銭躍る東シナ海 貨幣と贅沢の一五〜一六世紀 講談社選書メチエ

大田由紀夫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065252451
ISBN 10 : 4065252458
フォーマット
出版社
発行年月
2021年09月
日本
追加情報
:
280p;19

内容詳細

一五世紀後半、北京で流行しはじめた派手な消費生活はやがて朝鮮半島・日本列島にも伝播し、珠玉・絹・陶磁器などの「唐物」、そして大量の銭や銀が、東シナ海を激しく往来することとなる。大陸・半島・列島にわたる「贅沢の連鎖」はなぜ起きたか?明・朝・日で同時発生した悪貨の横行の原因は何か?東アジア各地の経済成長と貨幣の変動は、相互連動する世界史的事件であった!共進化する東アジア史を、貨幣という視点から捉える試み。

目次 : 第1章 贅沢は連鎖する―明・朝・日の経済成長(大陸における贅沢風潮/ 半島の奢侈化と唐物交易の展開/ 列島における唐物消費の拡大/ 連鎖の背景―経済復興する大陸/ 芽吹く半島の経済/ 列島の経済変動)/ 第2章 悪銭と悪布―巻き起こる通貨変動(大陸の悪銭と揀銭/ 列島の通貨変動/ 半島の通貨変動)/ 第3章 そして「倭銀」があらわれた(停滞する列島経済/ 劣悪化する大陸の銭/ 変容する東アジア海域の交易/ 環シナ海域交易の沈滞/ 「倭銀」登場)/ 第4章 活況と騒乱の東アジア―シルバー・ラッシュがもたらしたもの(撰銭令ふたたび―一六世紀中葉・その一/ 米遣いの展開―一六世紀中葉・その二/ 銭から米へ―一六世紀後半/ 銀でつながる東アジア)/ おわりに―「唐物」と「夷貨」:東アジア史を動かす“モノ”

【著者紹介】
大田由紀夫 : 1965年、長野県生まれ。立命館大学文学部卒業、名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、鹿児島大学法文学部教授。専攻は中国近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ゲオルギオ・ハーン さん

    問題意識(貨幣システムの歴史)に合致した一冊なので手に取った一冊。個人的にはちょっと物足りないところだった。本書は主に16世紀頃の東アジアにて流通する貨幣の変化を貿易の様子も絡めて解説している。『悪貨が良貨を駆逐する』という視点で分析し、悪貨が増えると良貨にはプレミアムが着くため人々は保存し、悪貨が市場に広く流通し、物価が高くなり明朝を悩ませることになった。戦国〜江戸時代の日本では地域によって良貨も流通している地域もあったが、それはせいぜい近畿エリアでそこから遠いところは米や悪貨が取引したとしている。

  • MUNEKAZ さん

    15世紀後半からの中国の経済成長に端を発する東アジア全体の経済的な変動を紹介したい一冊。戦国時代、明清交代、壬辰倭乱と日中朝にとっては動乱の時代でもあったが、同時にそれは社会の流動性を促し、新たな経済需要の高まりを見せた瞬間でもあった。石高制という日本ローカルに思える体制が、東アジア全体の経済発展に繋がっており、さらにその裏にはスペイン銀の流入など世界全体を見据えたグローバルな連環が存在する。戦国時代の経済に興味がある人にとっては、その視点を一気に広げられる良書だと思う。

  • かんがく さん

    貨幣経済の発達、撰銭令、日本銀の輸出など日本史で習う内容について同時代の中国、朝鮮にも注目することでより広い歴史を捉える視点を提供してくれる一冊。ただ、かなり硬質な研究書で史料やグラフも多用されるため、読むのにはやや手こずった。中世の朝鮮史についてはもう少し深掘りしたい。

  • bapaksejahtera さん

    元の支配を脱した後混乱を経て始まる明の経済成長は、多彩な商品需要を齎す。これを契機に生じた通貨特に銅銭を中心とした貨幣経済の伸長は、明のみならず朝鮮や日本、琉球から東南アに渉って共時的に生じた現象であるとして、東アジアに跨る以降の経済史を追う。特に早期に綿花栽培が進展し、我が国を含めて外国への綿布輸出を進めた朝鮮がこれを通貨として使用する等の記述は新鮮な知識を与える。16世紀日本銀の産出に伴う銀通貨の発展は朝鮮にも及ぶ。その後中米の銀の拡大に伴う物価騰貴。我が国の鎖国政策はその対抗施策として有効だった由。

  • 翠埜もぐら さん

    中世における日本と東アジア、そして西国大名達の外交・物流などを知りたくて読んだのですが、ほぼ中国・朝鮮・琉球などの話が主で日本に関する記述は少なかったです。思ったのと大分違ったのですが、14世紀から16世紀にかけての東アジアの経済の転換期や明朝の対外政策、物流や倭銀・新大陸銀などがどのように影響を与えたのか興味深い話でした。朝鮮が金属の銭の代わりが布だったそうですが、少額の買い物ってどうしてたんだろう? 間違って当たんない限りあまり手に取るジャンルじゃないのである意味ラッキーでした。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

大田由紀夫

1965年、長野県生まれ。立命館大学文学部卒業、名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、鹿児島大学法文学部教授。専攻は中国近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

プロフィール詳細へ

哲学・歴史・宗教 に関連する商品情報

おすすめの商品