胸の香り 文春文庫

宮本輝

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167348144
ISBN 10 : 4167348144
フォーマット
出版社
発行年月
1999年07月
日本
追加情報
:
16cm,190p

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大学受験の頃、模擬試験の問題に採用されて...

投稿日:2021/04/08 (木)

大学受験の頃、模擬試験の問題に採用されていたのがこの短編集のタイトルロールの一節でした。静謐で美しい文体にうっとりし、受験が終わったら絶対に読もうと心に決めたものです。無事に大学生となってからも,この作品は特別です。

ゆめゆめゆめ さん | 福岡県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 新地学@児童書病発動中 さん

    原稿用紙30枚程度の7つの短編。短いながら、1冊の長編を読み切った満足感を与えてくれる小説が多くて、改めて作家としての宮本輝の凄みを感じた。私の好みは冒頭の「月に浮かぶ」と最後の「道に舞う」だった。「月に浮かぶ」は男女の不倫の修羅場を正面から描くもので、にっちもさっちもいかない男の胸の内がまっすぐ伝わってくる。作品の中で描かれている満月が効果的。「道に舞う」は、地を這うようにして生きている貧しい母親と娘の姿が心に刻み込まれる。その二人を白い蝶にたとえるところに、宮本氏の人間としての優しさを感じた。

  • 遥かなる想い さん

    宮本輝が以前インタビューで、「自分の本で読んで欲しいのはどの本ですか?」という質問に対し、「ぜひ 私の 短編集を 読んで欲しい」と答えたのが妙に心にかかり、立て続けに宮本輝の短編集を読んだことがある。巻末の書評にある「七つの修羅」という表現が的確かどうかは別にして、宮本 輝らしい作品が集められている。ただ 初期の作品集と比べて本作品集は母になり力点をおいたため、青春の哀しみのようなトーンはいくぶん薄れている

  • アナーキー靴下 さん

    短篇7作品収録。個人的に不倫話には大変狭量であると自覚があり、拒絶感が勝ってしまう。そのうえ主人公は中年のおじさんばかり、繊細な心の機微が覆い被さってくるのが仇となり、前半の作品は楽しめなかった。「深海魚を釣る」は作品としてというより、著者の人に対する姿勢が滲むようなラストに感銘を受けた。『葡萄と郷愁』でも、言葉だけ追っていたら薄っぺらく見えるときでさえ、心の内奥に不定形の強い何かがある、と感じさせるのが巧みと思ったが、その所以に触れたような。「道に舞う」も良かった。自分まで肯定された気持ちになる感覚。

  • 美雀(みすず) さん

    切ない七つの話。男女であったり、親子であったり、兄弟であったり、息子の友達であったり…。何らかの事情を抱えて生きていく。他人には決してわからない心情が綴られて、その結末にほっとしたり、切なくなったりしました。短いけど余韻がいつまでも響きます。

  • kinkin さん

    大人の話。口当たりがよくのどごしもいい、そして甘い、そのような話ではない。どれも静けさと苦さが入り混じった独特の雰囲気が感じられる。そしてどの話も会話の妙というものも読みどころ。七つの話の中で「月に浮かぶ」、「深海魚を釣る」、「道に舞う」が気に入った。とくに「道に舞う」の舞台である街は暑くて埃っぽいなかで聞こえる関西訛りがとてもしっくりしている。彼の作品は一回目より二回目という風に読むごとに面白さや奥深さが染み出してくのではないかと思った。

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人物・団体紹介

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宮本輝

1947年3月6日兵庫県生まれ。77年『泥の河』で第13回太宰治賞を受賞しデビュー。78年『螢川』で第78回芥川龍之介賞、87年『優駿』で第21回吉川英治文学賞を受賞。2004年『約束の冬』で第54回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門を、09年『骸骨ビルの庭』で第13回司馬遼太郎賞を受賞。また同年、紫綬

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