番犬は庭を守る 文春文庫

岩井俊二

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167914257
ISBN 10 : 4167914255
フォーマット
出版社
発行年月
2020年01月
日本
追加情報
:
268p;16

内容詳細

原子力発電所が爆発し臨界状態となった国で、ウマソーは生れた。成長しても生殖器が大きくならない「小便小僧」として。やがて警備保障会社に就職するが、市長の娘に恋をした罰として「流刑地」へ飛ばされてしまう。次々と降りかかる不運。絶望の中で見出した光とは?壮大で豊饒で、無類に面白い傑作小説。

【著者紹介】
岩井俊二 : 1963年生まれ、宮城県出身。『Love Letter』(1995年)で劇場用長編映画監督デビュー。映画監督・小説家・作曲家など活動は多彩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ざるこ さん

    廃炉となった原発が60基ある国で生まれたウマソー。放射能汚染の影響で元気な精子を持たない男が増え続け貴重な精子は売買される世の中。生殖器が大きくならないウマソーは種馬成金を羨みながら守衛として働く。小便小僧と馬鹿にされ次々と災難に見舞われて、どんどん悲惨な目に合うウマソーと生殖器。笑えない背景なのに笑かす。笑っていいのか?狂った世界で少しずつ壊れていく。しょうがないよ、そうなるよきっと。欠陥だらけの者たちの小さな幸せも素直に喜べない哀しさ。日本の未来の姿かも。過激でシュール悲壮感に満ちながらもおもしろい。

  • まさ さん

    かなりしんどい1冊になった。読み疲れたのは久しぶり。背けたくなるのだけど読み終えてしまいたくて一気に読了です。放射能に汚染された世界で代を継ぐにはどうすればよいのか。絶望ばかりだった。再読するともう少し見え方が変わるかな。

  • kei@名古屋 さん

    岩井俊二の悪いところ出てるわぁ。スワロウテイルのような退廃し貧富の差が激しいと思われる国での話。そしてこれはひょっとしたらこの世界での日常なのかもしれない。激しく運命に翻弄される主人公のようでいてラストシーンにはこういう命のつながり方があったのかと少しだけホッとする。どんな世界でも命は繋がっていく。物語は良かった。が、久々に岩井俊二のぶっ飛んだ感を堪能できた気もする。岩井俊二が異世界を書くとこうなるのかもしれないな。と夜中異世界アニメを目撃した時にふと思った

  • しい☆ さん

    これが20年も前に書かれたなんて驚きでしかない。いまの現実にリンクしていて、怖くて、でも目が離せなくて切なくて。 岩井監督の本の中で1番好きかも。アニメで映画化してくれたらうれしいなあ。

  • noW or Never さん

    図書館の文庫本にて読了/凄い、凄まじいという感想しか出てこない。巻末で解説の金原端人氏が『何』を連発して言葉にしているが、ホント『何?』『何なんだ!』と発狂したくなる/「嫌われ松子の一生」を最初、頭に浮かべたが、それも違う/果たして主人公のウマソーは自身の人生を哀れんでいただけなのか。いや、違う/自分に置き換えたらと思うと…辛すぎる/人生に何度も打ちのめされ、凹み、凹み、時に面白、可笑しく、凹み、時に暴力的に、凹み、凹み、最後の最後で子供が凸(笑)/新しい希望の形を提示している刺激的な面白い本である!

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岩井俊二

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか」で日本映画監督協会新人賞を受賞。劇場用短編映画「Undo」発表。連日超満員の大ヒットとなる。1995年  「Undo」がベルリン国際映画祭フォーラム部門でNETPAC賞を受賞。初の長編映画「Love Letter」は6ヶ月のロングランを記録。1996年  「Picnic」ベルリン映画祭新聞記者賞受賞。「スワロウテイル」発表。1998年  「四月物語」発表。

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