仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実 文春新書

春名幹男

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784166610532
ISBN 10 : 4166610538
フォーマット
出版社
発行年月
2015年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
269p;18

内容詳細

「アメリカが日本を守ってくれる」幻想を打ち砕く、衝撃の米外交機密文書の数々

 日本領海・領空に軍事的侵入を繰り返す中国。核ミサイル小型化を進める北朝鮮……でも、日米安保があるからアメリカが守ってくれる。日米同盟をより強化するために、安保法制を整備しなくてはならない……これが安倍政権の論理である。
 だが、それは「美しい誤解」にすぎない、と著者は主張する。なぜなら新ガイドライン(今年4月改訂)の原文や、著者が大量に発掘した米外交機密文書によると、日本が武力攻撃を受けた場合、アメリカが主体的に血を流す気などさらさらないことがわかるからだ。
 たとえば、
新ガイドラインの日本語訳には、日本が武力攻撃を受けた場合、「米軍は(中略)打撃力の使用を伴う作戦を実施することができる」とある。最後の「できる」の部分は、英語の原文では「may」となっており、「してもよい」「する可能性がある」のレベル。この他にも日本政府は作為的かつ重大な「誤訳」を数多く積み重ね、あたかも米軍が率先して日本防衛にあたってくれるかのようなムードを広めている。
尖閣問題で、アメリカは中立 

【著者紹介】
春名幹男 : ジャーナリスト・早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース客員教授。1946年、京都市生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学)卒業後、共同通信社入社。ニューヨーク特派員、ワシントン支局長、特別編集委員などを歴任。在米報道歴12年。1994年ボーン・上田記念国際記者賞、2004年日本記者クラブ賞受賞。2007年から10年まで名古屋大学教授を務めたほか、外務省「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」委員も歴任。専門はアメリカ政治、情報機関、安全保障(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • matsu04 さん

    米軍は本当に日本を守ってくれるのか?著者は、多くの日本人が疑わないこの点を詳細に検証し、集団的自衛権行使容認の大前提として安倍首相が主張してきた論理がそもそも成り立たないと主張する。そしてその背景にはやはり、外務省による意図的な情報操作が垣間見えるとする。ううむ…。沖縄返還の裏側も知っておく必要あり。

  • 勝浩1958 さん

    明日は米側にとっては「リメンバー・パールハーバー」の日。そのアメリカが日本を守ってくれていると日本人は今でも信じています。でも実際はそうではないらしい。このことに関してマスコミは大々的に大問題として取り上げてきたのか、私は詳しくは知らない。大方の日本人はやはり、沖縄をメインに日本の各所にある米軍基地に配備された飛行機や軍隊によって私たちは守られているのだから、米側への”思いやり予算”は仕方ないものと考えています。日本の政府もアメリカが日本を守ってくれると信じているのか、それともいつもの隠蔽か騙しか?

  • まみか さん

    1972年という年にやはり深いものを感じました。原発が乱立しだしたのも、赤字国債発行が増えてきたのも、日中国交回復もこの辺り。プラス沖縄返還にもこんな裏取引が隠されていたとは…。春名さんと違い『日本は米国に見捨てられる』体で読んでいくと…本当に怖い一冊。冷厳なる国と国とのやり取りに絶句し、また納得。まずは知れてよかった。

  • makio37 さん

    まさに「逃げるアメリカ、前のめりの日本」だ。米機密文書が示すのは、在日米軍が日本防衛のためではなく、韓国・台湾・東南アジアの防衛のために駐留しているという事実。日本の防衛は「日本自身の責任」だと。そして新『ガイドライン』の日英両言語版を突き合わせることで見えてくるのは、「自衛隊の対応については、より消極的に」「米軍の対応はより積極的に」曲げられた、日本側による悲しいまでに作為的な翻訳。はじめの2章分だけで、安保法制に関する安倍氏の説明は木っ端微塵に吹き飛ぶ。

  • ふぁきべ さん

    米国の機密文書や日米の外交文書を紐解きながら、日米同盟について切り込んでいく。結論から言うと、アメリカの日本駐留はあくまで日本の地政学的な価値を考えた駐留で、日本を主体的に守る気はないということ。それは春名氏が機密文書や外交文書のソースを捏造したり曲解していない限り、間違いないように思う。沖縄返還時の話にページを割いているが、その当時のやり取りを見ているとアメリカの日本駐留は日本の軍事的な抑え込みも主目的の一つだったという印象を強く感じる。

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