音わざ吹き寄せ 音四郎稽古屋手控 文春文庫

奥山景布子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167915124
ISBN 10 : 416791512X
フォーマット
出版社
発行年月
2020年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
307p;16

内容詳細

江戸・元吉原の「猫返しの神さま」と言われる三光神社近くの長屋で、長唄を教えている音四郎、お久の兄妹。将来を期待されていた歌舞伎役者だった兄は足に傷を負って役者を辞め、稽古屋を始めた。負傷にはなにやら因縁があるようだが、お久には知らされていない。兄にはまだ他にも、人に言えぬ秘密があるようだ。

【著者紹介】
奥山景布子 : 名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。高校教諭、大学専任講師などを経て創作を始める。2007年「平家蟹異聞」で第87回オール讀物新人賞を受賞。09年、受賞作を含む『源平六花撰』で単行本デビュー。18年、『葵の残葉』で第37回新田次郎文学賞、第8回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • qoop さん

    怪我で引退した元歌舞伎役者が長唄の師匠として、落語でお馴染みの人物たちを傍に据えて日を送るという本作の骨子は伝統芸能好きにはたまらないものがある。特に、シリアス方面に寄せた落語人物の再設定が巧いと感じる。〈天災〉の心学の先生が持つ胡散臭さを積極的に設定に取り込んだり、〈百川〉で名前のみ登場する亀文字を魅力的に肉付けしたり、〈唐茄子屋政談〉の徳三郎の更生を説得力を持って示したり…と、同じ世界観をもっと読みたいと思わせられた。シリーズ化を期待。

  • 千日紅 さん

    内容(「BOOK」データベースより) 江戸・元吉原の「猫返しの神さま」と言われる三光神社近くの長屋で、長唄を教えている音四郎、お久の兄妹。将来を期待されていた歌舞伎役者だった兄は足に傷を負って役者を辞め、稽古屋を始めた。負傷にはなにやら因縁があるようだが、お久には知らされていない。兄にはまだ他にも、人に言えぬ秘密があるようだ。

  • 山内正 さん

    台詞一つ指の動き磨いて来たが 四年前まで役者の音次郎 気が小さい優しいが背が男より大きくいお光が姿を見せない時が 弟作蔵の祝言がもう直ぐ 大坂で亡くなった四代目宇太衛門 の法要を江戸でする事に 音四郎が私の様な者がと思案する 昨日お光が煤けた箱を見つけて 妹お久へ差し出す 触るなと音四郎が不意に言う おっ母さんが来る前に使った三味線だ、お父っつぁんは四代目だ 泣き笑いの顔で おっ母さんは迷惑になるから名乗るなって言い残したんだ 倅ですと言わなくてもお父っつぁんと呼べなくても さっ羽織着てください兄さん

  • 山内正 さん

    大盛りだなんてお光はうんざり 広座敷でお弟子達の三味線を聞く 音四郎 妹お久を連出さない気遣いが分かる様になった 早かったですねと背負った音四郎を籠に乗せる 橋であの年増女を捕まえてくれ 黒い着物の お延さん久しぶりだな 以前格下役者で興行しようと金集めしたのを栄之丞ってのが持逃げ その金で女を身請けした お延が三年貯めた金を使い果し 地獄屋で体を売る 一時にやると上達しないもんですよと兄の声がする 弟子の山本屋にお久は気色悪さを 兄も帰って欲しそうにする 栄之丞が戻って仕事を見つけた もう地獄はやめだと

  • 山内正 さん

    甲高い声でお願いしますと挨拶する お久は子供に教えるのが苦手だ お葉に付き添う老女が苦手だ お師匠さんお葉は筋がいい方でしょうかと 芝居の唄方に声が掛かり兄は稽古をお久に任す 身勝手な客に節回しを と聞かれ戸惑う事も あの家のお嬢様を探しに 丙牛の年に習い事をしたら 身を助けると老女は信じ孫にもと あ玉ちゃん丙はねお天道さまの兄さんだよ守ってくれるさと老人が お葉に言う 男がきて何か失礼な事 をと謝る 老女を知ってるみたいな 言い方をする お葉は老女を連れて来なくなり お久の子供を上手に教える噂が立つ

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