尾崎翠集成 上 ちくま文庫

尾崎翠

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480037916
ISBN 10 : 4480037918
フォーマット
出版社
発行年月
2002年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,375p

内容詳細

不思議な作品を残して姿を消した、伝説の作家の全貌。

【著者紹介】
尾崎翠 : 1896年、鳥取に生まれる。女学校時代から、「文章世界」へ投稿を始める。故郷で代用教員となった後、上京。日本女子大に入学。在学中、「無風帯から」を発表し、大学にとがめられ、中退。文学に専念し、「アップルパイの午後」「第七官界彷徨」で一部から注目される。1932年、病のため帰郷、音信を断つ。戦後は行商などをしていた。「第七官界彷徨」が再発見された後も執筆を固辞。1971年、老人ホームにて死去

中野翠 : コラムニスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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この人の作品は、「かなしさ」で溢れている...

投稿日:2018/12/30 (日)

この人の作品は、「かなしさ」で溢れている。 その「かなしさ」にも色々な種類があって、繊細で静かな、又は暴力性を伴った「かなしさ」さえも、読者の心を締め付けずにいれられません。 曇りがちな日曜日の午後に読むと、とてもメランコリックな気分になります。 それが、冬であれば尚更。

Joe さん | 大阪府 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 青蓮 さん

    「第七官界彷徨」は再読。この作品のスピンオフ的な「歩行」「こおりぎ嬢」「地下室アントンの一夜」を読むと「第七官界彷徨」がより奥行きを持った立体的な世界に感じられる。時代の影響もあるのか著者が人間心理にかなり興味を持っていたのが解る。彼女の紡ぐ言葉、文章は細やかで繊細だ。「香りから呼ぶ幻覚」が個人的に非常に気に入りました。書簡などを見ると身内には結構葉すっぱな言葉遣いをしているのが面白い。「女流詩人・作家座談会」ではもっと詩は読まれるべき、男性詩人との闘争、シュルレアリスムについてなどを語っており興味深い。

  • おにく さん

    尾崎さんの作品を読んでいくと、一人の女性の姿が浮かぶ。普段は物静かでいながら、誰かが病に伏せると率先して看病に当たるこの女性は、尾崎さんにとって共感の持てる人物だと思います。尾崎さん自身、鎮痛剤による副作用で文壇を離れたあと、妹の遺児の親代わりになったり、鳥取地震で被災した家族を支えたので、小説の彼女もこの様に強くなるのかと想像させてくれます。それにしても絶頂期に執筆から離れ、復帰することの無かったのは非常に残念ですが、この方は人として生きたのだと考えると、尾崎翠さんを知り得たことは誇りだと感じています。

  • あんこ さん

    幾度か読んだものも、初めて読むものも、読んでときめく。感覚的なのに、こうも惹かれる不思議さを孕んでいながら、読み終わってしばらく恍惚とする。それなのに、巻末の書簡は普段着の尾崎翠がいて、人間らしさを感じられた。

  • しゅんしゅん さん

    「第七官界彷徨」の不思議すぎる唯一無二な世界観に魅了される。繊細すぎるくせにズボラでどうしようもないこの感覚なんなんだろう。病や薬におかされた尾崎翠が生み出し幻像劇のようにも見えるがそれにしては理知的。登場人物の性格の設定がてんでバラバラになったり、急にすべてが同調的に流れたりする突発的なうねりが心地良い。どの人物もどこか寂しがりな尾崎翠の感性を反映しているようでしょんぼりしている感じなのが可愛かった。スピンオフ作品も味わい深かった。「書簡」のやり取りの中での北杜夫への偏愛ぶりもなんだか微笑ましい。

  • 冬見 さん

    「第七官界彷徨」分裂心理に執心する医者に植物の情愛研究へ没頭する肥料学生、ピアノの音程に憂鬱を感じる音楽学生の元で炊事係をする娘は人間の第七官に響く詩を探し廻っている。何度も読み返している作品で、尻尾を掴んだような気分になっては逃げられている。いつまでたっても世界を捕まえることができずにいながら、心は奪われ、この世界に囚われている。「歩行」幸田氏のおもかげを忘れるために歩く。こちらもふわふわと不思議な話。

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