ジャガイモのきた道 文明・飢饉・戦争 岩波新書

山本紀夫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784004311348
ISBN 10 : 4004311349
フォーマット
出版社
発行年月
2008年05月
日本
追加情報
:
18cm,204,5p

内容詳細

南米で栽培種として誕生した後、どのように世界中で食されるようになったのか。アンデス農耕文化を中心に40年にわたり各地で調査を続けてきた著者が、ジャガイモと人間の関わりに秘められた歴史ドラマを綴る。

【著者紹介】
山本紀夫 : 1943年大阪市生まれ。国立民俗学博物館名誉教授。京都大学卒業。同大学院博士課程修了。農学博士。民俗学、民族植物学、山岳人類学を専攻。1976年より国立民族学博物館に勤務。1968年よりアンデス、アマゾン、ヒマラヤ、チベット、アフリカ高地などで主として先住民による環境利用の調査に従事。1984〜87年には国際ポテトセンター客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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ジャガイモの歴史とそれを食してきた人間の...

投稿日:2021/07/06 (火)

ジャガイモの歴史とそれを食してきた人間の歴史について語った本です   面白いよ   ジャガイモと言えばインカ帝国(最近はインカのめざめという品種も大人気ですね)そしてじゃがいもによって民族の運命が翻弄されたアイルランドということでこの2国の話は詳しく載っています   じゃがいもを毒抜きし、保存法を工夫し、病気に対する対策も考えていたインカ帝国に対して、何も考えずにじゃがいもをガンガン作ってガンガン人口を増やして飢饉になるとガンガン死んでしまったアイルランド人   そこだけ切り取ると、アイルランド人よ…と思ってしまうのですが、しかし今現在インカ帝国は滅んでしまい、アイリッシュは世界中で繁栄を謳歌しているのでした   そんな皮肉さに思いをはせたりしてとても面白い本でした

hikari さん | 不明 | 不明

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読書メーターレビュー

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  • 修一郎 さん

    自分もインカ文明の発展に寄与した食物はトウモロコシだと思っていた。実はジャガイモだったのだ!アンデスのフィールドワーク中にチューニョ加工に気づいたという研究の経緯が滅法面白い。4章のヒマラヤとシェルパとジャガイモの関係も興味深い。3,5章は既存の話をかき集めただけで御本人の関与ゼロ,オリジナル情報の方が全然いい。酒の原料で儀礼に使われたトウモロコシはスペインの記録にも残りやすかったし,決定的な証拠はC3/C4植物分析まで待たなければならなかったというフィールドワーク&文献調査の限界も実感した。面白かった!

  • 桜もち さん

    ジャガイモは南米のアンデス高地が原産。メークインも男爵も元は同じ。小麦やトウモロコシを抑えてジャガイモこそがインカ帝国を支えていた。が、ヨーロッパに入っても長くイモは軽視されていた。毒があるとか聖書に出てこない作物だからという理由で。貢献の割に冷遇されてきたイモだが、戦争や飢饉、凶作を救う作物という事で各地で栽培されるようになったという。ジャガイモの知られざる歴史が分かった。日本の食料自給率の低さ(東京はわずか1%)と世界の飢餓地域での食糧危機にも対応できうるジャガイモを、もっと重視せねば。

  • 翔亀 さん

    【始原へ55】アンデス植物学/民族学者のジャガイモ愛に溢れる小著。アンデス文明は穀物ではなくジャガイモが支えたという独自の文明論を展開した「ジャガイモとインカ帝国」(2004)と、アンデスとネパール・ヒマラヤのフィールド調査「雲の上で暮らす」(2006)をベースに、アンデス原産のジャガイモがどのようにヨーロッパや日本に普及したかを加えて、将来の食糧危機への備えを訴える。人類の将来の食糧確保のためには、単位面積当たりの収穫カロリーも多く、土壌水分の利用効率も高く、肥料の吸収力も高いジャガイモが理想的だと↓

  • ホークス さん

    2008年刊。生物と民族の研究者が、ジャガイモと人との関わりを丹念に追う。原産は南米アンデス山脈。インカ帝国などの文明は、高地で育つジャガイモに支えられた。欧州では幾つもの国が主食にする。アイルランドなど百年で人口倍増だが、芋の病気による飢饉で米国に大量移民する事態も起きた。ネパール山岳部ではトウガラシと共に主食として根づき、江戸時代の日本では重要な救荒作物。ジャガイモは寒冷地を好み、痩せた土地でも育つ。太陽エネルギーの効率が高いらしい。日本人の消費量は少ない方だから、食べ方をまだ工夫できそう。

  • kawa さん

    コロッケ好きで、お世話になっているジャガイモのあれこれ。冒頭のジャガイモはナス科、インカ帝国の地・南米アンデスが原産地、毒との戦い、ヨーロッパで「悪魔の食物」と嫌われたが飢饉と戦争で広がる、「ジャガイモ好き」のアイルランドと大飢饉等々にへえぇ。さらに話はヒマラヤ、日本と周り、アンデスの高度差1000メートル栽培へ宙返りし、穀物偏重の食料政策にジャガイモの可能性を論ずる。にわか「ジャガイモ博士」になった気分。

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人物・団体紹介

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山本紀夫

1943年、大阪府生まれ。京都大学大学院博士課程単位取得退学。国立民族学博物館名誉教授。農学のちに人類学を専攻し、農学博士(京都大学)、博士(学術、東京大学)。1968年の学生時代からアンデスを中心に、ヒマラヤ、チベット、エチオピアなどの高地で50年あまりにわたって、環境と人間の関係の人類学的調査・

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