夏物語

川上未映子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163910543
ISBN 10 : 4163910549
フォーマット
出版社
発行年月
2019年07月
日本
追加情報
:
545p;20

内容詳細

大阪の下町に生まれ育ち、東京で小説家として生きる38歳の夏子には「自分の子どもに会いたい」という願いが芽生えつつあった。パートナーなしの出産の方法を探るうち、精子提供で生まれ、本当の父を捜す逢沢潤と出会い、心を寄せていく。いっぽう彼の恋人である善百合子は、出産は親たちの「身勝手な賭け」だと言い、子どもを願うことの残酷さを夏子に対して問いかける。この世界は、生まれてくるのに値するのだろうか―。

【著者紹介】
川上未映子 : 1976年大阪府生まれ。2007年『わたくし率イン歯ー、または世界』『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』で早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、08年『乳と卵』で芥川賞、09年詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で中原中也賞、10年『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞、13年詩集『水瓶』で高見順賞、『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞、16年『マリーの愛の証明』でGRANTA Best of Young Japanese Novelists、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞を受賞。17年には「早稲田文学増刊 女性号」で責任編集を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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主人公や、登場人物それぞれが悩んで苦しい...

投稿日:2021/04/17 (土)

主人公や、登場人物それぞれが悩んで苦しい場面も多いですが、様々なディテールで笑えるところもあり、面白かったです。つらさや孤独もあるけれど、すごく正直に生きている人で、私は大好きな主人公です。今まで無意識に押し込めていた、社会や自分の身の回りの理不尽さや消化できなかった細々とした想いが、この本を読んで、解放されて消えたような感覚がします。

はれ さん | 不明 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    しんしんと深く心に響く物語。一見、作家自身の実体験を語ったかに見えるが、AIDについて長く熟考したことを除いてはそうではないだろう。本編が小説として優れ、また読者に強い共感をもたらすのは、ひとえにその比喩表現の巧みさにあるだろう。「ゴンドラは...夏の夕暮れにまるで誰にも見えないしるしをつけていくように」−こうした実に美しく、また個性的な直喩による表現が作品全体の随所に散りばめられている。しかも、読んでいて、それが比喩であることに気がつかないくらいにさりげなく。さらには逢沢の回想の中で語られる⇒

  • starbro さん

    川上 未映子は、ご主人阿部 和重共々、新作中心に読んでいる作家です。タイトルと中身のギャップが激しく、色々と考えさせられる秀作でした。 AID(Artificial Insemination by Donors;非配偶者間人工授精)のリアルがここにあります。最後に無事女児が誕生して良かった。成長しても幸せかどうかは微妙ですが・・・女性作家でないと『ま●こつき労働力』なんていう表現は出来ません(笑)豊胸術の知識も身に付きました。【読メエロ部】

  • ウッディ さん

    このタイトル、夏目夏子の物語だったんですね。横暴な父から逃れ、優しい母と祖母を失い、姉の巻子と貧しい少女時代を過ごした夏子。男に依存せずに生き、体がセックスを受け入れられない夏子は、一人で子供を持つ方法を調べ始める。ドラマチックな出来事は起こらず、一人の女性の日常やとりとめのない想いを描いた物語だったが、ブドウ狩りの逸話や親しい編集者の死など、涙を誘う場面があり、この長い物語を読み終えると、すっかり夏子が自分の身近な人のような気がしました。自分の出自に悩むAIDの子供など、頭も心も揺さぶられた一冊でした。

  • パトラッシュ さん

    女が女であるが故の精神や肉体の混乱や苦痛を描く小説は、男にはひどく読みにくい。しかも死をテーマにしたりクライマックスに持ってくる作品は多々あるが、妊娠がテーマで出産が結末なのだから。ヒロインの夏子はセックス嫌いで社会的にも恵まれないなど幾つもの問題を抱えながらAIDを知り、逢沢という理想の相手を見つけて子を産むことに希望を抱く。ここまで追いつめられると、男の視点で批評していいのかとすら思う。十数年後に書かれるであろう続編では、夏子の娘が自分の誕生の経緯を知ってからの生き方の模索が描かれることになるだろう。

  • うっちー さん

    落ち着くところに落ち着いた感じ。女性しか書けない小説です。

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