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極端豪雨はなぜ毎年のように発生するのか 気象のしくみを理解し, 地球温暖化との関係をさぐる

川瀬宏明

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784759816891
ISBN 10 : 4759816895
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

数十年に一度という極端な豪雨は、なぜ頻発するようになったのか。本書ではまず、直近10年の豪雨災害を振り返り、その発生状況を整理する。そのうえで、気象のメカニズムをやさしく説き起こし、豪雨をもたらす要因、線状降水帯や台風と豪雨の関係などまでを解説。また、しばしば豪雨との関係がささやかれる地球温暖化の現状に加え、豪雨への影響を評価する、イベント・アトリビューションによる最新研究を紹介する。気象情報を上手に活用し、豪雨にどう備えればよいかがわかる1冊。

目次 : 第1章 21世紀はじめに発生した豪雨を振り返る(気象庁が命名する豪雨/ 九州から東北まで広がった「令和2年7月豪雨」 ほか)/ 第2章 豪雨はなぜ発生するのか?(雨のもとになる水蒸気/ 水蒸気が水や氷になるためには ほか)/ 第3章 豪雨をとらえる(雨の状況を把握する―アメダスと気象レーダー/ 雨量計の観測と気象レーダーの融合―解析雨量 ほか)/ 第4章 進む地球温暖化(似ているようで異なる気候と気象/ 地球温暖化とは ほか)/ 第5章 近年の豪雨は地球温暖化のせいなのか?(異常気象とは/ イベント・アトリビューション ほか)

【著者紹介】
川瀬宏明 : 1980年生まれ。2007年、筑波大学大学院生命環境科学研究科地球環境科学専攻修了。海洋研究開発機構、国立環境研究所などを経て、現在、気象庁気象研究所応用気象研究部主任研究官。博士(理学)。気象予報士。専門は気象学・気候学、雪氷学。2019年度日本雪氷学会平田賞、2020年度日本気象学会正野賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    「数十年に一度の豪雨」は毎年起こり、土砂崩れや河川氾濫による犠牲者も増えている。21世紀になって頻発する異常気象と地球温暖化との関連が問題視され、今年は初めて気象科学にノーベル賞が贈られた。しかし気象庁研究官である著者は、厳密な科学的判断で単純な温暖化悪玉説を否定する。地震と異なり気象の変化は正しい知識があれば予測できるものであって、地球の自然のゆらぎによる豪雨発生の理由とメカニズムを明らかにする。専門的でわかりにくい部分もあるが、発展途上にある気象学を一般に広く理解してもらおうとの意思がみなぎっている。

  • 香菜子(かなこ・Kanako)

    極端豪雨はなぜ毎年のように発生するのか: 気象のしくみを理解し、地球温暖化との関係をさぐる。川瀬 宏明先生の著書。海洋研究開発機構、国立環境研究所などを経て、現在、気象庁気象研究所応用気象研究部主任研究官である川瀬 宏明先生。地球温暖化と豪雨の関係は誰もが当然だと考えていることだけれどそれを改めて検証している。地球温暖化による異常気象を止めないと人類の未来は暗い。地球温暖化と豪雨による被害者をこれ以上増やしてはいけない。地球温暖化と豪雨や異常気象の被害を真っ先に受けるのはいつも立場が弱い人たちなのだから。

  • さとまる

    一昨年の台風19号や熊本豪雨など大規模な自然災害が発生すると「地球温暖化の影響が」などとまことしやかに語られるが、本当にそうなのか雨の降るメカニズムから詳しく解説している。結論から言うと気候変動と極端豪雨は直接的な関係はなく、発生確率に影響は無い。ただし一度発生すると気候変動の影響が被害を上乗せして大規模化するとのこと。天気予報で何気なく使われる「大気が不安定」「筋状の雲」などの解説もありよかった。

  • aochama

    豪雨のメカニズムを基礎から丁寧に解説、最近の気象観測と発信される情報のあらまし、地球温暖化と豪雨の関係を説明とこの一冊で気象への関心が高まりました。地球温暖化と極端気象や異常気象には直接関係がなく、極端に怖れる必要はないものの、災害対策としては、これまでの経験や知見を最大限生かして行動するという指摘は納得でした。

  • こばこ

    ちょっと時間をかけて拝読。第1章〜3章は気象の前提知識、第4章は地球温暖化の話を説明、土台を作った上で満を持して第5章で非地球温暖化環境と現在気候で、実際に起こった現象の確率比較(イベントアトリビューション)のことを、という丁寧な構成。ここまで丁寧にやってくれると肝の5章の内容もしっかり入ってくる、いい構成だなと思わされたところ。この最新の研究に簡易に接する機会はそんなにはないので、気になる方はしっかり4章まで読んだ上で読み込んでほしいと思うところです。

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