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ISBN 10 : 4389401270
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菊池寛は、偉大なる作家であるよりも前に、まず、偉大なる生活者、偉大なる常識人であった。また、ざせつということを知らぬ偉大なる実行家であった。かれの心は、つねに現実に向かってさめていた。だから、文学や芸術に対しても、かれは、けっしてロマンチックな幻想を持たなかった。かれが、純文学の面での芸術的完成を、あえて深追いする必要を認めなかったのもそのためであった。こうして、かれの後半生のエネルギーの大半は、通俗小説や雑誌経営に費やされたが、その努力は、文学の社会化という、画期的な大事業と分かちがたく結びついていたのである。「人生第一、芸術第二」―このことばに、リアリスト菊池寛のすべては語り尽くされている。
目次 : 第1編 菊池寛の生涯(貧しい生い立ち/ 青春放浪時代/ 作家修業時代/ 新進作家からジャーナリストへ/ 文壇の大御所)/ 第2編 作品と解説(父帰る/ 無名作家の日記/ 忠直卿行状記/ 屋上の狂人/ 恩讐の彼方に ほか)
【著者紹介】
福田清人 : 1904(明治37)年長崎に生まれる。1927年東京帝国大学文学部国文科卒。立教大学教授をへて、実践女子大学教授、日本近代文学館常任理事を歴任。1995年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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