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明石海人歌集 岩波文庫

明石海人

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003119013
ISBN 10 : 4003119010
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
村井紀 ,  

Content Description

明石海人(1901‐39)は25歳のときハンセン病と診断される。病が進行していく中、表現者としての研鑽を昇華させて数年の間に秀逸な短歌を残した。「もし長寿を保ったなら、昭和時代を代表する大歌人となったろう」(大岡信)といわれる才能は、隔離された生活の深い絶望を超えて、歌集『白描』をはじめとする文学性豊かな作品を生み出した。

目次 : 歌集 白描(白描/ 翳)/ 白描以後(よろこび/ 越冬/ 花咲き花散る ほか)/ 翳2(妻/ 療養所/ 協奏曲など ほか)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 1.3manen

    冬で、図書室の 灯は高く 更くる夜の 玻瑠戸の闇を 氷雨降りつぐ(72頁)。慰問品で、世の中の いちばん不幸な 人間より 幾人目位に ならむ我儕(われら)か(97頁)。病閑で、猫のごと あさく眠りて 朝々の 足音ばかり 選り好みする(225頁)。図書室、慰問品、猫というテーマに反応した次第である。

  • 松本直哉

    「在るまじき命を愛(を)しくうちまもる噴水(ふきあげ)の水は照り崩れつつ」癩病の宣告直後のこの歌は噴水の崩れる姿に自らのやがて崩れゆく容貌を重ねあわせるかのようだ。自らの病の進行を荘厳な古風な調べで歌い上げる前半と、繊細でときに超現実主義的な後半が対照的。らい予防法から強制隔離に至る時代に、歌人として名声の上がる中で、自らの意思と関係なく、癩者を代表する者として歌う立場に置かれつつ、それと背馳する抒情の世界を同時に追求しようとする歌人の苦悩と矛盾が行間から垣間見える。

  • テイネハイランド

    図書館本。穂村弘さんがこの本を紹介していたので本書を知りました。ハンセン病進行の中読まれた短歌の数々は、壮絶な内容のものも含まれていますが、不思議にそれを読むことで受け取り手である読者にも救いをもたらす効果があり、とても気に入りました。手元に置きたくなりましたが、2012年の発売なのに早くも版元では品切れなのが惜しまれます。「送り来し父が形見の綿ごろもさながらにして合ふがすべなさ」「癩に住む島に盲ひて秋一日替へしたたみをあたらしと嗅ぐ」「シルレア紀の地層は沓きそのかみを海の蠍の我も棲みけむ」

  • 愛玉子

    「深海に生きる魚族のやうに、自らが燃えなければ何処にも光はないー」芸術とスポーツを愛し、家族にも恵まれた青年教師を襲ったのは、当時不治の病とされ忌み嫌われていたハンセン病だった。絶望と恐怖、怒り、正直前半の『白猫』は読むのが辛いほどの慟哭だが、後半の『翳』になると、その研ぎ澄まされた感覚に心奪われる。「銃口の揚羽蝶(あげは)はつひに眼じろがずまひるの邪心しばしたじろぐ」「そんなことちつともないと言ふ貌に半透明な心臓がのぞく」「たましひの寒がる夜だ眠つたらそのまま地獄に堕ちてしまふ夜だ」

  • シンドバッド

    全く未知の歌人であった。村井紀の解説を先に読んだので、深めることができた。ハンセン病患者の作品は、数冊読んでいたが、一人の歌集を読むのこは初めて。病を殊更にする必要は無いものの、深い悲しみを感じる。

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