蒲生邸事件 文春文庫

宮部みゆき

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167549039
ISBN 10 : 4167549034
フォーマット
出版社
発行年月
2000年10月
日本
追加情報
:
16cm,686p

内容詳細

予備校受験のために上京した受験生・孝史は、二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助されたが、そこはなんと昭和十一年。雪降りしきる帝都・東京では、いままさに二・二六事件が起きようとしていた―。大胆な着想で挑んだ著者会心の日本SF大賞受賞長篇。

(「BOOK」データベースより)

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文庫の分厚さと、二・二六事件という史実を...

投稿日:2013/01/28 (月)

文庫の分厚さと、二・二六事件という史実を題材としたものだということで、歴史に弱い私は、舞台が事件発生の年に移った直後まで「ごたごた用語が飛び交うややこしい話になると嫌だなぁ」と思っていました。しかし、さすがは宮部みゆき。そんな心配は杞憂で、瞬く間に夢中にさせられていました。気づけば猛スピードで読み進めていました。戦争に突入する大きな転換期であった歴史的事件を題材にし、そこにタイムトリップという非現実的な要素を絡ませたうえで、人間を描くことに何よりも重点を置き、時を経てもその普遍的に変わらない部分を見事に描ききっています。これだけの材料と発想ならば、下手をすると時代の動きやタイムトリップというところによがって、こねくりまわしてしまいそうな所を、きちんと【人間】に焦点を当て、しかもその大きな材料を効果的に使うことによって、ぶれることなく完成させています。最後の場面での主人公の語りかけには、ぐっとくるものがあり、あたかも自分もタイムトリップして、見てきたような気持ちになっていることに気づきました。同じ材料があっても、この作品は他の人には書けないだろうなと思える、宮部みゆきらしさが光る力作だと思います。 ミステリが好きですが、歴史物・自分がリアルタイムで知らない時代を背景にしたものは苦手で、それだけで敬遠していました。また、タイムトリップのような非現実的な要素を、リアルな日常という舞台に取り入れたお話はあまり好きではありませんでした。でも、宮部みゆきならば、こういった材料を方法の一つとしてうまく使って、主題が霞むような違和感を感じさせず、私のような読者でも引き込んでくれるんだと、改めて作者の筆力に舌を巻く思いです。 ミステリの要素は少ないですが、不可解な謎を追っていく展開もあるので、特に私のような「読まず嫌い」な若い読者にはおすすめしたいと思います。 読まず嫌いな面を変えてくれたかもしれません。間違いなく、私にとって大切な本の一冊になりました。

peko-rock さん | 大阪府 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kaizen@名古屋de朝活読書会 さん

    松本清張「昭和史発掘」高橋正衛「二・二六事件」を参考に、昭和史を発掘している。時間旅行者(time traveller)と同伴する主人公。最後の約束の待ち合わせが悲しい。会うまで調べなかったという気持ちが宮部流。人が大学や学力で育つのではなく経験で育つということが裏の主題かも。解説:関川夏央

  • 遥かなる想い さん

    過去のある時点にタイムスリップして、現代から過去の事件をみていくというのが、よくある設定だが、宮部みゆきは、なぜ題材を2・26事件に求めたのだろう。雪降りしきる帝都東京で発生した2・26の不気味さは、確かに緊迫感はあるが・・気のせいかよくある設定なので、損をしているような気がする

  • 勇波 さん

    「読メ」利用後、初の宮部作品です。随分久しぶり。相変わらずユーモア溢れるセンスのいい作品を描きますなぁ。SF作品と聞いていたので、バックトゥーザフューチャー的な過去と未来を行ったり来たりの大活劇と思ってました。派手さは無かったけど、読後感の良い物語です。一番の不思議はあんなに頭が切れる孝志君が大学落ちてるとこでしょうか(笑)二・二六事件に関しては山田正紀氏の『マヂック・オペラ』積んであるのでそちらも早く読まなければ★

  • ちょこまーぶる さん

    時空を移動するという内容の題材の本は多いと思うけど、しっかりと歴史背景を盛り込んであると思うし、浪人生の孝史が2・26事件の時代の使用人であるふきに思いを寄せて、時空という空間を超えて手紙ではあるが出会えたシーンは何か温かみすら感じさせてくれる内容でした。初めての宮部作品でしたが、大変読みやすかったと思います。

  • つーこ さん

    再読。深く奥行きのある本が読みたくなって・・。普通の大学生がタイムトラベルで二・二六事件の当日へ。いきなりの境遇の変化で戸惑い、恐れる現代っ子の孝史が、泣き言を言いながらもどんどん成長していく様に感動した。そして、避けられない激動の時代の波。たとえ超能力を持ってしても、動かせないあまりにも大きな『時代』とちっぽけな人間。そして切なくも感動するラスト。分厚い本だけど何度も読みたくなる、宮部みゆきの最高傑作だと私は思います!

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人物・団体紹介

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宮部みゆき

1960年、東京生まれ。87年、「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞、92年、『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞、93年、『火車』で山本周五郎賞、97年、『蒲生邸事件』で日本SF大賞、99年、『理由』で直木賞、2001年、『模倣犯』で毎日出版文化賞

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