くらやみざか 闇の絵巻

天沼春樹

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784890137091
ISBN 10 : 4890137092
フォーマット
出版社
発行年月
2015年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
251p;19

内容詳細

“わたし”は帰りつかない夢ばかりみている。目の前を横切る一頭の象、森に“箱”を設える男、鴉の通夜を執り行う女、夢を操る蜘蛛、本性を言い当てる易者見習いの青年、そして“わたし”に「物語」を託す巫女…。謎が深まりゆくなか、立ち現れる三人の女によって、いつしか“わたし”は、思い出せなかった世界、忘れ果てていた世界へと誘われていく。時が重なり、はまっていくピースの数々。仕掛けに満ちた、めくるめく幻想譚。

目次 : 夢/ 闇坂/ 蛇/ 虫/ 鴉/ 鴉 la passato(過去)/ 蜘蛛/ 通夜/ 川辺/ 魔/ 朝/ 葉文/ 闇坂/ 闇の絵巻―手文庫より解き放ちし物語三篇(水妖奇譚/ 密林/ 迦樓羅)

【著者紹介】
天沼春樹 : 1953年、埼玉県川越市生まれ。作家・ドイツ文学者。グリム童話・アンデルセン童話をはじめ多数の翻訳のほか、幻想文学・純文学の作品でも知られる。2008年にはアメリカの文芸誌「The Chattahoochee Review」誌に、日本の現代文学者の1人として代表作『ウォーターキャット』が翻訳紹介された。また、日本を代表する飛行船の研究家でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • よこたん さん

    “橋を渡りしなに、川を見下ろす。深い掘割のなかを黒い水が動いていた。その流れに運ばれてくるものが、あるのだろうか。あるとすれば夏の宵の時間ばかりである。” 昏い時と闇い時を、夢とうつつを、遠い過去と現在とを、行きつ戻りつしているはずが、いつの間にか溶け合う世界。降りしきる雨とごうごうと流れる川の、水の匂いに包まれる。すり寄ってくるものの気配と、もの言いたげな目配せの意味と、謎めいた言葉。坂には不思議な物語こそ似合うもの。梨木さんの『f植物園の巣穴』に恒川さんの粉をふりかけたような、とても好みの作品だった。

  • 小夜風 さん

    【所蔵】著者の絵本や児童書が大好きなのですが、こんな大人向けの素敵なお話も書いてくださったこと、凄く嬉しいです♪夏目漱石や泉鏡花、小川未明に宮沢賢治……彼らの生きていた時代ではなく、今この現代の日本に、こんな幻想的な物語を紡ぐ人がいることが、たまらなく幸せだなぁと思います。前半の飄々としたとぼけた感じから、後半の因縁や仕掛け(たくらみ)に繋がっていく構成も面白く、読んでいてワクワクしました♪他の人が書いたらホラーとか怪談になりそうなところを、上質な絵巻で楽しませてくれます。凄く好き♪

  • リッツ さん

    ああ、そうそう私もこんな夢よくみる、夕暮れだったり、暗闇だったり、早く帰りたいのに帰れない、でも何処に?私は何処に帰りたいんだろう…そんな同意と感傷を持って読み始めたら、迷い込み作者と重なり、過去の記憶が少しずつ現在に流れ込む。果たしてその昔、私は何者だったのか?毎夜、読みながら眠り、目覚めてはなぞり、もっと続いてもいいだろうと思った。

  • 深青 さん

    夢?現実?…読んでいるとだんだんこちらも区別がつかなくなる。ゆらゆらあっちへ行ったりこっちへ戻ったり。粗筋にある幻想譚という言葉がとてもよく似合うお話だった。「この世の辻褄をあわせようとやっきになっているうちはわかるまい。辻褄など、あうはずのものではないのだから」と一文が印象的だった。確かに不可解だったりわからないことがあると、理由をつけたり経験から答えを見つけたりしているなぁと。辻褄があわないととっても怖いからね。いつか「そんなこともあるか」と受け入れられたらこの世はもっと面白くなるかもしれないね。

  • かごめ さん

    闇の中で目を凝らしても実態が掴めないような妖しい時空。魅せられるような忌むような…。輪廻…転生しているのだろうか?わたしの前世は地を這うものだったのか、空を飛ぶものだったのか、水を潜るものだったのか?生き物なら殺生は理。来世は鳥の声を聞く樹になりたい。樹は渡り鳥の話に憧れて飛ぶ夢をみるのだろうか?今宵は現身を離れ魂はどこに往くのか…。

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