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鎖塚 自由民権と囚人労働の記録 岩波現代文庫

小池喜孝

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784006033095
ISBN 10 : 4006033095
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

明治初め、北海道開拓のため無残な死を強いられた囚人たちがいた。鉄鎖を付けたまま埋められたその塚を、人呼んで「鎖塚」という。著者は自由民権活動家の足跡を追う中で、明治政府が使い捨てた膨大な人々の存在に行き当たる。犠牲者は誰か。なぜそこで死に至ったのか。地元「民衆史」の取り組みが、日本近代の暗部をあばく。迫力のドキュメント。

目次 : 1 鉄鎖につながれた志士たちと囚人/ 2 囚人過去帳は語る/ 3 網走囚人道路の悲劇/ 4 囚人労働の歴史/ 5 囚人労働廃止をたたかった人々/ 6 「監獄部屋」と労働運動の登場/ 7 朝鮮人・中国人の強制連行と労働/ 8 鎖を断つ

【著者紹介】
小池喜孝 : 1916‐2003年。青山師範学校卒業後、小学校教員に。1948年、GHQにより教職追放。出版社勤務ののち北海道に移り、北見工業高校などで教鞭をとる。その傍ら、民衆史掘りおこし運動をすすめ、オホーツク民衆史講座などで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Ayumi Katayama

    明治二十四年、囚人千名余を動員し網走・旭川間の国道を開削した。五月着工十二月完成という突貫工事は囚人を酷使して成したものである。三〇〇名の死者は路傍に埋葬された。埋葬された地の上に遺されたのは囚人を繋いだ鎖。いつしかそこは「くさりづか」と呼ばれるようになった。このような歴史を何故知らずにきたのか。差別虐待は遠いことではなく我が身のすぐ足元にある。いったい何故このような非人道が可能であったのか。とりもなおさず、それは囚人を人とみなさない差別意識にある。

  • 青柳

    秩父事件の活動家が内地で捕縛され、重罪人として彼らが送り込まれた先は、当時の日本の最辺境である北海道。そこで彼らを待っていたのは、極限状態の環境下で道内の道路を開拓する過酷な囚人労働だった。また、北海道に集められたのは、自由民権の志士達だけでなく、足尾銅山の鉱毒から逃れてきた農民、悪質な斡旋業者に騙され炭鉱労働に従事することになった人々、強制連行で連れてこられた中国・朝鮮の人々らも、劣悪な労働に従事させられていた。労働中に死んだ囚人は鉄鎖を付けたまま埋められ、無名の彼らを埋めた塚を人々は「鎖塚」と呼んだ。

  • Hiroki Nishizumi

    良書だ。富国強兵政策に突き進む日本の陰を厳しいタッチで記録している。囚人労働とそれに続くタコ部屋について「監獄の本分は苦役にある」という言葉や民族差別を基調にした現実に正面から見据える必要を感じた。さらに、p.327「教育者は『ほまれ』を受けてはいけない。そして諸君の中の一人でも『恥』をかくとき、いっしょに『恥』をかかなければいけない。‥‥」の一文には感銘をうけた。

  • ドラマチックガス

    囚人道路について知りたくて手にとったら、秩父事件を始めとする明治期の大衆運動にタコ部屋労働、朝鮮人強制労働まで含む壮大な労作だった。まさにタイムリーな感覚で行けば、香港の活動家たちが送り込まれたようなものか。ふだんお世話になっている道路や地名が次々でてきて、これまでの無知を恥じる。近いうちに北見や網走へ行く用事があるので、この本を片手にブラックツーリズムしてきます。

  • tegi

    ゴールデンカムイの副読本としてよさげだなと思って読んだらヒットであった。「囚人はこき使えばいいし死んだら財政負担が減っていいっしょ」という伊藤博文マジやばいなと思いました。坂本直寛らの活動をじっくり描く中盤がなければよりつかみやすい入門書になったと思うが、そうした個人についての記述は、著者本人が自身の差別感情への反省の視点(個人はいかにしてよく生きられるのか)を歴史上の人物にもあてはめていったゆえだろう。

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