がんになる前に乳房を切除する 遺伝性乳がん治療の最前線

小倉孝保

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163907277
ISBN 10 : 4163907270
フォーマット
出版社
発行年月
2017年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
264p;19

内容詳細

二〇一三年五月、女優アンジェリーナ・ジョリーの両乳房切除手術の発表は世界中を驚かせた。だがそれよりも二十年以上前、一九九二年に世界に先駆けて健康な自らの乳房にメスを入れた女性がいた。当時三十七歳の英国人、ウェンディ・ワトソン。母親も祖母もがんで亡くした彼女は、がんの遺伝など非常識だった時代、世間の偏見と闘い、その行動にはダイアナ元妃もエールを送った―。

目次 : 傘で飛ぶことを夢みる子/ 乳がんの遺伝を疑う/ 結婚、そして出産/ 家系図を作って調べる/ がんになる前に乳房を切り落とす/ ハイリスク遺伝子の発見/ 卵巣の摘出手術も/ 二十代の姉妹を救え!/ イメージチェンジはミュージカルで/ ダイアナ元妃のサポート/ 日本での保険適用の動き/ 特許を巡る闘い/ 進歩する乳房再建/ 日本で再建手術が進まなかった理由/ 娘の遺伝子検査と予防切除/ 孫の誕生とヌード・カレンダー/ 歩み始めた日本の女性たち

【著者紹介】
小倉孝保 : 1964年滋賀県生まれ。1988年毎日新聞社入。カイロ、ニューヨーク両支局長、欧州総局(ロンドン)長を経て2015年7月より外信部長。英国の乳房予防切除の実態報告で14年、日本人として初めて英外国特派員協会賞受賞。『柔の恩人「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』(小学館)で第18回小学館ノンフィクション大賞、第23回ミズノスポーツライター賞最優秀賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • たちばなあやか さん

    この本は、乳ガン疑いで遺伝子検査を受けるまでの海外での葛藤を描いた本です。たった一人の女性が「自分は遺伝からくるガンじゃないのか」と思って、そこからムーブメントが起き、国をも動かす様子が描かれています。乳がんのサバイバーである私には、身につまされる本でした。

  • kenitirokikuti さん

    乳がんオペには整形外科的なイメージがある。しかし、本書が明らかにするのは、乳がんリスク遺伝子の特許化およびその事業化に対する動きである。90年に乳がんに関する遺伝子が十七番染色体と判明し、94年にユタ大学の「ミリアド」という組織がその遺伝子を特定した。同時期に英国のがん研も発見したが、米国での権利はミリアドが独占する。また、その乳がん遺伝子は東欧ユダヤ人に多い、という特徴がある。いろいろあって、2013年、米国最高裁はミリアドの特許(無加工で素のままの遺伝子情報)を認めないとした。

  • Humbaba さん

    問題が発生してしまった場合に対処するのは非常に困難であれば、そもそも問題が発生しないように予防したくなる。予防をするためにもコストがかかるが、それをどこまで許容するかは人によっても違いが出る。どのような決断を下すかは個人差があるが、より公開しない決断を下すためには確率予想の頻度を高める必要がある。

  • skr-shower さん

    日本で遺伝性と診断されたら、既婚未婚に限らず隠すだろう。知られたら、陰口も面と向かっても袋叩き状態になる。形成外科に男性医師が多いのも大問題。女の悩みは小さい事だと先入観がある。辛くない病後のために、医療が進み悪い習慣が覆りますように。

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