プロメテウスの火 始まりの本

朝永振一郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784622083542
ISBN 10 : 462208354X
フォーマット
出版社
発行年月
2012年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
271p 19cm(B6)

内容詳細

ノーベル賞物理学者が原子力を中心に科学の「原罪」を説き、進むべき道を模索する。

目次 : 1 プロメテウスの火(暗い日の感想(一九五四)/ 人類と科学―畏怖と欲求の歴史(一九七二)/ 物質科学にひそむ原罪(一九七六)/ 科学と現代社会―問題提起(1975))/ 2 原子力と科学者(科学と技術がもたらしたもの―原子力の発見(一九六九)/ 新たなモラルの創造に向けて―科学と人類(一九七五)/ パグウォッシュ会議の歴史(一九六二)/ 核抑止を超えて(湯川・朝永宣言)(1975))/ 3 科学技術と国策(座談会 日本の原子力研究をどう進めるか(一九五四)/ 座談会 日本の原子力研究はどこまできたか(一九五四)/ 座談会 科学技術振興と科学の役割(一九五九))

【著者紹介】
朝永振一郎 : 1906‐1979。東京に生まれる。京都帝国大学理学部卒業後、理化学研究所研究員を経て、東京文理科大学教授、東京教育大学教授、同大学学長を歴任。「超多時間理論」「くりこみ理論」などの世界的業績を遺した。1965年度ノーベル物理学賞受賞。『量子力学1・2』(1952、みすず書房)をはじめとする明晰かつ独創的な教科書や解説、あるいは『鏡の中の物理学』(1976、講談社学術文庫)、『物理学とは何だろうか上・下』(1979、岩波新書)などの優れた科学啓蒙書の著者としても知られる

江沢洋 : 1932年、東京に生まれる。1960年東京大学大学院数物系研究科修了。東京大学理学部助手。1963年米・独に留学。1967年帰国。学習院大学助教授、1970年教授、2003年名誉教授。理学博士。専攻理論物理、確率過程論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • やまやま さん

    みずず書房の「始まりの本」シリーズの一冊である。著者の朝永氏の科学観のうち、特に原子力の利用についてのエッセイを編者江沢氏が選んだものである。日本学術会議の騒動を見ると過去とは思えなかった。座談会の中では科学技術庁長官中曽根氏も参加して岩波の「科学」に掲載されたものもあり、当時から科学者と政治家の間に意思の疎通がないことが示される一方で、技術者と科学者の連携も厳しく、軍事関連研究においては個人的な価値観や思想の尊重をむしろ大学や学術界が踏みにじっているのではと、現在でも反復される論戦が展開される。

  • roughfractus02 さん

    効率主義は、稀に起こる事象の影響の大きさを予測可能にもかかわらず、起こる確率はないものとして扱う。本書は、著者達が努力した原子力基本法の三原則(民主、自主、公開)が改悪される東日本大震災時の原発事故の翌年、1950年代の原発開発に関する著者ら科学者と中曽根康弘ら政治家との座談を含む表題のような「原罪」の記録として編まれた。湯川が正力一族主導の原発推進に反対し、著者らは原発の独自開発を主張するが、海外輸入が政治決定され、科学者が関連組織から辞任する経緯も記されている。バグウォッシュ会議の歴史も概説も簡明だ。

  • くまこ さん

    人類に火を与えたことによりゼウスの怒りをかい、ハゲタカに内臓を啄まれるプロメテウスをイメージして読んだ。基礎科学の研究という視点から、国策に引きずられていく原子力行政への不安を述べている朝永先生が、責め苦にもがくプロメテウスと重なった。中曽根康弘氏も加わった座談会の記事は資料として価値があると思うが、総じて掘り下げが浅く、読み応えはあまり無い。原発問題そのものではなく、原子力に携わった一人の科学者の葛藤がテーマだと思う。

  • 黒豆 さん

    自然法則を「知る」から「使う」へ、自然の法則を見つけ出すため自然に働きかけ人工的に変えてやらなければならない。そういうふうにして得られた原子力のようなものの影響力の巨大さを実感、ラッセル・アインシュタイン宣言、そして政治や国の事情を排除した1957年から始まったパグウォシュ会議における平和利用に向けた概要が記されている。会議は今も行われており直接何かを決めているわけではないが、核拡散防止条約や生物兵器禁止協定の締結に影響力を持っている。また、原発必須が前提の議論になっている。

  • くるた さん

    第1章の、科学者が常に持ち続けるべき原罪意識の部分は心に沁みました。第2〜3章は私には結構難しかった。特に原子力発見の説明の所なんかは、一応目で追ってはいるものの全く頭に入ってこない…。科学というものの扱いについて、純粋に理論を研究するのか、先に具体的な利用目的があって最短距離でそこに至ることを目指すのか。「で、それ何の役にたつの?」とは言わない人間でありたいと思います。原発の初期の初期、科学者たちは未来をどうみていたのかを今読むことには意義があると思う。結構ちゃんと慎重だったんですね。科学者は、ね。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

物理・科学・医学 に関連する商品情報

おすすめの商品