散歩が仕事 文春文庫

早川良一郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167900861
ISBN 10 : 4167900866
フォーマット
出版社
発行年月
2014年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
300p;16

内容詳細

大イビキをかく愛犬チョビ、モンチャンというあだ名の奥さん…定年後やることがないと思っていた日々は思いのほか楽しい。「ヌカ味噌くさい女房のくせにヌカ味噌はへただね」と憎まれ口を叩きながらも、その生活からは小さな幸福が零れ落ちてくる。洒落たユーモアの中に昭和の記憶が香り立つ名エッセイ。

目次 : 邪魔者/ アッハッハ/ アルチンゲール/ 呵々大笑/ マルセイユ/ 老いについて/ 三種の神器/ 馬も歩けば/ ゴーイング・マイ・ホーム/ 帰らざるサラリーマン〔ほか〕

【著者紹介】
早川良一郎 : 1919(大正8)年、東京生まれ。麻布小学校から麻布中学へ。中途でロンドン大学へ行く。日本大学文学部卒業。兵隊、海洋少年団本部を経て、経団連事務局に勤める。79年に定年退職。74年、初めての著作『けむりのゆくえ』で第22回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 優希 さん

    面白かったです。著者の定年退職後の日常をユーモラスに語っています。ちょっとおとぼけた味わいがあり、短いエッセイながらも奥が深いなと思います。とても洒落っ気があって素敵なおじいさんの日々が心に染み入りました。健康で、お金に少しの余裕があって、好奇心を忘れない。それが定年後の生活を楽しく送る秘訣なのかなと感じました。

  • アキ さん

    大正生まれ、戦争も経験し、サラリーマン定年後に「散歩が仕事」になった頃のエッセイ。まるで今ありありと情景が浮かぶような淡々とした端正な文章。そして数ページの中に人生を振り返り、じわりとした悲哀をさらりと書いている。よく磨かれたパイプ、イタリー製ツイードハット、渋谷のハチ公の尻尾を踏んだ話、鉄道馬車がポカポカ走っていた銀座の街、満州の赤い夕日、松葉杖の女と結婚した友人、麻布尋常小学校、戦後の女性の脚線美、戦前から戦後の日本を新鮮な気分で読み終えた。さまざまな記憶をもった著者もいまはもうあの世なのである。

  • 小梅 さん

    タイトルが気に入り購入した本。大正8年の戦前生まれの作者のエッセイ。ハチ公のシッポを踏んづけちゃったって…主人を待って渋谷の肉屋の前で寝そべってたハチ公と会っていたってのが凄いな。ほのぼのとしたエッセイでした。

  • seacalf さん

    これは当たり。退職後の話メインだが不思議ととりこになる。今となっては時代錯誤な意見もあるし、けっこうお好きらしくて艶っぽい話も多い。才気走った切れ味はないけれど、のほほんと呑気な人柄がよく伝わってくる文章がとてもいいのだ。火事では119番ではなく望楼が活躍、和服のガソリンガール、客席に湯たんぽや毛布を備えていたタクシー、軍隊時代の防寒手套、ベレ帽、5円金貨、自転車の話、拾ってみると結構面白い話が多かった。交友関係が広い方らしく、友人達のエピソードにも事欠かない。今はなかなかお目にかかれない文章を味わえた。

  • じいじ さん

    「散歩が仕事」のタイトルに惹かれて購入。経団連を定年退職後に書かれたエッセイ。散歩の合間に見たモノ、訊いたモノ、昔の想い出が・・エスプリのきいた文章で綴られる。オクさんは月給の無い生活になったら、著者を尊敬しなくなったそうです。「女房というのは月給を愛する種族」と述懐。そして、初恋の想い出も・・、会えば一緒に一緒にあん蜜を食べる彼女?の話も登場。好きなオカズを食べるのは最初か?最後か?。時折、ユーモアあふれる下ネタ話が顔を出す。思わず頬が緩むお話満載です。時には小説を離れて、笑えるエッセイはいいですよ。

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