ジュリアード弦楽四重奏団創立75周年アニヴァーサリー・リリース。
空前の第1回バルトーク&シェーンベルク全集を含む、20世紀のカルテット史を塗り替えた
ジュリアードの原点がここに。
完全生産限定。1946年にニューヨークのジュリアード音楽院の校長だった作曲家、ウィリアム・シューマンの提唱により、ジュリアード音楽院の教授らによって結成されたジュリアード弦楽四重奏団。その目的は同音楽院での教育目的だけではなく、演奏会を通じて「スタンダードなレパートリーを生き生きと演奏しつつ、優れた同時代作品を見出し、古典作品に対してと同じ畏敬の念をもって取り上げる」というものでした。ニューヨークでのデビュー演奏会以来、特に近現代音楽を得意とする弦楽四重奏団として、ベルク、バルトーク、シェーンベルクの音楽(ベルクやバルトークが亡くなって数年、シェーンベルクはまだ健在)、ウィリアム・シューマンなどのアクティブなアメリカの現代作曲家の音楽を積極的に取り上げ、現代音楽の理解者として認められ、精密な楽譜の理解をベースに繰り広げる精緻かつ鮮烈な演奏は、第2次大戦後の弦楽四重奏団という芸術形態に新たな方向性を示したのでした。
ここに収録された録音は、1949年から1956年まで、ジュリアード弦楽四重奏団の活動最初期の7年間にコロンビア・レコードから発売されたLP16枚分の録音を、アメリカ初出盤のカップリングで再発するもので、15枚分がオリジナルマスターからの世界初CD化となります。
コープランド、ウィリアム・シューマン、インゴルフ・ダール、ヴァージル・トムソンら当時最先端だったアメリカの作曲家の作品が大きくフィーチャーされているのは当然のこととして、このボックスのハイライトは何と言っても1949年のバルトークの弦楽四重奏曲全曲の世界初録音と、1951〜52年のシェーンベルクの弦楽四重奏曲全曲のLP初録音の2つの金字塔でしょう。さらにベルクの『抒情組曲』に代表される新ウィーン楽派、ラヴェルの弦楽四重奏曲など、いずれもその後のジュリアードの鉄壁レパートリーとなった作品の原点ともいえる演奏が収録されています。
いずれもニューヨークのコロンビア30丁目スタジオで制作され、ダイレクトかつ生々しい再生音がジュリアード弦楽四重奏団ならではの精緻かつ骨太の演奏の魅力を伝えています。16枚のうち15枚分のLPが、今回オリジナル・アナログマスターから、24ビット/192kHzテクノロジーによってリマスターされ、世界初CD化となります。各ディスクは、アメリカ初出盤のオリジナルLPジャケット・デザインを使用した紙ジャケットに収納され(カップリングは初出LPを再現しているため、ジュリアード弦楽四重奏団以外の演奏も収録されています)、厚紙製クラムシェル・ボックスに収容されます。オールカラーブックレットには、詳細な録音データを含むトラックリストなどが掲載されています。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1
● ミヨー:子供と母のカンタータ
マドレーヌ・ミヨー(ナレーター)
レオニード・ハンブロ(ピアノ)
ジュリアード弦楽四重奏団
ダリウス・ミヨー(指揮)
録音:1950年3月16日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
● 家庭のミューズ Op. 245
ダリウス・ミヨー(ピアノ)
録音:1945年12月31日
Disc2
● バルトーク:弦楽四重奏曲第1番 Sz.40
● バルトーク:弦楽四重奏曲第2番 Sz.67
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1949年5月11,13日(第1番)、3月18日(第2番)、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc3
● バルトーク:弦楽四重奏曲第3番 Sz.85
● バルトーク:弦楽四重奏曲第4番 Sz.91
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1949年5月11日(第3番)、8月17日(第4番)、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc4
● バルトーク:弦楽四重奏曲第5番 Sz.102
● バルトーク:弦楽四重奏曲第6番 Sz.114
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1949年5月18&22日(第5番)、5月13日(第6番)、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc5
● ベルク:抒情組曲
● ラヴェル:弦楽四重奏曲 M.35
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1950年4月19日(ベルク)、1951年2月13日(ラヴェル)、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc6
● コープランド:クラリネット、ピアノと弦楽四重奏のための六重奏曲
デイヴィッド・オッペンハイム(クラリネット)
レオニード・ハンブロ(ピアノ)
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1951年7月30日&8月1日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
● エリス・コーズ:ヴィオラと弦楽九重奏のための室内協奏曲
