山下和仁、いやクラシックギター界で伝説の名盤がリマスター復刻されたということで非常に非常にありがたい話だ。 しかし、演奏において指が何本あっても足りないと思うような場所も多く、よくこのような編曲と演奏の才能を併せ持ったな、と氏には敬服するよりない。

山下和仁氏は奥さんである藤家溪子さんと出会ってからその音楽性に大きな変化が見られた気がする。 もちろん良い意味でである。 2人の血を引いたお嬢さんたちも立派なギタリストに育っているが、このアルバムにはその原点を感じる。

１９８０年代にパルティータ２番とチェロ組曲６番の入ったＬＰを聞いて、友人とああだこうだと評価しあったのを今でも覚えている。当時わたしは山下のことを決して高く評価していたわけではなかったが、ただなんともいえない感動がありそれが何なのかまったく説明がつかなかったことをよく覚えている。そんななかでも明確に言えたのは、とにかくアクロバティックな速さと音が酷く乱暴であるということだった。今思うとなんと表面的にしか捉えられていなかったことかと恥ずかしさでいっぱいだ。この盤で聞く山下には表面的なアクロバティックさに大きな変化は無いものの、やはり落ち着きが感じられるようになったことと、なんといっても山下の音楽が相変わらずの巨大さであるということになろう。また「シャコンヌ」では当時と同じセゴヴィア編を採用している点からも、表面的アクロバティックさが彼の本質でないことは明確に知ることができる。こうして山下を聞くとギターにおいて何が正統派なのかということを考えずにはいられないのであるが、ギターという楽器の器の大きさがこういった演奏家を生んだということになろう。

国内外のギタリストのシャコンヌをレコードや演奏会で聞いてきました。 いずれの演奏も「ギターでは、こんなものか。」というのが印象でした。しかし、氏の演奏は、素晴らしいの一言に尽きます。前回録音と比べても大きな深化を感じました。

一世を風靡したが、末永く聴かれるべき名演奏。一本のギター（正しくは二本）の、ギターの雄弁な事。豊かな音色、見事なアレンジ、音の厚み、凄味。只々、怖れ入る。技と魂の名作。日本人にここまで、凄い事をやる人がいた、今もいる、と言うのは、我らが誇り。

LPレコードで山下和仁の「展覧会の絵」は持っていました。 クラシックギターを中学、高校と6年間習っていたので この演奏の物凄さ、テクニックの素晴らしさは分かります。どうしたら こんな響きが出せるのか、私も何回もレコードを聴いて真似ようと しましたが無駄な努力でした、今こうして届いたディスクを改めて 聴き直し当時若干20歳だった山下和仁の衝撃的な演奏に当時の記憶が 重なります。

やっぱり音量差がでるなぁ・・。逆に言うとそれぐらいしか原曲と差が感じられないと言うこと。ホント、よくここまで、と聴くたびに頭が下がりますｗ　超絶技巧とはこのためにある言葉でしょう＾＾ｂ

クラシックギター演奏の極北。これを聴いて驚かないギター弾きはいるでしょうか（ジャンル問わず）。ギターの可能性を追求し、それをクラシック界に証明しギターの地位向上を目指したのでしょう。が、逆にこれがギターの現時点での限界であり、「ギターでよく頑張ったねー」以上の（演奏ではなく）音楽は聞こえて来ない様に思えます。しかしこの演奏は道標であり、いまだ地位の低いこの楽器の発展の歴史の金字塔です。ギタリストは一家に一枚（楽譜も一緒に）。

imaichiさんのレビューを読んで、欲しくなって、買いました。すごいのは１曲目ですね。オルガンやコーラスのオリジナルを聞いてから、これを聞くと二度びっくりします。なんでこんなことがギターでできるのか？！「新世界」や「展覧会の絵」では、早弾きがすごいと思いましたが、この曲は超スローなのに、それを上回る衝撃を受けました。すごいのは１曲目とは思わず、ＣＤを聞き流していたら、いきなりへんなところでハーモニックスが鳴って、ぶっとびました。世界中で山下しか弾けない超絶技巧！買って良かった。

A world changing moment in guitar histroy. There’s pre- Pictures adn post Pictures. It’s as simple as that.