箱男 新潮文庫 改版

安部公房

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101121161
ISBN 10 : 4101121168
フォーマット
出版社
発行年月
2005年05月
日本
追加情報
:
16cm,246p

商品説明

ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。
一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは?
 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。
読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。

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段ボールの箱の中で街や他人を覗きながら暮...

投稿日:2021/06/25 (金)

段ボールの箱の中で街や他人を覗きながら暮らす箱男。夢を見てる時は、その夢が現実と疑わないあの感覚が、小説を通して感じました。何度読み返しても完全に理解できない不可思議が魅力で何度も手に取ってしまいます。

もちもちのき さん | 神奈川県 | 不明

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全小説中最も好きな作品である。ことあるご...

投稿日:2021/04/11 (日)

全小説中最も好きな作品である。ことあるごとに人に勧めているが、中々読んでくれない。安部公房は新潮文庫でも半数近くが絶版となり、ロシア等では人気のようだが、日本では今一つであるので残念なところ。一度読んでから直後に始めから再読した唯一の本。それだけ面白い作品。箱の中の人物はいつの間にか入れ代わっているので注意!

海尾水 さん | 神奈川県 | 不明

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ダンボールの中に閉じこもり、覗き穴から世...

投稿日:2009/05/18 (月)

ダンボールの中に閉じこもり、覗き穴から世界を覗く。 覗いているのは誰か? 覗かれているのは誰か? 匿名性を持って世界を覗きたいという願望は、現代のインターネット社会などにも通じるように思えました。

Doo さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    安部公房の小説は、その構想の根底から荒唐無稽でありながら、奇妙なリアリティを持っている。この『箱男』も例外ではない。それを可能にするのは、表現のリアルな細密化と(その意味では、これは徹底して「視線」の小説である)、もう一方には現実の中に立脚しているはずの読者である自分も、あるいは箱男になるかも知れないという危うさである。箱男にとって、対人、対世間との間にインタラクティブな関係性が構築されることはない。常に一方向からであり、まさしく「窃視」に他ならない。したがって、「言葉」もまたここでは不毛なのである。

  • 遥かなる想い さん

    ダンボールを被った浮浪者が主人公である。「箱」が何を意味するのか今でもよくわからないが、他人から見られることなしに、相手を一方的に覗く快感に溺れていくという感覚はきっと存在するのだろう。ダンボールには覗き穴があり、箱男は自分を見られることなしに相手を覗き見ることができる。設定はよくわかるのだがストーリーは全く理解できかった。読者にわざとわからないような困難な話にした、というのが今では定説のようだが。

  • ykmmr (^_^) さん

    まずは…自分が読むことを、初・挑戦しようとした時と、TVで紹介されて、作者が注目されることになったタイミングの良さに、笑ってしまった。同時に、自分に読めるかに恐れを成した。実際は…やはり難しい。まずは…どうして…『箱』なのか…ミステリーなのか?空想なのか?実際に『箱』を被って生活してみた話なのか?物語的に、どれとも取れて奇想天外。箱外の状況は想像出来て、その通りだと思うが、その状況も、写真や作者の考察コメント入りだからなのもあるが、これは分かりやすい。読者の読解力の相比が、この話の解釈になると思い、

  • 康功 さん

    安部公房二冊目で早くも試練の読了。難しさは半端なかった。主人公が誰なのか、登場人物の視点でコロコロ変わる。贋箱男、箱男、医師、看護婦、箱男の父親、少年、ピアノ女教師。これらの中に同一人物がいて、断片的な文章の中から一つの繋がった物語が浮かんでくる。箱男の心的状態は、現代人の引きこもりの目線を、偶然にも予言しているかのように表現している。サイコの様に見える物語も、もしかしたら自分の住んでいる近所にもいそうな隣人の姿かと想像させてくれる、そんな現代に生きている自分がいることを、再確認させられた気分だ。

  • Vakira さん

    数十年かぶりに再読。当時読んだ時は10代だったので、全く異なる印象を受けた。箱男は段ボールをかぶり最低限の生活道具を持って街を徘徊する。街に溶け込み風景と同化する。他人の目に映っても、ない物と判断される。箱男は見られずに覗けるのだ。覗く者と覗かれる者、本物と偽物、箱と裸体、男と女。まるでSとMのようにも感じられる。この世界観は凄い。実験的小説だ。この世界を創造した安部公房恐るべし。もう20年位前に亡くなってしまったが、悔やまれてならない。

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人物・団体紹介

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安部公房

1924‐1993。東京生れ。東京大学医学部卒。1951(昭和26)年「壁」で芥川賞を受賞。’62年に発表した『砂の女』は読売文学賞を受賞したほか、フランスでは最優秀外国文学賞を受賞。その他、戯曲「友達」で谷崎潤一郎賞、『緑色のストッキング』で読売文学賞を受賞するなど、受賞多数。’73年より演劇集団

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