フェレンツ・モルナー(ヴィオラ)
ストリング・ノネット
録音:1951年5月10日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc7
● ウィリアム・シューマン:弦楽四重奏曲第4番 (1950)
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1951年4月6,20日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
● インゴルフ・ダール:クラリネット、ヴァイオリン、チェロのための3声の協奏曲
ミッチェル・ルーリー(クラリネット)
エウディス・シャピロ(チェロ)
ヴィクター・ゴットリーヴ(チェロ)
録音:1950年12月6,15日、ハリウッド、ラジオ・レコーダーズ・スタジオ
Disc8
● シェーンベルク:弦楽四重奏曲第1番 Op.7
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1951年5月3,8日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc9
● シェーンベルク:弦楽四重奏曲第2番 Op.10
● シェーンベルク:弦楽四重奏曲第3番 Op.30
ジュリアード弦楽四重奏団
ウタ・グラーフ(ソプラノ:第2番)
録音:1951年5-6月(第2番)、1951年6月12,13日&1952年7月10日(第3番)、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc10
● シェーンベルク:弦楽四重奏曲第4番 Op.37
● ヴェーベルン:5つの楽章 Op.5
● ベルク:弦楽四重奏曲 Op.3
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1952年5月16,22日&7月30日〜8月1日(シェーンベルク)、1952年8月1日(ヴェーベルン)、1952年7月31日(ベルク)、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc11
● レオン・キルヒナー:弦楽四重奏曲第1番
アメリカン・アート弦楽四重奏団
録音:1952年7月15日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
● アーヴィング・ファイン:弦楽四重奏曲 (1952)
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1953年5月20日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc12
● ピーター・メニン:弦楽四重奏曲第2番
● アンドリュー・インブリー:弦楽四重奏曲第1番変ロ長調
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1952年4月17,18日、1952年2月14日&3月21日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc13
● モーツァルト:弦楽四重奏曲第20番ニ長調 K.499『ホフマイスター』
● モーツァルト:弦楽四重奏曲第21番ニ長調 K.575『プロシャ王第1番』
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1953年5月25,26日、1953年4月27,28日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc14
● ヴァージル・トムソン:弦楽四重奏曲第2番
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1954年2月23,24日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
● ウィリアム・シューマン:ピアノのための5つの小品『旅(ヴォヤージュ)』
ベヴァリッジ・ウェブスター(ピアノ)
録音:1954年6月9日&9月23日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc15
● アレクセイ・ハイエフ:弦楽四重奏曲第1番
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1954年4月5日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
● バーバー:隠者の歌 Op.29
レオンティーン・プライス(ソプラノ)
サミュエル・バーバー(ピアノ)
録音:1954年11月19日、ニューヨーク
Disc16
● ルーカス・フォス:弦楽四重奏曲第1番
アメリカン・アート弦楽四重奏団
録音:1957年3月30日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
● ウィリアム・バーグスマ:弦楽四重奏曲第3番
ジュリアード弦楽四重奏団
録音:1956年5月28日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
ジュリアード弦楽四重奏団
ロバート・マン(ヴァイオリン)
ロバート・コフ(ヴァイオリン)
ラファエル・ヒリヤー(ヴィオラ)
アーサー・ウィノグラッド(チェロ)
録音方式:モノラル(セッション)