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プロフィール

1931(昭和6)年2月、香川県生まれ、写真家。日本画家の父につき、日本画や漫画を習う。高松市で漆器の蒔絵を描き、彫刻を習う。その後、カメラマンになり大自然の風景に魅せられ、北海道から九州まで全国各地の旅を続ける。蒸気機関車をはじめとする消えゆく昭和の鉄道風景をオールカラーで撮影
北海道の国鉄アルバム 下巻 根室本線、富良野線、釧網本線、石北本線』より

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  • 北海道の終着駅を題材として、昭和期に撮影された全ペ...

    投稿日:2021/04/14

    北海道の終着駅を題材として、昭和期に撮影された全ページカラーの写真集。北海道の場合、昭和期以後、ほとんどの線路が廃止されているため、当書に掲載された駅たちも、ほとんどが現在は廃駅である。そのことも手伝って、この本からは郷愁に溢れてくるようだ。対象となっている駅を記載すると、以下の通り。稚内駅(宗谷線)、北見枝幸駅(興浜北線)、雄武駅(興浜南線)、仁宇布駅(美幸線)、北見滝ノ上駅(渚滑線)、湧別駅(名寄線湧別支線)、北見相生駅(相生線)、根室標津駅(標津線)、根室駅(根室線)、北進駅(白糠駅)、十勝三股駅(士幌線)、広尾駅(広尾線)、様似駅(日高線)、日高町駅(富内線)、夕張駅(夕張線)、登川駅(夕張線登川支線)、南大夕張駅(三菱石炭鉱業大夕張鉄道線)、大夕張駅/大夕張炭山駅(三菱石炭鉱業大夕張鉄道線)、万字炭山駅(万字線)、幾春別駅(幌内線)、上砂川駅(函館線上砂川支線)、歌志内駅(歌志内線)、室蘭駅(室蘭線)、増毛駅(留萌線)、新十津川駅(札沼線)、岩内駅(岩内線)、瀬棚駅(瀬棚線)、江差駅(江差線)、松前駅(松前線)、函館駅(函館線)。あらためて数えてみるとびっくりであるが、これらの30の終着駅のうち、2021年が現在も駅機能を存続させているのは、稚内駅、根室駅、室蘭駅、函館駅のわずか4駅である。また、昭和期に廃止された国鉄線の「終着駅」のうち、幌内駅、手宮駅、越川駅、脇方駅、南美唄駅の5駅については、掲載されていない。つまり、北海道の路線の支線網は、ほぼすべて「廃止」されたのである。北海道では、1980年に制定された国鉄再建法に基づき、収支の数字が基準に満たない線区がなし崩し的に廃止されていった。これを経た分割民営化に際して、当時の政府は、国会答弁などで、これ以上路線が廃止されることはない旨を担保するような答弁を行ったが、現在までの状況はみなさんご存知だろう。その後も、深名線、池北線、江差線、留萌線(留萌-増毛)、石勝線の夕張支線、留萌線(深川−留萌)、札沼線末端部(北海道医療大−新十津川)、日高線が廃止され、根室線の一部は復旧しないまま放置状態となっている。私は鉄道が好きな人間だから、そのことを無念に思うけれど、そのような次元を超えて、現在の北海道の状況は深刻さを呈していると言って良いだろう。そもそも、先進国において、鉄道事業だけで経営を成り立たせることは至難である。多くの国において、鉄道は国営、もしくはいわゆる上下分離方式により、施設を公が維持した上で、運行のみを民間委託している。そうやって、鉄道を維持している。なぜか。それは、単に鉄道が地域のライフラインだというだけでなく、観光を含めた「人の移動」自体に、社会的に様々な意味での「価値」があることを、社会と地域が理解し認識しているためだ。ところが、日本ではこの感覚が非常に薄く、特に最近では、民間会社の収支という観点ばかりが考えられるようになってきている。多くの路線が廃止された北海道の地方の衰退は激しい。それは基幹産業である石炭や林業が衰えたということもあるが、それに輪をかけて交通網の衰微は地域に残った最後の呼吸を止めてゆく。それは、この地を巡り続けてきた私の実感である。鉄道利用者の数が減っている。これだけ多くの路線が廃止されているのだから当たり前でもある。私も、もしかつてのように鉄道網が充実していたのなら、当然のように鉄道を利用していた行程であっても、鉄道がなくなってはどうしようもない、他の交通機関を利用する。ローカル線という枝を振り払ったら幹が枯れてくるのは自然の摂理だ。バスで代替といっても限度がある。そもそも、冬期間のバスの運行は当てにならないことが多いし、遠距離であれば、いくつものバスに乗り継ぐことになる。実質的にそれは利用のハードルを大きく上げることになる。旅行者の足は遠のく。そもそも、バス転換したとしても、いまの時代、バスの運転手もバスの台数も確保できない。北海道のように、冬季の道路条件の厳しいところではなおさらである。結果として、あちこちの集落が消失する。消失する集落の規模が大きくなってきているところがさらに恐ろしい。そのような現実を知らない人が、まったくの圏外に居住し、安穏な生活を送りながら、「収支が上がらないのだから廃止は当然だ」みたいなことを平然と言ってのけたりする。ひどい世の中だと思う。随分書いてしまったけど、このような写真集を見て過去のことを思い出すたびに、「私達はどこでボタンを掛け違えたのだろう」という思いが、私を苛むので、書いてしまった次第である。本書に戻ろう。写真はとにかく美しい。北海道ならではの四季それぞれの背景を活かした美しい情景が巧みな画角で捉えられている。それにしても「終着駅」という言葉は旅情を誘うものだ。ずっと続いてきた線路がそこで途切れる。そのことに、様々な思いを重ねて、情感を膨らませる人も多いだろう。船の「波止場」に相当する良い言葉だ。掲載されている写真はその「終着駅」に相応しい情緒を感じさせるものばかり。また、かつてあった貨物取り扱いの側線、炭鉱に近い駅であれば選炭場、多くの貨車を取り扱ったヤードなども、この雰囲気を見事にサポートしてくれる。溢れてくる情感に、過去への憧憬が焦がれてくるような、詩的な一冊となっています。

    ココパナ さん

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