山河寂寥 ある女官の生涯 下 文春文庫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167224295
ISBN 10 : 4167224291
フォーマット
出版社
発行年月
2002年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,366p

内容詳細

藤原一族全盛の礎は築かれた。定省というみめよい養子を得た淑子は息子への愛情にかまけはじめる。しかし清和帝が譲位し、相次ぐ帝位の移り変わりに、宮中でいずれおとらぬ実力者となった淑子、高子、基経らは血類で野心を剥き出しにする。天変地異が続き揺れ動く都で、光孝帝が崩御し淑子の夢がかなう日がきた。

【著者紹介】
杉本苑子 : 大正14(1925)年、東京に生れる。文化学院卒。昭和38年「孤愁の岸」で第48回直木賞受賞。53年「滝沢馬琴」で吉川英治文学賞、61年「穢土荘厳」で女流文学賞を受賞。平成7年度文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケロリーヌ@ベルばら同盟 さん

    数多の優れた歴史物語を世に送り出された杉本苑子氏は、藤原氏が登場する自作群を年代順に並べる中で、九世紀半ばから十世紀初頭にかけてが空白である事が気にかかっていたと、この作品のあとがきで記されている。皇后明子の父、新帝清和の祖父として、摂政・太政大臣・従一位と、位人臣を極めた藤原良房。四方八方に蔓を伸ばし、絡みついた木の精力を貪欲に吸い付くし繁茂してゆく藤原氏の血みどろの歴史を女官という立場でつぶさに見つめ、自身の手も返り血に染めた藤原淑子がその欠落を埋めた。雅な王朝の硲に吹き荒ぶ風の音と荒野に落ちる陰。

  • 巨峰 さん

    女官藤原淑子が主人公の平安朝前期が舞台の政治小説。淑子が養子の定省王を帝位に就けるくだりの政治力は胸をすくほど。史実にかなり忠実で、王朝ロマン的なものには欠けるが、平安時代に興味がある人は読むべき小説のひとつだとおもう。それ以外の登場人物として在原業平、菅原道真、藤原基経ら

  • とりあえず… さん

    政治家や経済界の重鎮はよく戦国武将や幕末の志士の生き様に影響を受けるようだが、平安時代のもの、読めばいいのに、と思う。平安貴族の皆さま、歌を詠み、勺をもって「オホホ」とやってるだけではないのですよ。巧妙な策略の上に成り立っていく藤原一族の栄華。その策略たるや!女性が一戦士として暗躍することが何より痛快!武よりも策の時代ですね。

  • kaoriction@本読み&感想リハビリ中 さん

    恐るべし藤原一族。昼ドラ的にドロドロな一族見たり。定省を養子に得て、切れ者の女官から一転、息子への愛情にかまけ始め「母親」に成り下がる淑子。が、相次ぐ帝位の移り変わりの中、いずれ劣らぬ実力者となる。三代の帝を支えた基経の手腕には平伏。藤原一族全盛の所以、したたかさ、張り巡らされる策の数々に巡る災厄。平安絵巻などに見る流麗な世界はどこぞに? 心安らかに過ごした人はどれだけいたのか。「一人で歩き続きけてきた」淑子のそんな最期の言葉が全てを物語る。「悔いはない」とは言ったが、果たして、幸せではあったのかしらね…

  • エドワード さん

    さて下巻。藤原良房の死後、基経と淑子は協力して精神に変調をきたした陽成天皇を退位させ、老齢の光孝天皇を立てることに成功する。しかし光孝天皇の皇位継承をめぐって兄妹は激突、光孝天皇の実子で淑子の養子となった定省が皇位を継承し宇多天皇となる。このように紆余曲折を経ながらも、藤原北家は天皇家と密接に結びついて摂関政治を通じて権力を握る。肉親の間でも着かず離れず、菅原道真の追落しには協力するところがすさまじい。女性の視点から描かれる物語は、政治と無縁の恋はない、と語っているようだ。

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