフリーランスとなり、インタビュー雑誌を主宰する。2004年、『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。2008年に発表した『茗荷谷の猫』で注目される。2009年、第2回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。2011年、『漂砂のうたう』で第144回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KAZOO さん

    久しぶりに木内さんの小説を読みました。原田さんのように結構有名な人を主人公にした作品も好きなのですが、木内さんのように市井の人々の日常を面白おかしく描いた小説も大好きです。しかも終戦後の浅草ロックで生業を立てていたここに出てくる人々は本当に憎めない人物ばかりです。このような生活をしていた人々が数多くいたということも今では信じられないことです。

  • はたっぴ さん

    『茗荷谷の猫』で感じた伝統美を残しつつ、装丁の斬新さを裏切らない長編作品。戦後の浅草の劇場を舞台に、漫才芸人や踊り子達の共同生活が始まる。戦後のないない尽くしの日々、善造やふう子のように人の良さを惜しげもなく振りまく人とそれを毛嫌いしてバカにする人々。悪玉のような光秀も戦争を生き抜いた図太さを全開にして強烈な個性を発揮している。善玉の善造、ふう子もその心意気は全くぶれることがない。戦災孤児となった武雄を温かく見守る人々の不器用な愛情も微笑ましく感じるほどだった。未来を期待させる終わり方も良く大満足の一冊。

  • naoっぴ さん

    あー楽しかった!空襲で焼けた戦後の東京・浅草を舞台に、ミリオン座という小劇場を立ち上げ、お笑いとエロに奮闘し再生していく物語。のっけから滑稽な文章が次々繰り出され、木内昇さんはこんなものも書くんだという驚きと共にあまりの楽しさにすぐに物語に入り込んだ。何があろうと生き抜く力強さに元気づけられ、何度踏まれても立ち上がる勇気に胸震えた。キャラの滑稽さや間の取り方の可笑しさに笑っていると、不意打ちのように切ない感動がふってきて涙がこぼれてくるような、まさに笑ったり泣いたりの人情味溢れる喜劇。幸せな読書だった。

  • ふじさん さん

    戦後の浅草を生き抜いた愛すべき人たちの波瀾万丈の人生を綴った物語。昭和21年、浅草の劇場・ミリオン座に拾われた万歳芸人の善造、活字好きな戦災孤児の武雄、万年映画青年の復員兵・光秀、年齢も境遇も違う3人と財閥令嬢を自称する風変わりな踊り子のふう子は奇妙な共同生活を始める。戦争で成し得なかった夢や希望を叶えるためにそれぞれが奮闘する日々が続くが、時代の流れはそれを簡単には叶えてはくれない。様々な思いを胸に、互いを思いやり戦後を逞しく生き抜く人々の姿は心を打たれる。今までの木内昇の作品とは一味違う作風の作品。

  • nico🐬波待ち中 さん

    たっぷり笑ってたっぷり泣いた!表題の通り、人を泣かせることは簡単なのに笑わせることがこんなにも難しいなんて!戦後の浅草小劇場「ミリオン座」に、頓珍漢な万歳芸人、小生意気な戦災孤児、浅はかで口の悪い復員兵、自称財閥令嬢の踊り子…とバラエティに富んだ面々が集まった。嘘で周りを固め得体が知れない奴らだけれど、みんな劇場を盛り上げて食べていくのに必死だ。みんな戦死したのに何故自分だけ生き残ったのか…生きてる方が辛い…と時に落ち込むこともあるけれど、行くべき道を見つけたみんな!どうか笑って生き抜いていってほしい!

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木内昇

1967年生まれ。出版社勤務を経て独立し、インタビュー誌「Spotting」を創刊。編集者・ライターとして活躍する一方、2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。08年に刊行した『茗荷谷の猫』が話題となり、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。11年に『漂砂のうたう』で直木賞を受賞。13年に刊

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