口入れ屋おふく昨日みた夢 角川文庫

宇江佐真理

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041048948
ISBN 10 : 404104894X
フォーマット
出版社
発行年月
2016年10月
日本
追加情報
:
352p;15

内容詳細

亭主の勇次が忽然と姿を消し、実家の口入れ屋「きまり屋」に出戻ったおふく。色気より喰い気、働き者で気立てのよいおふくは助っ人女中として奉公先に出向き、揃いもそろって偏屈な雇い主たちに憤慨したり同情したり。一筋縄ではいかない人生模様を目の当たりにするうち、自分も前を見て歩いていこうと心を決める―。市井人情小説の名手が渾身の筆で描ききった江戸のお仕事小説。単行本未収録の短篇「秋の朝顔」併録。

【著者紹介】
宇江佐真理 : 1949年、函館市生まれ。函館大谷女子短大卒業。95年、「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞し、デビュー。2000年、『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞、01年には『余寒の雪』で中山義秀文学賞を受賞。人情味溢れる市井物を中心に幅広く時代小説を手がけ、多くの読者を魅了しながらも15年11月、惜しまれつつ逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • じいじ さん

     しみじみと哀歓を感じ、江戸市井の人たちの温かい人情に浸れる7編の連作短篇。いい話です。主人公は、口入れ屋(今でいう人材派遣会社)の出戻り娘25歳のおふく。5年前に別れた元夫を忘れきれないおふくの複雑な心情を隠し味に、つぎつぎに行く女中奉公先でややこしい問題に立ち向かっていく爽快な物語。なんたって、おふくの優しさと健気さと芯の強さに魅かれます。私は表題作の【昨日みた夢】が好きです。武家の嫁がいびられる少しつらい話ですが、おふくが味方をして嫁を救う感動する話です。大変読み心地のいい心温まる作品です。

  • ぶち さん

    実家の口れ屋に出戻ってきたおふくが主人公。 色気より食い気という、私好みの気風のまだ若い女性です。働き者のおふくは、短期の助っ人女中として借り出されます。奉公先で出会った人々の言動に憤ったり、嘆いたり……様々な人生の機微を知ることで、自身の今後の身の振り方に前向きに向き合えるようになっていきます。その変化に読んでいて元気をもらいました。 厚い人情に溢れた物語は、宇江佐さんならではのもの。これが宇江佐さんの遺作になってしまったことが残念でなりません。

  • ふう さん

    初めて読んだ宇江佐さんの作品は『卵のふわふわ』でした。江戸に生きる人々の情や知恵、心の機微の描き方が上手だなと感心し好きになりました。この作品で21冊目。全部は読んでいませんが、多分この作品で終わりかなと思いながら読みました。解説にあるように、本当に「この世は生きがたい。それでも前を向いて生きていかねばならない」と、宇江佐さんはいつも語りかけてくれます。体をマメに動かして働き、心を小ぎれいにして、人を思いやって生きていくこと。何気ないことが幸せなのだということ。もっと生きたいと願っていた作者の声のようです

  • shizuka さん

    口入れ屋、今でいうところの派遣会社。おふくは急募、短期系を一手に担う優れた従業員。と書けばかっこいいけれど実際は出戻り、居候をしている立場故、経営者の叔父から「ちょっと助けてくれよう」と言われると断れなく、いつも借り出されてしまうスーパー女中。どの時代もブラックな雇い主には従業員がいつかない。そんなところへ行かされるおふく。理不尽な仕事を言われても、食べ物を与えられるとちょっと許してしまうおふく。かわいい。しばらく女中をしているうちに、その家の内情が分かってくる。力になれる時もなれない時もある。悲喜交交。

  • ひらちゃん さん

    口入れ屋のおふく。なかなかいい人材が見つからない時、おふくが助っ人で短期奉公。これはいい。奉公先でのあれこれは、あとがきにもあるように「時代劇版 家政婦は見た」と言えるだろう。本当にシリーズ化されるはずだったのでしょうね。市井の生活感、小さな謎から探索へ、嫁の我慢等など生き生きと書かれています。続きが読めないのが残念でなりません。

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人物・団体紹介

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宇江佐真理

1949年函館生まれ。函館大谷女子短期大学(現・函館大谷短期大学)卒業。’95年「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞。2000年『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞、’01年『余寒の雪』で中山義秀文学賞を受賞。’15年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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